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仕事において文章力を付けたいと思った事はありませんか?
チャットやメールなど、文章でやりとりする機会は多く、文章力がないと不便な場面が多いですよね。
逆に文章力が付くだけで仕事が速くなったり、会話がスムーズになったりするため、文章力はビジネスマンの必須スキルといっても良いでしょう。
今回は特にビジネスにおいて必要とされる文章力を付ける3ステップや文章を書く時に気を付けるべきことを解説していきます。
文章力とは何か
文章力とは、読み手が理解できる言葉を書くこと、またメッセージがはっきりしている文章を書くことです。
決して完璧な文法を使うことが文章力ではありません。
ここでは文章力を付けるために、前提として頭に入れておくべきこと3つを解説します。
良い文章とは完読される文章
良い文章とは、言い換えると完読される文章とも言えます。
伝えたいことが明確で、無駄な情報がない文章は、読み手が飽きず、そして脱線せずに完読することができるからです。
逆に、情報が多く文章が冗長であったりメッセージが曖昧だったりすると、読み手は最後まで文章を読みません。
人によっては、パッと見た文章が長すぎる時点で、読むことすらしない人もいるでしょう。
文章を書くときは、読み手がその文を完読してくれるかどうかを意識することが大切です。
大切なのはテクニックではなく思いやり
正しい主語や述語、敬語の使い方など、文章力を付けるにはルールやテクニックを学ぶことも大切です。
しかし、文章力を付ける上で最も大切なことは、読みやすいように文章を書くという読み手を思いやる気持ちです。
人は文章を書くとき自分が書きたいことを書きがちです。
しかし、文章は他の人に読んでもらってこそ意味があります。文章を書くときは読む人への思いやりの気持ちを忘れないようにしましょう。
良い文章の土台は事実とロジック
読んでいて気持ち良い文章や、スラスラ読める文章は、事実とロジックの土台がある文章です。
たとえ表面的な言葉の表現や言い回しがどんなに良かったとしても、事実に基づいていなければ読み手は腑に落ちないでしょう。
また、事実が揃っていても、それらをロジックで組み立てないと文章として成り立ちません。
良い文章とは、事実とロジックの両方が揃った文章なのです。
文章力を付けるべき理由
文章力を付けるべき理由とは何なのでしょうか?
文章を書くことが苦手な人の中には、口頭で伝えれば問題ないのでは?と思っている人もいるでしょう。
しかし、仕事において文章によるコミュニケーションが多いことは事実です。
メールやチャットなどを使ったやりとりは仕事の半分以上を占めると言ってもいいでしょう。
また、記録に残せるという利点もあることから、口頭で伝えたことも必ず文章に残すという会社は少なくありません。
文章を書くのに時間がかかったり、文章で正しく物事を伝えられないと、仕事に支障をきたしてしまいます。
仕事において文章力を付ける事は必要不可欠なのです。
本を読めば文章力は身に付く?
よく文章力を付けるためには本を読むべきという声を聞きますよね。
実際は、文章を読むだけでは、文章を書く力は身につきません。
もちろん、本の言い回しを参考にしたり、本から文章の書き方を学ぶ事はできますが、それだけでは文章力は付かないでしょう。
文章力を付けるためには、文章を書く前の準備から改善をしなければいけません。
文章力を付けるための簡単3ステップ
文章を書くことに苦手意識がある人でも、良い文章を書くために難しいトレーニングをする必要ありません。
少し意識することを変えるだけで、文章力は十分につけることができます。
良い文章を書くためには、文章を書くこと自体よりも、文章を書く前の準備と書いた後の見直しが重要です。
ここでは、文章力を付けるための方法を3ステップに分けてご紹介します。
1. 事実(5W1H)を揃える
文章を書く前にまずすべき事は、文章の材料となる事実を揃えることです。
必要なピースが揃っていないとパズルが完成しないように、必要な事実が揃っていないと良い文章はできません。
事実を揃える時に便利なのが「5W1H」のフォーマットです。
5W1Hを揃えてから、文章を書き始めるようにしましょう。フォーマットは下記になります。
- Who(誰が)
- What(何を)
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Why(なぜ)
- How(どうやって)
あらかじめ5W1Hを洗い出す事は、不足している情報の特定にも繋がるのでおすすめですよ。
例えば、クライアントに納品を早めて欲しいと依頼された際に、上司に対応を報告したいとします。
その際の5W1Hは下記のようになるでしょう。
- Who(誰が):クライアント
- What(何を):Aの納品期限を今週にして欲しい
- When(いつ):先ほどの会議で
- Where(どこで):訪問先の会議室
- Why(なぜ):サービスのリリースが前倒しになった
- How(どうやって):エンジニアに相談する
もちろん、必ず5W1Hが揃っている必要はありませんが、情報の抜け漏れをなくす上で有効な手法です。
2. 箇条書きで構成を作る
事実が揃ったら、次に構成を作っていきます。
文章を書き始める前に文章の骨子を作る事は、わかりやすい文章を書くことができるのはもちろん、文章を書くスピードを上げることにも繋がりますよ。
事実を箇条書きにしていきながら、何を最初に伝えるか、どのような順番で伝えるかを考えていきます。
ここで必要ない情報も出てくるため、無駄な情報は削除していきます。
いらない情報をたくさん入れてしまうと文章が長くなり相手に伝わりにくくなるので注意しましょう。
例えば、先ほどの上司への相談であれば、会議の場所である訪問先の会議室(Where)は伝える必要がないと判断できます。
さらに順番を変えて文章を組み立てると、下記のようになるでしょう。
”先ほどの訪問で(When)クライアントから(Who)Aの納品期限を今週に早めて欲しいと言われました(What)。
サービスのリリースが前倒しになったこと(Why)が理由です。
対応として、この後エンジニアと相談し今週の納品が可能か確認する(How)予定です。”
上記のようなほ報連相(ほうれんそう)は、チャットやメールで頻繁に発生しますよね。
まずはノートに箇条書きで構成を書き出し、慣れてきたら頭の中で構成を立ててみましょう。
3. 書いた後必ず読み返し推敲する
文章を書いたあと、すぐに送信をしてはいけません。必ず見直し、推敲をするようにしましょう。
特にビジネスにおいては、社内であっても社外であっても、誤字脱字があるだけで信用を失ってしまいます。
自分自身が文章を読むときも、誤字脱字ばかりの文章は読む気がしないですよね。
構成を立ててから文章を書いたとしても、必ず無駄な文章や重複した言い回しが出てきます。
書いているときは何も気づかなかったけど、読み返すと違和感だらけの文章だったという事はありませんか?
文章を書いた後の推敲は、文章を書く前の準備と同じくらい大切です。
送信ボタンを押す前に、必ず自分の書いた文章を読み直すようにしましょう。
文章を読んでもらうために工夫すべきこと
文章を書く時に少し工夫をするだけで、より読みやすい文章を書くことができます。
ここでは、今日から実践できる文章を読んでもらうための工夫2つをご紹介します。
具体的なエピソードや数字を入れる
数字や具体的なエピソードを入れることで、簡単により良い文章を書くことができます。
文章は具体性があるだけでグッと説得力が増したり、まとまりができたりするからです。
例えば、「昨年に比べて業績が大幅アップしました」よりも、「昨年に比べて業績が20%アップしました」の方が説得力がありますよね。
仕事上のコミュニケーションであれば、「今週中に対応します」よりも「今週金曜の17時までに対応します」の方が相手に伝わりやすいでしょう。
また、文章をわかりやすくするために具体的なエピソードを入れることも効果的です。
例えば、ただ「このツールは使いやすい」と伝えるよりも、「このツールは自分が〇〇で困った時に△△の機能が役に立った」と伝えた方が説得力が増します。
主観的な文章は極力書かない
文章力を付けるためには、主観的な意見を書かないことが大切です。
特に仕事でのやりとりでは、主観を入れると伝えたい事実が埋もれ、文章がわかりにくくなってしまいます。
例えば、「クライアントが〇〇と言っていた」と簡潔に伝えるべきところを、「自分は△△だと思っていたが、クライアントは〇〇と言っていた」と主観を入れてしまうと、文章が周りくどくなり、事実が何なのかもパッとわかりにくいですよね。
また、意識的に事実と主観を分けないと、書き手が無意識に意見や解釈などの主観を入れてしまうことがあります。
自分が書いた文章は事実に基づいているか、不必要な主観が入っていないかを確認するようにしましょう。
客観的な文章を書くだけで、一気に文章が読みやすくなりますよ。
文章力が付くおすすめの本
文章力を付けるために、ノウハウが書かれた本を読むことも有効的です。
ビジネスにおいては、表現力や文法ではなく、文章の構成方法などが書かれた本が良いでしょう。
ここでは、ビジネスにおける文章力が身に付くおすすめの本を2つご紹介します。
新しい文章力の教室(唐木元 著)
文章力を付ける入門としておすすめなのが「新しい文章力の教室」です。
この本はこの記事の参考にもしており、仕事におけるレポートや報告書から、SNS投稿やブログまで、幅広い文章に使える手法が書かれています。
チャットで言いたいことが上手く伝わらなかったり、メールを書くのに時間がかかってしまうという人におすすめの本です。
書かずに文章が上手くなるトレーニング(山口拓朗 著)
「書かずに文章が上手くなるトレーニング」はその名の通り、書くことをせずとも思考を変えるだけで文章力をつけることができるという内容の本です。
この本は、文章力が付かない原因は文章力そのものではなく、文章を書くまでの思考であると提言しています。
文章力に関する本は「てにをは」などのテクニックが書かれたものが多い中、これは文章を書くまでの準備と思考にフォーカスを当てています。
文章に苦手意識がある方でも読みやすい内容になっていますよ。
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この記事を書いた人
すべらないキャリア編集部
「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。