KPIツリーを正しく作る3ステップ|作成例や注意点を解説

  • 2020.11.15

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KPIツリーは目標達成をより確実にできる便利なツールです。特に効果が見えにくいコンテンツマーケティングにおいて良く使われる手法ですが、どの職種においても効果的です。

事業を任されている部長やメンバーの成果を任されている持つマネージャーなどは、KPIツリーによって思考が整理され、より良い施策が打てるようになるでしょう。

また、事業全体を俯瞰できることは自身の業務にも活きてくるため、メンバーであってもKPIツリーについて理解する価値はあるでしょう。

今回は、KPIツリーを作成するメリットやKPIの作成方法、作成例などをご紹介します。

KPIツリーとは

KPIツリーは、KGI達成までのKPIを整理したロジックツリーです。
KPI(Key Performance Indicator)とは、事業の売上目標などの最終目標に対して、どこでどれだけの数字を達成すれば良いのかを示す中間指標のことを指します。

最終目標だけを見るとどこから手をつけて良いのかわからなくなりますよね。KPIに細分化することによって、追うべき数字が明確になります。さらにそれをツリー型にすることで、ボトルネックとなる数字も見やすくなります。

KPIツリーによって社員全員が共通認識を持ち、より効率的に目標達成に向けて進んでいくことができます。

KGIやOKRとの違い

KPIとよく混同されるのがKGIです。
KGI(Key Goal Indicator)とは、事業の目標を示す指標のことです。

一般的には売上目標金額がKGIになるでしょう。KPIツリーでは、KGIは最遅行指標となり、ツリーの左端に置きます。

KPIはKGIを基準に、KGIから逆算して算出していきます。そのため、KPIツリー作成において、KGIは必要不可欠な要素となります。

OKRもKPIと言葉が似ていますが、KPIとは目的が違う手法です。
OKR(Objectives and Key Results)とは目標管理手法のことで、会社の目標に向かって社員が進んでいけるように、目標の設定や進捗管理をするためのものです。

構造もKPIツリーと似ているので混同しないよう注意しましょう。

KPIやOKRについてもっと詳しく知りたい方は以下の記事も合わせてご覧ください。

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KPIツリーを作成するメリット

KPIツリーを作成するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
KPIツリーにはKPIを整理すること以外にもたくさんのメリットがあります。

ここではKPIツリーのメリットを大きく4つに分けてご紹介します。

全体の数字を俯瞰できる

KPIツリーを作成することで、目標数字や中間指標が明確になり、事業全体の数字を俯瞰して見ることができます。
全体の数字を俯瞰することでどのようなメリットにつながるのでしょうか。

まず、部分的な数字だけではなく全ての数字が見れることで、ボトルネックとなる数字を見つけやすくなります。
そして、全体のストーリーが見えることで精度の高い仮説を立てることができます。

また、全体の数字を可視化することは、事業の戦略を理解することにも繋がります。
思考や戦略がひと目でわかるKPIツリーは、事業方針の共有にも使うことができるでしょう。

マネジメント層とメンバーで共通認識が持てていないという課題がある場合は、ぜひKPIツリーを活用してみてください。

施策を立てやすくなる

KPIツリーによってボトルネックが見えやすくなり、仮説が立てやすくなることで、目標達成に向けた筋の良い施策を打つことができるようになります。

例えば訪問アポ獲得数が目標より低い場合に、ただアポ数を上げる施策を打っても、その前の指標であるリード数にボトルネックがあれば施策の効果は見られないでしょう。
このように、一つの数字が低いからといってそこがボトルネックであるとは限りません。

意外にも上記のようなケースは起こりがちです。
改善すべき数字を見極め、効果が出る施策を打つためにも、KPIツリーは効果的と言えるでしょう。

各部署の役割が明確になる

KPIツリーを作成することによって、各部署の役割が一覧で見られるようになります。

どの部署が何の数字を追っているのかがわかることで、より全体思考になることができるでしょう。
全体思考になること、今事業に求められる役割とは何かをより正確に捉えることができるため、メンバー一人ひとりの生産性向上にも繋がります。

また、他の部署のKPIを知ることで、部署間での協働にも繋がります。
先行指標を追う部署に対しての感謝の気持ちも生まれるでしょう。自分の部署以外に関心を持つことは事業全体にもメリットがあるのです。

PDCAを回しやすくなる

KPIツリーを作ることで、PDCAをスピーディに回すことができます。
KPIツリーによって目標数字と実績との差分がより早く見つかるため、計画(Plan)が立てやすく、評価(Check)も簡単にできるようになります。

PDCAを早く回すことでボトルネックを早く潰すことができ、改善のノウハウも溜まっていくことから、事業の成功に繋げることができるでしょう。

また、常にPDCAを回せるようになることで、固定概念に執着することなく、市場や競合の変化に対応することができます。
PDCAを回しやすくなることは、KPIツリー作成の一番のメリットとも言えるでしょう。

KPIツリーの作り方

KPIツリーの効果を発揮するためには、正しく作成する必要があります。
ここではKPIツリーの作成手順を大きく3つに分けてご紹介します。

1. 要素を洗い出す

KPIツリー作成の最初のステップは、要素を全て洗い出すことです。
KGIを基準に、そこから要素分解をするという方法が一番やりやすいでしょう。

要素を洗い出す一つ目の方法は「顧客」を分解していくことです。
新規顧客なのかリピート顧客なのか、広告経由の顧客なのかSEO経由の顧客なのか、という形で分解します。

もう一つの方法は「行動」を分解していく方法です。
クリックする、コンバージョンする、再訪問するなど、という形で分解していきます。いずれにせよKGIを基準に考えることを留意してください。

2. ツリー構造に落とし込む

KPIツリー作成の2つ目のステップは、KPIをツリー構造に落とし込むことです。
左が遅行指標、右が先行指標として整理していきます。

KGIが再遅行指標となるので左端に置き、大きい数字を右から置いていきます。
例えば、右から順番にマーケティングが担うリード数、インサイドセールスが担う訪問アポ数、そして営業が担う契約数という順番でツリーにしていきます。

上記だけだと一直線になりますが、売り上げの下で新規契約とアップセル/クロスセルで枝分かれしたり、リード数の下で資料ダウンロード経由とセミナー経由で枝分かれしたりと、自然とツリー状になっていきます。

3. ゴールから逆算して数字を出す

最後に、KGIから逆算して、KPIツリーの中のそれぞれの指標の目標数字を決めていきます。
その指標が各部署が追うKPIとなります。

例えば事業の目標売上金額が月間1,000万円である場合、新規契約数は最低でも15件必要という計算をするとします。
そこから、その15件を達成するためには最低でも40件の訪問アポが必要で、その40件を達成するためには最低でもリード数500件が必要で…という形で先行指標の数字も決めていきます。

この段階で100%正確な数字を出すことはできませんが、それでも問題ありません。
むしろ、PDCAを回しながらKPIを調整できることがKPIツリーのメリットなので、最初はざっくり数字を決めるでも良いでしょう。

KPIツリーの例

ここでは具体的なKPIツリーの例をご紹介します。
とあるサービスの月間売上目標が1,000万円だと仮定して、KPIツリーを作ってみましょう。

ちなみに、KPIツリーを作るツールは様々ですが、パワーポイントやエクセルで作るのが一番簡単です。
特別なツールを使わなくても十分効果的なKPIツリーが作れますよ。

今回はパワーポイントでKPIツリーを作成しました。要素を洗い出し、ツリー構造にしたものが以下の図になります。

KPIツリーの例

あくまで例としてざっと洗い出したものなので、上記以外にも指標が出てくるでしょう。
このように、KGI達成までの道筋を可視化すると、たくさんの指標があることがわかります。

ここから、担当の部署や達成すべき数字を洗い出していきます。
現状の数字から目標数字までの差分を算出し、それをもとに数字を当てはめていくのも良いでしょう。

KPIツリーにおいて何を枝分かれの基準とするかは、事業内容や戦略によって異なります。
会社のサービスや思考に沿ったKPIツリーを作りましょう。

KPIツリー作成の際の注意点

間違えたやり方でKPIツリーを作ると、思うような効果が得られないことがあります。
ここでは、KPIツリーを作る際の注意点3つをご紹介します。

1. 数値化できない要素を入れない

顧客満足度など、定量化が難しい指標はできるだけKPIツリーに入れないようにしましょう。

KPIツリーはあくまでKGIを達成するために必要な指標を整理するものです。
定性的な指標を入れてしまうと前後の流れが曖昧になったり、ツリーがややこしくなります。

また、KPIは「追いやすい指標」であることも大切です。
例えば「リードからの訪問アポ率」など、パーセンテージをKPIと設定するケースもありますが、パーセンテージは追いにくい指標です。

KPIにするなら「訪問アポ数」など、シンプルで追いやすい指標に落とし込むことが大切です。

定量的に理解できるKPIツリーを作ることで、効果を最大限に発揮することができます。

2. 要素は必要最低限にする

無駄な要素を入れすぎてしまうことも、KPIツリーの失敗としてよく起こります。

KGIに影響する数字を挙げだすとキリがなく、細かい指標まで出てきます。大切なのは、指標を洗い出した後にKPIツリーに入れるべき指標を厳選することです。

KPIをツリー構造に整理する際に、本当にこの数字がKGIにインパクトがあるのか?をしっかり考えながら取捨選択しましょう。

3. 要素を重複させない

言い方を変えて同じ指標が重複してしまう場合もあります。
その場合はKPIツリーのロジックが壊れてしまうので、必ず重複している指標がないかチェックするようにしましょう。

ただし、KGIを達成するためのKPIが複雑になる場合もあり得ます。
重複してはいけないというのはあくまで原則で、場合によっては要素が重複する場合もあるので、あくまで事業に最適なKPIツリーを作成することを最優先にしましょう。

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この記事を書いた人

すべらないキャリア編集部


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