リードナーチャリングの4つの手法!実行するポイントも徹底解説

  • 2020.11.21

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リードナーチャリングとは、相手に寄り添った情報を提供して将来的に顧客になってもらうことを目的とした手法です。

今回は、リードナーチャリングの需要が高まっている理由やメリット・デメリット、具体的な手法などを解説します。

新たな顧客獲得の方法を模索している人にとって有益な情報が満載です。

リードナーチャリングとは

リードナーチャリングとは相手に寄り添った情報を提供して将来的に顧客になってもらうことを目指した方法のことです。一言でいうと、見込み顧客を育成するという目的があります。

従来は見込みのある顧客に対して個別にメールやはがきを送るといったアプローチをしていました。これはプッシュ型と呼ばれます。

一定の効果があるのものアプローチ範囲が狭く、アプローチするために多くのコストがかかるというデメリットが目立ちます。

そこで考え出されたのがリードナーチャリングです。

リードナーチャリングは、将来的に顧客となりうる層に対してウェブ上で発信したり定期的にメルマガを届けたりして中長期的な関係を築くという役割があります。

リードジェネレーションとの違い

しばしば混同される言葉として「リードジェネレーション」が挙げられるでしょう。

リードジェネレーションとは、自社の商品やサービスに関心のある見込み顧客を創出するためのマーケティング活動のことです。

具体的には、展示会での名刺獲得やウェブサイトでの問合せ獲得、SEO対策などがあります。

しかし、せっかくリードを獲得しても、その時に顧客からのニーズがなかったためアプローチを辞めてしまう営業マンがいます。

そのまま放置していると一度自社商品やサービスに興味を持ってくれたのにも関わらず競合他社にとられてしまうかもしれません。

そこで考えられたのが、リードナーチャリングです。「リード(lead))育成する(nurturing)」という言葉の通り、これまで獲得したリードに対して有益な情報を提供し続け、自社商品やサービスをアピールします。

具体的な例は、メールマガジンの配信やセミナーの案内、無料トライアルの案内などです。

リードジェネレーションによって獲得したリードをリードナーチャリングによって育成するわけです。

リードナーチャリングの需要が高まっている3つの理由

現代では、リードナーチャリングの需要が高まってきているといわれています。その3つの理由を紹介しましょう。

それぞれについて詳しく解説していきます。

購買行動の長期化・複雑化

まず、購買行動の長期化や複雑化が進んだことが挙げられます。インターネットの発達によりウェブ上での情報量が飛躍的に伸びました。

そのため、購入する前に競合他社と比較検討する人が増えたのです。

「もう少しで新機種が発売されるから今購入するのはよそうか」「口コミを調べて購入しよう」「他のRPAツールと比較してより安い方で購入しよう」など、思考を巡らせてから商品やサービスの購入を決定することもあるのではないでしょうか。

とりわけBtoB事業において顧客が大企業であればあるほど稟議・決裁のプロセスが多く、購買行動が長期化・複雑化する傾向がみられます。

資産を活用できる

多くの企業が保有している何枚もの名刺といった資産を活用できるという理由もあります。

理想をいえば得た情報はすべて顧客獲得のために使われるべきですが、営業マンによってはいまいち活用できていないこともあるでしょう。

リードナーチャリングによって、あまり活用されていない名刺といった隠れた資産が将来的な顧客を育てるために活用されます。

ザイオンス効果

人間は何度も目にしたり耳にしたりしたものに好感を抱くという心理効果があります。

これは、ザイオンス効果と呼ばれます。適切なタイミングで送られてくるメールマガジンやテレビCMに対して愛着を覚えたことがある人もいるでしょう。

こういったザイオンス効果を活かしたのがリードナーチャリングです。中長期的に良好な関係を築くことで商品やサービスの購入へとつなげるのです。

リードナーチャリングの3つのメリット

リードナーチャリングのメリットとしては以下3つが挙げられます。

それぞれについて詳しく解説していきます。

中長期的にフォローする仕組みを作れる

まず、購買プロセスの長期化・複雑化が進んだ現代において重要なのが中長期的なフォローです。

営業マンが個別にフォローし続けるのには限界があるでしょう。そこで、メールマガジンやSNSなどを使って中長期的にフォローする仕組みを作るのです。

仕組みを作れると営業マンの勘や経験に左右されることなく一定の効果を得られるでしょう。

すでに獲得している資産を活用できる

次に、すでに獲得している資産を活用できるというメリットがあります。

従来は、費用をかけて個別にはがきを送ったりテレアポをしたりして営業をしていました。

より効率性を求めるのなら一度興味を示してくれた相手に対して一度にアピールする方がよいでしょう。すでに獲得している休眠顧客情報を活かして見込み顧客を創出できます。

適切なタイミングで再びアプローチができる

また、適切なタイミングで再びアピールできるというメリットも大きいです。

ツールを使うことで、見込み顧客の行動や関心事を可視化できます。

時にはしつこい営業が会社の評判を下げることがあるので、ここぞというときにポイントを押さえた営業を行うことが重要です。

営業マンはよりニーズの高い相手に多くの時間を割けるので効率よく活動できるでしょう。

リードナーチャリングの3つのデメリット

一方、リードナーチャリングのデメリットとしては以下の3つが挙げられます。

それぞれについて詳しく解説していきます。

中長期的に接点を持つためのコンテンツ作りが必要

まず、SNSやブログを更新したりメールマガジンを配信したりするコンテンツ作りに時間を割く必要があります。

信頼関係を深める重要なものですので、最適なコンテンツを届けないといけません。

営業部だけではなくマーケティング部といった他部署との連携が必要なときもあるでしょう。

顧客情報を一元管理するシステムや仕組みが必要

次に、個人情報や行動履歴などを一元管理するシステムや仕組みが必要というデメリットがあります。

効率よくリードナーチャリングを行わなければ満足いく効果は得られません。一元管理するシステムや仕組みにはコストがかかります。

購買意欲の見定めを行わないといけない

また、購買意欲の見極めをしなくてはいけないというデメリットも考慮しましょう。

例えば、量を重要視する営業マンと質を重視する営業マンによって見込み顧客となる対象の境界線が変わることはよくあります。

購買意欲の見定めをきちんとできなければ十分な効果は得られないでしょう。

リードナーチャリングの4つの手法

リードナーチャリングの代表的な手法を4つご紹介します。実現可能なものから順に着手してみてください。

それぞれについて詳しく解説していきます。

メール

メールマガジンやステップメール、セグメントメールなどメールを活用した手法があります。

例えば、自社の商品やサービスに興味を持っている相手に対してのみ、その商品やサービスについての情報を伝えるというものです。

以前送ったメールにリアクションがあった相手にだけキャンペーンを伝えるのは有効な手段です。

SNS

近年、注目を集めているのがSNSです。

BtoCだけではなくBtoBにおいても活用できます。SNSを使うことによってブランド認知やイメージを向上させられます。

InstagramやFacebook、Twitterなどさまざまな媒体があるので、最適な方法を選びましょう。

オウンドメディア

自社で運営するコラムやブログを指す、オウンドメディアも有効な手法です。

SNSよりも長文や画像・動画付きで商品やサービスを紹介できます。

オウンドメディアを作るためにはSEOやウェブマーケティングについて知らないといけませんが、代行会社も多くあるので検討したいところです。

短期的ではなく長期的に続けたい手法の一つです。

セミナー

セミナーを開催したリードナーチャリングも有名です。

対面でのコミュニケーションの方が説得力あるメッセージを伝えられることがあるでしょう。

セミナーはメールやSNSや、オウンドメディアと併用すると有効です。

リードナーチャリングの流れ

リードナーチャリングは以下の流れで進めていくのがスタンダードです。

それぞれについて詳しく解説していきます。

1. 個人情報の収集

まず、展示会やセミナー、個別の営業活動で得た個人情報を一つにまとめます。

社内に埋もれている個人情報は意外に多いので、漏れなく収集しましょう。

2. 情報を一元管理するためのツールを導入

リードナーチャリングをするためには個人情報を一元管理するツールが必要です。

例えば、マーケティングオートメーション(MA)の導入を検討しましょう。

3. ユーザーの行動履歴を探る

氏名や住所、メールアドレスなどの情報の他にも何度サイトに訪問してるかといった行動履歴が重要です。

マーケティングオートメーションやGoogle Analyticsで調べられます。

4. セグメンテーションを行ってナーチャリングする対象を決める

商品やサービスを売り込む全体像が見えてきたら、業界や会社規模、年齢などでセグメントしましょう。

より相手に合ったアピール手段を選ぶために必要です。

5. 顧客ニーズを把握する

どういった理由で商品やサービスに興味を持ってくれているのか知りましょう。

行動履歴の観察やインタビュー、アンケートなどを深堀することで見えてくるものがあります。

6. 適切なコンテンツを作る

ニーズに従った適切なコンテンツを作りが重要です。

例えば、高齢者をターゲットとした商品やサービスでInstagramを活用するのは不適切でしょう。

実際にどのようなプロセスで購入されているかチェックするとよいです。

7. スコアリングで見込み顧客の境界線の引き方に対する見定めをおこなう

スコアリングをおこない、アプローチするしないの境界線の見極めが適切か確かめます。

例えば、メールマガジンを開封したユーザーを10点、メールマガジンに対してアクションを起こしたユーザーを20点といった具合にスコアをつけていきます。

同じスコアリンググループに対してコンテンツを提供すると有効ですね。

8. 営業をおこなう

最後は、実際に営業をしましょう。

今までは直接訪問するのが主流でしたが、ビデオ通話を利用する会社も増えてきました。

リードナーチャリングの効率化に欠かせないMAツール

リードナーチャリングはマーケティングオートメーション(MA)ツールを利用することで一気に効率化することができます。

マーケティングオートメーション(MA)とは、顧客顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化・自動化するツールのことです。見込み顧客の顧客情報や行動履歴など一元管理し、育成します。

購買意欲の高い見込み顧客の絞り込みも行えるので効率的に営業活動ができるでしょう。

MAツールについては、以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。

オススメのMAツール5選!メリットや選定ポイントを紹介!

リードナーチャリングを学ぶのにおすすめの書籍3選

最後に、リードナーチャリングを学ぶのにおすすめの書籍を紹介しましょう。

    • WEB来訪者を顧客に育てる リードナーチャリング
    • BtoBのためのマーケティングオートメーション 正しい選び方・使い方
    • THE MODEL

それぞれについて詳しく解説していきます。

WEB来訪者を顧客に育てる リードナーチャリング

ウェブサイトの営業貢献率を高めるためのリードナーチャリングの考え方や検討段階別のマーケティング施策、見込み顧客を集めるためのウェブサイトの活用方法などについて解説しています。

ウェブマーケティング担当者だけではなく、経営者やマネジメント層にもおすすめの書籍です。

BtoBのためのマーケティングオートメーション 正しい選び方・使い方

いち早くマーケティングオートメーションに注目し、オラクルのEloquaやアドビシステムズのMarketoといったマーケティングオートメーションのマルチベンダーとなったシンフォニーマーケティング株式会社の代表者である庭山一郎氏が書いた書籍です。

2章の「デマンドジェネレーションの4つのプロセス」にてリードナーチャリングが解説されています。

THE MODEL

2019年3月にアドビシステムズ株式会社に統合された株式会社マルケトの代表取締役を務めていた福田康隆氏が書いた書籍です。

リードナーチャリングを習得したい営業マンにおすすめします。

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この記事を書いた人

すべらないキャリア編集部


「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。

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