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セルフマネジメントは仕事においてもパフォーマンスを向上させるために重要な要素です。
しかし、セルフマネジメントといっても、具体的に何をすれば良いのかわからないという人もいるのではないでしょうか?
そこで、本記事ではセルフマネジメントについてメリットや身につける方法、ポイントを紹介していきます。
セルフマネジメントとは
「セルフマネジメント(self management)」は、「自己管理能力」のことを指し、自分自身の感情や行動をコントロールして目的や目標を達成するために必要な能力です。
セルフマネジメントの目的は、「自分自身を正しくコントロールして目的や目標を達成すること」で、セルフマネジメントの要素を細かく分類すると、さまざまなテクニックが存在します。
また、セルフマネジメント能力身につくことで、「QOL(生活の質)の向上」や「仕事のパフォーマンスの向上」「人間関係の円滑化」にもつながるため、ビジネスだけではなくさまざまな場面で注目されているのです。
セルフマネジメントで意識するポイント10選
では、セルフマネジメントにおいて具体的に何を意識してマネジメントしていけば良いのでしょうか?
セルフマネジメントにおいて意識すべきポイントは以下の10個です。
- 目標の管理:目標の達成のための計画を立てて遂行していく
- タスクの管理:やるべきことを管理して、抜け漏れがないようにする
- タイムマネジメント:所要時間を正確に見積もって、計画通りに行動していく
- 感情のコントロール:感情に振り回されずにコントロールする
- 思考のコントロール:偏った考え方にとらわれずに客観的・俯瞰的に物事を考える
- 行動のコントロール:自分自身の行動を律して、目的に向けて行動していく
- モチベーション管理:モチベーションを保持・向上していくために何が必要かを理解する
- ストレスケア:日常のストレスを解消したり、緩和したりするための方法を理解する
- フィジカルケア:食事・運動・睡眠など、自身の身体が健康に保たれるように管理する
- メンタルケア:精神衛生面が安定できるように、必要な考え方や方法について正しく理解する
自己管理をしていくためには、上記のようにさまざまな要素についての理解を深め、マネジメントをしていけるようにしていかなければいけません。
そのため、セルフマネジメントをおこなうには、今の自分にとって不足している要素はなんなのかを把握した上で必要になる部分のマネジメントに取り組んでいくことが大切でしょう。
上記のポイントについて、さらに詳しく解説した記事があるのでそちらもぜひご覧ください。
セルフマネジメントの重要性
今までセルフマネジメント能力は、仕事を進めるうえでも重要な能力として考えられていましたが、これからの社会においてとくに重要度が増してくる能力になるでしょう。
その理由として挙げられるのが、「働き方改革」です。
厚生労働省が推進している働き方改革によって、副業の解禁されたことで複数の仕事を掛け持ちしている「パラレルワーカー」の数も増えています。
そして、新型コロナウィルスの影響により、2020年には多くの企業でリモートワークが推進されたことにより、ビジネスマンは会社以外の場所で仕事をする機会ができました。
また、クラウドソーシングサービスを運用しているランサーズ株式会社が実施した『フリーランス実態調査』によれば、2018年のフリーランス人口は1,151万人だったのが、2021年では1,670万人と約500万人も増加しています。
フリーランスとして働くためには、自分で営業からクライアントのやりとりまで対応していく必要があり、体調を崩してしまうことで収入に大きな影響が出るため、セルフマネジメント能力は必須だといえるでしょう。
これらの要因のように、自由度高い働き方ができるようになったからこそ、セルフマネジメント能力は今後もより重要度を増しているのです。
セルフマネジメント能力を身につけるメリット3選
セルフマネジメント能力は現代において重要なスキルですが、身につけることでどのようなメリットがあるのでしょうか?
本項では、セルフマネジメント能力を身につける3つのメリットについて紹介していきましょう。
仕事を効率的にこなすことができる
セルフマネジメント能力に必要な要素として、タスク管理やタイムマネジメントに関する要素があります。
そのため、セルフマネジメント能力を身につけることで、タスクを管理して効率的に仕事を回していくことにつながるでしょう。
また、タスク管理やタイムマネジメント以外の要素も仕事をしていくうえで大切な要素であるため、セルフマネジメント能力を身につけて高めていくことで生活や仕事の質の向上を図ることも可能になります。
自分の感情や行動をコントロールしやすくなる
セルフマネジメント能力を身につけることで、感情や思考をコントロールして、適切な行動もできるようになるでしょう。
日常生活における言動は、無意識のうちに感情や思考の情報を反映して行動をしているため、感情に支配されて衝動的に行動してしまうと、人間関係が悪化してしまったり、仕事でも成果を出していくことが難しくなってしまうこともあります。
そのため、セルフマネジメント能力を身につけることで、自分の感情や思考、行動をコントロールして冷静に行動できるようになります。
体調やメンタルを安定させることにつながる
セルフマネジメントの中には、ストレスケア・フィジカルケア・メンタルケアなどのセルフケアの要素も含まれています。
日常生活において、体調やメンタルを安定させるためには、ストレスの解消や緩和をはじめとして、自分自身の体と向き合うことは必要不可欠です。
そのため、セルフマネジメント能力を身につけて、生活をしていくことで自分自身の体や心と向き合い、安定せることもできるようになるでしょう。
セルフマネジメントが得意な人の3タイプ
ここまで、セルフマネジメントとは何か、セルフマネジメントを身につけることでのメリットについて紹介してきました。
では、セルフマネジメントが得意な人のタイプにはどのような特徴があるのでしょうか?
本項では、セルフマネジメントが得意な人のタイプについて紹介していきましょう。
ストレスの発散が上手い
セルフマネジメントが得意な人のタイプとしてまず挙げられるのが、「ストレスの発散が上手い」ことです。
セルフマネジメントは自己管理を常に自分に課すものですが、人によっては窮屈さを感じてしまう人も少なくありません。
そのため、ストレスが溜まる前に、自分なりのストレス解消法をおこなうことにより、心身に負担をかけることなく、仕事に取り組むことができるのです。
ポジティブな考え方ができる
ポジティブな考え方ができる人も、セルフマネジメントが得意なタイプです。
セルフマネジメントをきちんとしていても、ビジネスには予期せぬアクシデントが起きる場合もあります。
しかし、ポジティブな考え方ができる人は、必要以上にネガティブに物事をとらえずに、発生の元となった要因を考えだし、上手く行く方法を冷静に判断していくため、解決策を明確に打ち出すことができるのです。
優先順位をつけるのが得意
セルフマネジメントには優先順位をつける能力が必要です。
どの仕事においても、仕事には期限と重要度に応じて優先順位をつけていく必要があります。
仕事で優先順位をつけることができれば、やるべきこととやらなくて良いこと明確になるため、効率的に仕事をすることにもつながるでしょう。
また、優先順位をつけるのが得意な人は、アイゼンハワーマトリクス(緊急×重要度で優先順位をつける手法)を活用するとともに、相手にとっての優先順位や仕事にかかる時間も考慮して優先順位付けをしているため、タスク管理も得意な人が多いのも特徴です。
セルフマネジメント能力を身に着ける3つの方法
セルフマネジメント能力は幅広い要素があるため、人それぞれできている部分とできていない部分が分かれてくるでしょう。
ですが、セルフマネジメント能力を身につけるためには、以下の3つの方法に沿っていくと効率的に身につけることにつながるため参考にしてみてください。
自分の課題を明確にして優先順位をつける
まずは、セルフマネジメントで意識する10つのポイントの中で、自分自身が得意としていることと苦手としていることを分けて課題を明確にしていきます。
具体的な方法としては、以下の手順で進めると良いでしょう。
- 10つの要素の中で、自分が得意としている要素と苦手にしている要素を5段階評価で分類していく
- それぞれの要素で具体的に何ができていて、何ができていないのかを具体的に挙げる
- できていない部分を課題として、解決していく優先順位をつける
上記の手順で優先順位を決める際には、重要度の他に「どの要素が着手しやすいか」という指標で判断するのがオススメです。
優先順位に沿って課題ごとのゴールを決める
それぞれの要素に優先順位をつけたら、各要素における現時点でのゴールを設定します。
ゴールを設定する際には、より具体的な内容にすることが望ましいため、「課題を解決できた時の状態はどのような状態なのか」を明確にしておくと良いでしょう。
また、課題ごとのゴールを決める場合にも、具体的な解決方法についての理解を深めておくことで解決までの道筋を把握することができるため、解決するための手法などの情報を調べておくのがオススメです。
- 課題 :思い通りにならないとついイライラしてしまう
- ゴール:思い通りにならないことがあったとしても怒りの感情が表に出ないようになっている
- 備考 :アンガーマネジメントの手法を取り入れてみると良さそう
感情のコントロール
- 課題 :ストレスに対して過敏に反応してしまう
- ゴール:ストレスがかかったとしても、適度に解消できるようにする
- 備考 :ストレス解消法について調べて具体的な方法について把握すると◎
ストレスケア
課題を解決するための計画を立てて実行する
課題ごとのゴールを明確にしたら、具体的な計画を立てていきましょう。
ここでは、あくまで「いつまでに達成するか」という目標を持つことで、なんとなく行動するよりも効果的なため、計画を立てています。
計画を立てる際には、
- 2週間から1ヶ月単位で、一つの要素に対する課題に集中して取り組んでいく方法
- 3ヶ月単位で1〜3つ程度の要素に関する課題を意識して行動する方法
このように、短すぎない期間で設定して中長期的に計画と立てていくと良いでしょう。
また、課題は一度解決したからといってすぐに治るわけではないため、日誌を書いたり、振り返りを定期的におこなったりしながらPDCAサイクルを回していくことが大切です。
セルフマネジメント能力を身につけるためのポイント
前述では、セルフマネジメント能力を身につける方法について紹介しましたが、高めるために意識しておくと良い5つのポイントについて紹介していきます。
ここで紹介するポイントを意識していくことで、よりセルフマネジメント能力を身につける役に立つので、参考にしてみてください。
1つずつ解説していきます。
過去の自分の行動を癖を分析する
セルフマネジメントをおこなうにあたって、自分自身の行動の癖や特性を分析しておくことは、非常に大切です。
例えば、
- 楽しいと思うことだと夢中になって際限がない
- 朝食を食べないと集中力が続かない
- 嫌なことがあると、何もしなくなってしまう
このように、自分の過去の行動の中で印象に残っている要素があれば、それをピックアップしておきます。
ここでのポイントは「ポジティブな行動とネガティブな行動の両方を挙げること」と「感情と行動/行動の結果がどのように結びついているかを知る」ということです。
自分の行動の癖や特性を理解することで、計画を立てる時に必ず役に立つので、分析しておいて損はないでしょう。
適度に思考や感情と向き合う時間を作る
日常の生活で起きた、思考や感情と向き合うのも、セルフマネジメントをおこなうためには大切なポイントです。
「日常で印象に残ったこと」に対して、「なぜ印象に残ったのか」「その時どのような感情や考えを持っていたのか」という視点で振り返ることで、普段無意識で行動していることに対して意味付けをして理解を深めることにつながります。
そして、普段の行動に何かしらの意味をつけているということがわかれば、思考や感情の癖を知ることにつながるため、セルフマネジメントをおこなう際に、思考や感情のコントロールをするための一助にな流でしょう。
なので、自分の中で印象に残ったことがあれば、そのままにしておかない適度に向き合う時間を作るようにしてみてください。
楽しいと思えることをコントロールする
セルフマネジメントと聞くと、「至らない部分を律してコントロールすること」と思う人も多いでしょう。
しかし、セルフマネジメント能力を身につけるためには、「自分が楽しいと感じることでもしっかりと行動をコントロールすることができるか」も大切な要素になるのです。
人によっては、楽しいことだと歯止めが効かない人もいるのではないでしょうか。
ただ、歯止めが効かないという時点で、セルフマネジメントができていないということでもあります。
なので、あえて楽しいと思えることもしっかりと時間決めて切り上げるなど、ちょっとした制約を設けることで、自分の行動をコントロールするためにも役立つでしょう。
まとめ:セルフマネジメント能力を高めよう!
以上、セルフマネジメントとは何か、セルフマネジメント能力を身につける方法などについて詳しく解説してきました。
セルフマネジメント能力は一度身につければ、一生活用していくことのできる能力です。
もしも、現時点でセルフマネジメントができていない人は、本記事の内容を参考にセルフマネジメント能力を身につけてみてくださいね。
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この記事を書いた人
すべらないキャリア編集部
「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。