LTVとは?代表的な計算方法の紹介とおすすめの分析ツールを紹介

  • 2020.11.07

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WEBを中心としたビジネスでは、新規顧客を増やすと同時に既存顧客が継続的に自社商品・サービスを購入してくれる良好な関係性を構築するマーケティング戦略が重要です。

WEBマーケティング戦略の検討に欠かせない指標である「LTV(ライフタイムバリュー)」について、導入目的や計算式、分析ツールなどを解説します。

LTVとは?

LTVとは、「Life Time Value、ライフタイムバリュー」の略で、日本語では「顧客生涯価値」と訳します。

ある顧客が一生のうちに、どれだけの商品・サービスを購入し、どれほどの利益をもたらしてくれるのか(収益の総額)を予測するためのマーケティング指標です。

新規顧客獲得や既存顧客維持にかかるコストを差し引いた純粋な利益額(累積利益額)を算出するためにも利用します。 一般的には、顧客のロイヤリティが高いほど1回きりの取引ではなく長期的な商品・サービス購入に繋がるため、LTVの値は大きくなります。

LTVが注目される理由

LTVが注目される理由の一つとして、国内市場の成熟が挙げられます。

既に多くの商品・サービスが溢れ、十分に市場に行き渡っている成熟期市場において、新規顧客を獲得することは困難であり、既存顧客を「ファン」として囲い込み安定して収益をあげる戦略が重要です。

LTVは既存顧客の売り上げを維持・拡大するための施策検討・投資判断の目安として活用できます。

また、成熟市場であっても既存顧客維持のみに注力するのではなく、新規顧客獲得は継続して実施することが必要です。

LTVが向上すれば、新規営業・マーケティングにかけられる費用も大きくなりますので、既存顧客維持と新規顧客開拓の両方をバランスよく進められます。

LTVの活用方法

LTVの算出・分析することで様々な場面に活用できます。

例えば、新規顧客獲得にかけられるコストの算出根拠としてLTVを活用できます。

将来的な収益予測であるLTVを基準とし、CAC(Customer Acquisition Cost)やCPA(Cost per Acquisition)といった顧客獲得費用を決定します。

適切なCAC値は「LTV/CAC > 3x(LTVがCACの3倍より大きい)」が目安ですが、一般的にCACは少なく見積もられる傾向があり、十分なマーケティング効果が得られないことが多いようです。

LTVを元に広告宣伝費などのCAC上限値を明確化することで、より積極的に新規顧客獲得への投資を進めることができます。

LTVの計算方法

LTVには様々な計算方法があり、商品・サービスの特性や利用目的などによって適切な計算式を使います。

ここからは代表的な計算方法を4つ紹介しますので、記事内容を参考に自社商品・サービスでぜひLTV値の算出・分析をやってみましょう。

    LTV=平均顧客単価×平均購買頻度×平均継続期間

顧客単価、購買頻度、継続期間のそれぞれで平均値を把握出来ていれば、すぐに算出が可能です。

毎月や4半期に1回など、定期的・断続的に物品サービスの購入が行われる場合は、この計算式を用いることが多いです。

例えば、1回あたりの平均購入額が3,500円で、平均購買頻度が年6回(隔月購入)、平均継続期間が3年と仮定するとLTVは63,000円となり、将来に渡って1人あたり63,000円の売り上げが期待できます。

    LTV=顧客の年間取引額×収益率×顧客の継続年数

収益率を考慮する計算式です。

例えば、年間取引額が80万円(平均購買単価:20万円、平均購買頻度:年4回)、収益率が50%、顧客の継続年数が5年だった場合のLTVは200万円で、1人あたり生涯に渡って200万円の売り上げをもたらすと予測できます。

なお、顧客獲得や既存顧客維持にかかるコストは考慮されていない点に注意しましょう。

    LTV=平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間-(新規顧客獲得コスト+既存顧客維持コスト)

新規顧客獲得や既存顧客獲得にかかるコストを考慮して、純粋な売上額を算出したものです。

この計算式で算出したLTVがマイナスになってしまう場合、顧客を新規獲得すればするほど、顧客を囲いこむほど収支が悪化してしまいます。

LTVがプラスになるように、「平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間」で算出できる金額を増やしたり、新規顧客獲得・既存顧客維持にかかるコストを削減したりといった対策を検討します。

    LTV=(平均顧客単価×年間平均購買頻度×粗利率)÷年間離反率

平均継続期間を把握することが難しい場合、年間離反率を用いてLTVを算出します。
マーケティングの現場でよく使われる計算式です。

年間離反率とは、どれくらいの顧客が一定期間に商品・サービスの継続利用から離れてしまったのかを示す指標で、いかにリピート利用してもらえるのかを把握するために使用します。
年初の顧客数を年度末の顧客数で割ることで算出可能です。

例えば、平均顧客単価5,000円、年間平均購買頻度:4回、粗利率:70%、年間離反率:20%とすると、LTVは70,000円となります。

LTVを高める方法

LTVの計算式を把握できていれば、LTVを高めるための方法はおおかた予測を付けることができます。

ここからは、具体的にどの項目を、どのように調整すればLTVが向上するのかを詳しく解説します。

顧客単価を上げる

まずは顧客単価をあげる方法があります。

顧客単価は、既に販売中の商品サービス自体の単価を値上げしたり、高価格帯の商品ラインナップを追加(アップセル)したりする方法があります。

また、クロスセルとして関連商品の購入や付加オプションの追加をすすめる方法や、複数購入で割引など購入数を増やす方法なども有効です。

購買頻度を増やす

購買単価が4,000円で年間平均購買頻度が3回、平均継続期間が3年のケースで、年間購買頻度が4回になった場合、LTVは36,000円から48,000円となるので、約133%のLTV向上が期待できます。

購買頻度を増やすためには、定期的に顧客フォローをすることが重要です。

具体的には、購入後に定期的なフォローメールや顧客訪問で顧客との接点を維持する方法や、新商品を次々に投入し機能的・心理的な陳腐化を誘うことで新商品購入を促す対策などがあります。

継続率を上げる

特にサブスクリプション型のサービスを提供している場合、いかに途中解約されないことが重要で、顧客を飽きさせない施策工夫が必要です。

継続率を上げる方法としては以下のような方法が一般的です。

    • 活用度を高める(顧客の習慣化をサポート、うまい使用方法のレクチャーなど)
    • 期待度を高める(こんな風になりたいといった期待を生み出すように、様々な導入事例を紹介するなど)
    • 顧客満足度を上げる
    • 解約理由を分析し、ボトルネックとなる事柄を改善する

また、顧客接点チャネル・頻度を多く用意し、常に魅力的な商品・サービスを提供し続けることも、顧客のロイヤリティを高め、結果的に継続率アップに効果が期待できます。

顧客獲得コストを下げる

購買単価や購買頻度が改善されたとしても、新規顧客獲得に大きなコストがかかっている場合は、LTVは下がってしまいます。

一般的な指標値と比較して新規獲得コストが多すぎる場合は、営業・マーケティング手法を見直すことが重要です。

LTVを上げるためのツール

マーケティング支援ツールとして様々なシステムツールが存在しますが、ここからは「LTVを上げる」という観点で有効なツールを紹介します。

Hicustomer

HiCustomerとは、主にSaaS企業向けに作られた国産のカスタマーサクセスプラットフォームです。

利用状況、コミュニケーション履歴、売上、契約情報などの様々な顧客データを集約分析し、サービス退会やアップセル(上位モデルへの乗り換え)の兆候を検知し、アラートが上がります。

また顧客データを収集・分析することで見えてくるアクションとその結果を蓄積することで、より再現性の高い施策を揃えられるので、離反率の低下や、顧客単価の増加に効果が期待できます。

coorum

coorumは、法人向けユーザーコミュニティ管理ツールとして既存顧客の売上最大化・満足度向上を目的としたツールです。

公式サイトには導入効果として「LTVが120%」と紹介されており、LTV改善・向上には効果が期待出来ます。

具体的には、顧客データの分析を支援するための機能や、ナレッジ作成・蓄積機能などが代表機能です。

特に、ナレッジ作成・蓄積機能については、顧客同士のQ&A・ナレッジ作成を支援し、既存顧客にとって重要かつ魅力的なコンテンツを提供できる環境を構築しやすくし、「ファン」として定着させることを狙っています。

まとめ

国内の飽和・成熟市場においてビジネスを行うのであれば、LTVを把握した適切なマーケティング戦略が欠かせません。

LTVが低い状態であれば単純に売り上げが上がっているように見えても、長期的に見ると損をするといった事態に陥る可能性があります。

LTVなどの様々な指標を組み合わせ、長期的な視野でマーケティング戦略を立案することが重要です。

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この記事を書いた人

すべらないキャリア編集部


「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。

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