目次
現代社会において、ストレスは社会問題としても取り上げられており、ストレス耐性という言葉はとても重要視されています。
ストレス耐性を高めていくことで、日々の生活や仕事においても必要以上にストレスを感じることなく生活していくことが可能になります。
本記事では、ストレス耐性の要素や原因、ストレス耐性が低い人と高い人の特徴、ストレス耐性を高めるための具体的な方法などについて解説していきましょう。
ストレス耐性とは
ストレス耐性とは、日常や仕事に対して生じるストレスに対する耐性のことを指します。
ストレス耐性が低いと、日常の生活において、ストレスを感じやすくなったり、ストレスを抱え込みすぎて体調不良になってしまったりと生活に支障が出る可能性もあるでしょう。
一方で、ストレス耐性が高いということは、ストレスを感じにくい思考性やストレスを感じた時に適切に対処し、必要以上にストレスを溜め込まない方法に長けているということです。
ストレスは、生きていく上で必ず生まれますが、そのストレスの種類や原因を知り、思考性や対処法などを実践していくことで、ストレス耐性を高めていくことが可能です。
次項では、ストレス耐性の基本を知るために、ストレス耐性を決定する6つの要素について解説します。
ストレス耐性を決定する6つの要素
ストレス耐性の有無を判断するために定められている要素が6つあります。
それが下記の6つです。
それぞれのストレス耐性を決定する要素について解説していきます。
容量
1つ目が容量です。
容量とは、ストレスを受け止められる量がどれくらいなのかを図る指標になります。
ストレスの容量が大きいと判断される人は、大きなストレスや複数のストレスが降りかかってきても、許容量が大きいため、体調不良など心身的な影響が出にくいのが特徴です。
逆に、ストレスの容量が小さいと判断される人は、大きなストレスや複数のストレスが降りかかってきたときに、心身的な不調が出てきやすい傾向にあります。
感知
2つ目は感知です。
感知は、ストレスへの感度がどれだけ高いかを図る指標となります。
感知力が高いと、日々の小さなことに対してもストレスを感じてしまい、ストレスを溜めやすいのが特徴です。
反対に、ストレスの感知力が低いと、日々の生活の上でストレスを感じづらいため、ストレスへの耐性が強いということになります。
経験
3つ目が経験です。
経験とは、ストレスを感じた時やストレスが溜まった時に、適切な対処ができるかどうかを図る指標となります。
経験値が高いことは、ストレスを感じた時にどのように考えればストレスを和らげることができるか、ストレスが溜まった際にどのような行動を取れば解消できるのかを知っているということです。
その反面、経験値が低いということは、ストレスに対する対処方法に疎く、適切な対応ができません。
そのため、ストレスを解消できなかったり、ストレスを溜め続けて、心身に影響が出る可能性が高くなります。
処理
4つ目が処理です。
処理とは、ストレスを感じた際にストレス要因を解消したり、ストレスを少なくしたりするための行動ができるかどうかを図る指標です。
処理能力が高いということは、ストレス要因となる可能性がある事象に対して、ストレスにならないように対応したり、ストレスが起きても比較的少なく済むように対処することが可能です。
逆に、処理能力が低い場合は、ストレス要因があっても対応できずに、ストレスに晒されてしまう可能性が高くなります。
転換
5つ目が転換です。
転換は、ストレスを感じた時に、ストレスをどのように捉えて軽減していけるのかを図る指標になります。
転換力がある場合、ストレスを感じた要因に対して、ポジティブに捉えて自分の経験として活かしていくための思考をとることも可能です。
転換力がない場合は、ストレスを必要以上にネガティブに捉えてしまい、余計にストレスを溜めてしまったり、ストレスを感じ続けてしまったりすることがあります。
回避
6つ目が回避です。
回避とは、ストレスを感じないようにストレス要因を回避するなど、ストレスを感じてしまう機会を作らないようにする能力を図る指標です。
回避力が高い人は、ストレス要因があると気付いた場合は、要因に近づかないように努めたり、ストレスを感じるとわかっている事柄は避けたりと、ストレスを感じないように意識して行動することが可能です。
逆に回避力が低い人は、ストレス要因があるとわかっているのに回避できずに、ストレスを抱えてしまったり、望んでいないのに他人に巻き込まれて、ストレスを感じたりしてしまうこともあります。
4種類のストレッサー
ストレッサーとは、ストレスを感じる原因のことを指します。
また、ストレッサーにはさまざまな種類があり、私たちの生活や仕事、人間関係など生きている中で起こるストレスの原因を細かく分類しています。
今回は仕事をしていく上で関連性の強い4つのストレッサーについてご紹介していきましょう。
それぞれについて詳しく解説していきます。
物理的ストレッサー
まずは、物理的ストレッサーです。
物理的ストレッサーとは、季節の変動による寒暖や気圧の変化など、自然発生の原因(自身ではどうにもできない原因)のことを指します。
また、身体的なストレスの原因となる、PCなどのブルーライトや寝心地の悪い枕、運動後の筋肉痛なども含まれます。
心理的ストレッサー
2つ目が、心理的ストレッサーです。
心理的ストレッサーは、自身の心理的な要素が原因となるストレッサーのことを指します。
具体的には、不安・焦り・怒り・悲しみなど、仕事や生活において感情が原因で感じるストレスです。
社会的ストレッサー
3つ目が社会的ストレッサーです。
社会的ストレッサーは、仕事や社会における人間関係などに関連性がある原因によるストレスのことを表します。
例えば、「仕事が忙しくて残業をしなければいけない」「職場で合わない人がいてストレスを感じる」などの原因が挙げられるでしょう。
環境のストレッサー
4つ目が環境のストレッサーです。
環境のストレッサーは、騒音がうるさい場所、たばこの煙が充満している飲食店など、環境に関係するストレスのことを指します。
その他にも、満員電車や人混みの多い場所、転職などによる環境の変化によるストレスなども含まれます。
ストレス耐性が低い人の3つの特徴
ここからは、ストレス耐性の低い人の3つの特徴について説明していきます。
ストレス耐性が低いと、ストレスによる体調不良や睡眠不足など身体的な影響が出てくることがあります。
そのため、ストレス耐性の低い人の特徴とともに、対処法などもご紹介していきます。
それぞれについて詳しく解説していきます。
落ち込みやすい
ストレス耐性の低い人の特徴としてあげられるのが、落ち込みやすいという点です。
落ち込みやすい人は、何か失敗をしてしまったり、誰かから指摘されたりした時に、必要以上にストレスを抱え込んでしまう傾向にあります。
そのため、落ち込みやすい人が意識するべき点としては、失敗や指摘された点について、紙に事実だけを書き出すようにしてみましょう。
落ち込んでしまう原因は、事実以外の感情的な要因の影響を必要以上に感じてしまうことにあります。
そのような場合には、失敗や指摘という事象に対して、過大妄想してしまっている状態のため、紙に書き出すことで客観的に捉えることが可能です。
結果として、必要以上にストレスを感じなくて済むため、冷静に失敗や指摘を受け入れて対応をしていくこともできるようになります。
協調性が高い
2つ目の特徴は、協調性が高いということです。
協調性が高いことは、悪いことではありませんが、ストレスの観点からするとストレスの原因となりかねない特徴として認識されます。
協調性が高いということは、空気を読んで相手に合わせ過ぎてしまうということです。
また、相手に合わせ過ぎてしまうことで、自分のやりたいと思うことができなかったり、相手の顔色を伺い過ぎて自分の考えを主張できなかったりと、ストレスを溜めてしまう可能性が高くなります。
そのため、ストレスを溜めないように、自分の中で物事の優先順位を決めて、優先順位が低い場合は他にやるべきことがあるため断るなど、ストレスがかからないように対応をしていきましょう。
協調性の高い方の中には、「協調性がないと嫌われてしまうのではないか」と不安になる方もいると思います。
ただそれ以上に、協調性が高いことで、仕事を断れずに抱え込み過ぎてしまったり、人間関係に不安を感じ過ぎてしまったりと、ストレスを感じてしまうことが多いのも事実です。
自分の状況やストレスの状況を鑑みて必要なことはしっかり伝えていくことを心がけると良いでしょう。
まじめ過ぎる
3つ目の特徴として、まじめ過ぎるという点が挙げられます。
単純に、まじめなだけであれば問題はありません。
ただ、まじめ過ぎることで、誰かに頼ることができずに自分で抱え込んでしまったり、自身の価値観を優先して他者の人の考えが受け入れられずに反発してしまったり、ストレスを感じてしまう原因になることを引き起こしやすくなります。
なので、まじめ過ぎる人は、まず他者の考え方を一度受け止めることを意識しましょう。
はじめから受け入れることは難しいとは思いますが、自分と異なる価値観があることを理解していくことで、他者の意見も参考になる部分があることを知ることができます。
その結果、他者の考えを受け入れて柔軟性を持つことができたり、相手を受け入れていくことで良好なコミュニケーションをとったりできるようになるのでオススメです。
ストレス耐性が高い人の3つの特徴
次に、ストレス耐性の高い人の3つの特徴について紹介していきます。
ストレス耐性が高い人は、ストレスを感じても適切に対処ができたり、ストレスを感じないように行動することができる人です。
ストレス耐性が高い人の特徴を認識して、少しずつ自身にも取り入れていけると良いでしょう。
それぞれについて詳しく解説していきます。
楽観的
ストレス耐性の高い人の特徴として、楽観的という点が挙げられます。
楽観的な人は、ストレスとなりうるネガティブな要因があったとしても、悲観的に考え過ぎずに行動していくことが可能です。
また、どんなことにも対しても不安を感じにくかったり、落ち込んでもすぐに立ち直ったりすることができるため、ストレスを溜めにくい人が多いのも楽観的な人の特徴でしょう。
前向きに捉える
2つ目の特徴が、前向きに捉えるということです。
前向きに物事を捉えることができている人は、失敗をしても一つの経験として捉えたり、必要以上にストレスを抱え込むことがありません。
前向きに物事を捉えることで、ストレスを緩和することができるため、ストレスを抱え込みづらいのです。
集中力がある
3つ目の特徴が、集中力があるという点です。
集中力がある人は、細かいことを気にせずに一つのことに集中できます。
また、集中するということは不要なことを考えない状態にあるということです。
淡々と物事に取り組むことができるので、結果としてストレスの影響を受けにくくなります。
ストレス耐性をつけるメリット3選
これまでストレス耐性の低い人と高い人の特徴について説明してきましたが、本当にストレス耐性をつける必要があるかどうか疑問に感じる方もいるかもしれません。
ストレス耐性が高いことで得られるメリットは多く、ストレス耐性をつけることでストレスに強くなり、心身的にも生きやすくなります。
具体的には、ストレス耐性をつけることで得ることのできるメリットとして、下記の3点が挙げられます。
それぞれについて詳しく解説していきます。
ストレスを抱え込まずに心身的な負荷を減らすことができる
ストレス耐性をつけることで、ストレスを感じても適切に対応することができるようになるため、必要以上にストレスを抱えることが少なくなります。
その結果、ストレスからくる心身的な負荷を減らして、ストレスの少ない生活を送ることも可能になるでしょう。
ストレスの対処法を知っているため、心理的に余裕を持って生活できる
ストレスに対する対処法を知っていることで、ストレスの原因を回避してストレスを感じる機会をなくしたり、ストレスに対して前向きに捉えたりすることもできるようになります。
そのため、ストレスに対して必要以上に不安を感じることがなく、心理的に余裕を持って生活することが可能です。
心理的な余裕を持ち、様々なことにチャレンジできる
ストレス耐性を高めて心理的に余裕を持つことで、新しいことにチャレンジする意欲が湧いてきます。
新しいことにチャレンジすることで、人生の幅が広がり、新しい出会いがあったりと人生において良い結果につながることも多いです。
ストレス耐性を高める方法3選
ストレス耐性を高めていくために重要なポイントは3点あります。
それぞれについて詳しく解説していきます。
ストレスを感じていることを認識する
はじめに重要なのが、ストレスを感じていることを認識するということです。
実は、日常生活におけるストレスを正確に認識できていない人は多く、身体的な疲労や体調不良をストレスからくる症状ではなく、よくあることだと曖昧に捉えて、その場しのぎの対処法で済ませてしまうこともあります。
ただ、その場しのぎの対応だけでは、再度同じ状態になる可能性は高く、ストレスを感じていることを認識できなければ、ストレスの原因や要因の分析もできないため、根本的な解決をすることができません。
なので、まずはどんなことに対してもストレスを感じていることを認識して、ストレスの負荷が大きい場合は、ストレスの原因や要因の分析をするようにしましょう。
ストレスの原因や要因のを分析する
次に重要なのが、ストレスの原因や要因を分析することです。
ストレスの分析をする際には、ストレッサーを正確に把握することが大切です。
そして、ストレッサーの把握と共に、具体的なストレスの原因となっている事象を明らかにしましょう。
また、ストレスの原因が明らかになったら、ストレスの性質分析をしていきます。
ストレスの性質には大きく3つに分けることが可能です。
- 自身の行動や思考をコントロールすることで解消できる要因
- 他者の協力がなければどうしようもない要因
- 根本的な解決がすぐには難しい要因
ストレスの原因や要因を把握することで、より的確な対策を立てることができるので、分析は可能な限り丁寧におこなうと良いでしょう。
ストレスの原因や要因を解消するための対策を立てて実行する
最後に重要な点として、ストレスの原因や要因を解決するための対策を立てて実行することです。
ストレスの原因や要因を明確にすれば、具体的な対策を立てやすくなります。
また、対策を練る際に方向性として下記の3つを意識すると良いでしょう。
- 自身の行動や思考を変えてストレスを感じにくくする
- ストレスの原因や問題を解決する
- 一時的にストレスを発散して心を安定させる
ストレスの性質によっても対策の内容は変わってきますが、考え方の方向性として認識しておくことで対策を立てるときに参考になるでしょう。
上記の3つのポイントを押さえて、ストレスに対応することで、ストレス耐性を高めていくことにつながります。
ストレス耐性をチェックする
現代社会において、ストレスチェックをしてストレスの状態を把握することは必須事項です。
会社の経営者や人事担当としては、社員のストレス状況を把握して対応していく必要もあるでしょう。
そのため、本項ではストレスチェックに用いられる診断の特徴をご紹介していきます。
それぞれについて詳しく解説していきます。
DIST(自社採点方式)
DIST(自社採点方式)は、ダイヤモンド社が提供するストレス耐性テストの一つです。
DIST(自社採点方式)は、1人5分でできるストレステストで、自己効力やストレス耐性などを5つの特性で判定できることです。
また、ストレスへの耐性を4つの特性から判定して、ストレス要因に対する耐性の診断が可能です。
DIST-COM(コンピュータ診断方式)
DIST-COM(コンピュータ診断方式)もダイヤモンド社が提供するストレス耐性テストの一つです。
DIST-COM(コンピュータ診断方式)の特徴は、DIST(自社採点方式)と内容は同じですが、大量の受験者がいる場合にオススメのプランです。
受験した人材をデータとして比較評価することが可能なので、採用や社内教育において効率的なプランです。
Web-DIST(標準プラン)
Web-DIST(標準プラン)もダイヤモンド社が提供するストレス耐性テストの一つです。
Web-DIST(標準プラン)は、DIST(自社採点方式)をWeb上でも実施できるようにしたプランです。
DIST(自社採点方式)に比べて、時間を選ばないので、スムーズに受験をしてもらうことができるようになっています。
Web-DIST(大量受検者向けプラン)
Web-DIST(大量受検者向けプラン)もダイヤモンド社が提供するストレス耐性テストの一つです。
Web-DIST(大量受検者向けプラン)は、DIST-COM(コンピュータ診断方式)をWeb上で対応できるようにしたプランです。
大人数に対してWeb上での受験や情報分析ができるため、効率的に診断や分析を進めていくことができます。
3Eテスト
3Eテストは、エン・ジャパン株式会社が提供する、人材適性診断テストです。
また、3Eテストでは、知的能力テストと性格・価値観テストの2種類で構成されています。
そのため、ストレス耐性も含めて、人材採用をする際に必要な人柄診断や価値観分析まで対応可能なので、効率よく人材の情報分析を知ることが可能です。
ビジネスで求められるストレス耐性
現代社会において、ストレスとは常に隣り合わせです。
仕事を通して、大きなストレスを抱えてしまうこともあるでしょう。
そのような時に、ストレス耐性を身に付けることができていれば、ストレスに対して適切な対応をしながら、余裕を持って仕事に取り組んでいくこともできます。
また、ストレス耐性は、リーダーやマネジメント層には必要不可欠です。
そのため、ストレス耐性を身につけていることで、リーダーやマネージャー職としてキャリアアップして、仕事の幅を広げて、多くの経験を積んでいくことも可能も高くなるでしょう。
まとめ
本記事では、ストレス耐性の要素やストレッサーの種類、ストレス耐性が低い人や高い人の特徴などの解説をしてきました。
今回の記事の内容をまとめると下記の通りです。
- ストレス耐性とは、ストレスに対する耐性のことを指し、ストレス耐性をつけることで多くのメリットを得ることができる
- ストレッサーは、ストレスの原因のことを指し、ストレッサーを正しく認識することで適切な対応をしていくことが可能になる
- ストレス耐性の低い人でも、ちょっとした工夫でストレス耐性を高めていくことが可能
- ストレス耐性を高めるためには、認識・分析・対策の3つのポイントが重要
ストレスに対してしっかりと対処方法を身につけていくことで、仕事や生活においてのメリットは想像よりも多いです。
ストレス耐性を高めていくために、まずはストレスの認識と分析・対策をして、少しずつ向き合いながら、ストレス耐性をつけていくようにしましょう。
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この記事を書いた人
すべらないキャリア編集部
「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。