目次
潜在顧客のニーズを正しく捉える事は、自社のサービス利用者を増やす上で必要不可欠です。
潜在顧客を逃す事は、大きな利益損失にも繋がりかねません。
今回は、潜在顧客と見込み顧客の違いや潜在顧客へアプローチすべき理由、また潜在顧客への適切なアプローチ方法について解説していきます。
潜在顧客の定義
潜在顧客とは、自社の製品やサービスを"まだ必要だと気づいていない"潜在的な顧客のことを指します。
潜在顧客を定義するとき、明らかにターゲット層ではない人達は潜在顧客に入らないので注意です。
例えば、10代女性向けのサービスの場合、40代男性は潜在顧客にはなりません。
自社サービスによってニーズを解決できるであろう人達が潜在顧客だと考えてください。
潜在顧客と見込み顧客/顕在顧客の違いとは
潜在顧客は、見込み顧客や顕在顧客とどのように違うのでしょうか?
見込み顧客とは、すでにサービスに興味のある顧客や、もうすぐサービスが必要になるであろう顧客のことを指します。
例えば、自社製品の資料をダウンロードしてくれた人や一度試用品を試したことがあるという人は見込み顧客となるでしょう。
潜在顧客との違いは、サービスや製品へのニーズに気づいているか否かです。
一方で、顕在顧客は見込み顧客よりさらに上の段階を指します。
ニーズが顕在化しており、自社サービスを購入する寸前、またはすでに購入した状態が顕在顧客となります。
ただし、自身のニーズに気づいているという意味で見込み顧客と顕在顧客の定義に大きな差はなく、2つの言葉は同じ意味で使われることが多いです。
潜在顧客はアプローチ方法が異なる
潜在顧客と見込み顧客/顕在顧客では、適切なアプローチ方法が異なります。
見込み顧客はすでに自身のニーズに気づき、特定の製品やサービスがニーズを満たしてくれるということもなんとなくわかっています。
しかし、潜在顧客は自社のサービスどころか、自分のニーズにも気づいていません。
そのため、潜在顧客にいきなり訪問営業しても、よっぽどドンピシャなサービスでない限りは断られてしまうでしょう。
潜在顧客には、見込み顧客よりも段階を落としたアプローチをすることが大切です。ものを売り込む前に、まずは潜在ニーズを顕在化させることにフォーカスしましょう。
なぜ潜在顧客にアプローチすべき?
潜在顧客にアプローチすべき理由は大きく2つあります。
1つ目は、潜在顧客の取り込みにより売上げの上限突破ができることです。
すでに自社製品に興味を持っている見込み顧客にだけにアプローチをしていても、顧客層を拡大できず、売上げも頭打ちしてしまいますよね。
潜在顧客の顕在化は顧客の絶対数を広げるために必要不可欠なのです。
潜在顧客にアプローチすべき2つ目の理由は、潜在顧客からインプットを得られることです。
そもそも自社製品のターゲットはどのようにしてニーズに気づくのか/自社製品を知るのか/興味を持ってくれるのか、という抽象的な概念を、潜在顧客へのコンテンツに落とし込むことで具体化ができ、社内で共通認識を持つことができます。
1つ目の理由の副産物ではありつつも、営業や開発など事業全体で活用できるインプットが得られますよ。
潜在顧客にアプローチする前にするべき2つのこと
潜在顧客にアプローチをする前に、自社の潜在顧客とはどのような人達なのかをしっかりと言語化する必要があります。
潜在顧客像が曖昧だと、潜在顧客に向けたコンテンツが定まらないためです。
潜在顧客へのアプローチを始める前に準備すべきことは2つあります。
ターゲットのペルソナを決める
まず、潜在顧客となり得るターゲットを絞り、一つのペルソナにしましょう。
例えば、BtoCであれば都内の女子高生なのか地方のサラリーマンなのか、BtoBであれば20代現場担当なのか40代の決裁責任者なのかなど、できるだけ具体的な人物像を作ります。
ペルソナが具体的になるほどアプローチ方法が明確になりますよ。
態度変容の流れを言語化する
ペルソナを決めたら、そのペルソナが購買に至るまでの態度変容を表にまとめます。
この表はコンテンツマップやカスタマージャーニーマップとも呼ばれます。
購買に至るまでの過程を表の横軸とし、認知や情報収集から、比較検討や購買までのステップを記載します。
この時、AISAS(アイサス)などのプロセスを使ってもいいでしょう。
そして、顧客との接点やチャネル、顧客の思考や行動などを縦軸とします。そして、表に購買に至るまでの態度変容の流れをまとめていきます。
AISASモデルについて詳しく知りたい方は以下の記事も合わせてご覧ください。
潜在顧客にはコンテンツマーケティングが有効
潜在顧客を取り込むためには、コンテンツマーケティングが有効的です。
コンテンツマーケティングとは、ブログ記事やセミナーなどのコンテンツを通して、潜在顧客を見込み顧客に育てるマーケティング手法のことです。
購買前の情報収集が当たり前になった今、潜在顧客のニーズに合わせて態度変容を促すコンテンツを露出することで、潜在顧客のうちに自社サービスを知ってもらうことができます。
潜在顧客にいきなり製品を売り出すよりも、そのとき潜在顧客が知りたい情報を見せる方が、より気持ちよく自社サービスについて調べてくれますよね。
ペルソナの態度変容のステップに合わせて、適切なコンテンツマーケティング手法を選んでいきましょう。
潜在顧客へのコンテンツマーケ手法
潜在顧客へのコンテンツマーケティングは様々な種類があります。
自社の顧客の態度変容マップに沿って、適切なチャネルでコンテンツを発信することが大切です。
記事コンテンツ(SEO)
潜在顧客のニーズに合わせた記事コンテンツを発信することは、コンテンツマーケティングの中でも人気の手法です。
記事コンテンツ作成はSEO(サーチ・エンジン・オプティミゼーション)とも呼ばれ、Googleなどの検索エンジンの上位に自社の記事を掲載することで、より多くの潜在顧客に自社を知ってもらうことができます。
広告のようにお金をかけずに潜在顧客との接点を増やすことができることが魅力ですよね。
ホワイトペーパー
BtoB商材など検討期間が長い商品であれば、ホワイトペーパーなどのダウンロードコンテンツを作成することが効果的です。
例えば、他のサービスと比較検討をしている潜在顧客に対して「〇〇サービス5種類の比較表」などのコンテンツを提示すれば目に留めてくれますよね。
また、サービスの決裁を稟議に上げる段階の顧客に「〇〇サービスの稟議を通す方法」という資料を送ることも効果的でしょう。
ホワイトペーパーの書き方についてもっと詳しく知りたい方は以下の記事も合わせてご覧ください。
動画コンテンツ
動画は短い時間で多くの情報を伝えることができ、潜在顧客の記憶に残りやすいため、とても効果的なコンテンツです。
BtoCサービスはこれまでもTVCMなどで動画コンテンツを活用してきましたが、最近はBtoBサービスも電車広告やYouTube動画でコンテンツを発信する企業が増えています。
これからより動画を気軽に見れるようになり、より動画コンテンツの需要は上がっていくと考えられます。
セミナー
潜在顧客の中でも情報収集段階の顧客に対してはセミナーコンテンツがおすすめです。
例えばMAツールを検討している潜在顧客がターゲットであれば、「MAツールの使い方セミナー」のような内容でも良いでしょう。
潜在顧客だけでなく、購買に近い比較検討段階の見込み顧客に、「自社製品活用セミナー」といった形で購買の後押しをするセミナーもあります。
オンラインセミナー・ウェビナー開催のコツについて知りたい方は以下の記事もご覧ください。
潜在顧客へのアウトバウンドアプローチ方法
コンテンツマーケティングは潜在顧客に自社のコンテンツを見つけてもらう手法でしたが、アウトバウンドで潜在顧客にアプローチする方法もあります。
ここではアウトバウンドアプローチ方法を3つご紹介します。
展示会
SaaSツールや最新AIサービスなどテーマ別で開かれる展示会に出展することは、アウトバウンドアプローチの1つです。
大きなイベントになればなるほど、新たな潜在顧客と接点を持つチャンスが増えます。
また、展示会は潜在顧客と直接話せる場でもあるため、顧客の新たなニーズや思考を知ることができる貴重な機会でもありますよ。
テレアポ
潜在顧客にアプローチする場合、営業電話ではなく、コンタクトを取り続け購買意欲を高めるインサイドセールスのような役割となります。
例えば、電話で顧客の悩みを聞き出し、悩みを解決できるホワイトペーパーや動画コンテンツをメールで送るなども、潜在顧客に対するテレアポの一貫となります。
インサイドセールスの役割やコツについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせてご覧ください。
広告
ディスプレイ広告やリスティング広告などで潜在顧客にアプローチする方法もあります。
広告は年代や性別、地域などを絞り込んで表示することができるため、ターゲット層に効果的にアプローチすることができます。
また、FacebookなどのSNS広告に露出する企業も増えています。一般的にホワイトペーパーのダウンロードやセミナー集客などが広告のコンバージョンポイントとなります。
コンテンツマーケティングの成功事例
自社に似たサービスのコンテンツマーケティング事例を参考にすることが、自社に合ったやり方で潜在顧客を取り込む近道です。
ここでは、BtoBとBtoC両方のコンテンツマーケティング成功事例をご紹介します。
成功事例1:サイボウズ
サイボウズ株式会社が運営するオウンドメディア「サイボウズ式」は発信力の強い企業ブログです。
目標PV数などの目標を設定せず、自分たちが納得のいくコンテンツを書き続けているという運営方法が特徴的です。
読者を第一に考えた幅広いコンテンツ作りは非常に参考になりますよ。
成功事例2:経営ハッカー
freee株式会社が運営するオウンドメディア「経営ハッカー」は、コンテンツによって潜在顧客を取り込んだ代表的な事例です。
freee株式会社の商材は会計ソフトですが、経営ハッカーは経営に関する幅広い題材を取り上げており、会計ソフト購買の一歩手前のニーズを上手く捉えたコンテンツを発信しています。
また、専門性の高い記事が多いことも差別化ポイントとなっています。
成功事例3:北欧、暮らしの道具店
BtoCのコンテンツマーケティング事例として有名なのが、株式会社クラシコムが運営するメディア「北欧、暮らしの道具店」です。
バイヤーが商品の魅力を丁寧に語っている記事は、押し付けがましさがなく自然と商品を魅力的に感じてしまいます。
コンテンツマーケティングの理想の形として取り上げられる事例なので、ぜひチェックしてみてください。
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この記事を書いた人
すべらないキャリア編集部
「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。