ペルソナを設定する方法とは?気になる疑問をイチから解説!

  • 2020.11.10

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「ペルソナってよく聞くけど詳しいことまでは分からない」
「マーケティング戦略において、ペルソナってどれくらい重要なの?」
「ペルソナ設定の手順について詳しく知りたい」

このようにお考えではありませんか?

本稿では、ペルソナについて詳しく知りたいというマーケティング担当者の方に向け、ペルソナの定義や活用方法、メリットや設定の注意点を解説していきます。

本稿で得たペルソナの知識をマーケティングに活用し、売上拡大にお役立てください。

ペルソナとは

ペルソナとは、マーケティングで用いられる概念の一つで、商品やサービスの利用者を想定した架空の人物を指します。

以下では、ペルソナについて更に詳しく解説していきます。

ペルソナの定義

ペルソナは、ビジネスと心理学的な観点で、2つの定義を持ち合わせています。

まず、ビジネスにおけるペルソナの定義は、前述の通り「実際の利用者を想定した架空の人物」です。

マーケターがマーケティング戦略を立てる際、まず最初に着手する過程の一つでもあります。

ペルソナの心理学的な意味

次に、心理学的な意味のペルソナについて見てみましょう。

まず、ペルソナはラテン語の「persona」からきています。そして、古典劇において役者が使用していた仮面のことをペルソナと呼んでいました。

そこからペルソナという言葉が一般的になったのは、心理学者のユングが「人間の外的側面」をペルソナと呼ぶようになったことからです。

つまり、ペルソナは心理学上の意味合いから派生し、現代でもマーケティング用語として一般的に利用されるようになったのです。

ペルソナマーケティングとは

ペルソナマーケティングとは、具体的かつ詳細な人物設定を行い、仮説を立てることで、マーケティング戦略の根幹を作ることです。

人物設定の際に決定していく項目は下記の通りです。

    • 年齢
    • 性別
    • 職業
    • 趣味
    • ライフスタイル

なお、上記の項目はほんの一部です。

ペルソナマーケティングにおいて設定すべき全項目と、具体的な作り方には関しては後ほど詳しく解説していきます。

ペルソナ設定の重要性

ペルソナ設定は、あらゆるマーケティング戦略の根幹部分になりうる非常に重要な要素の一つです。

たとえば、企業が運営するオウンドメディア作成においても、ペルソナ設定は非常に重要視されます。

なぜなら、商品やサービスの流通を目的としたオウンドメディアは、効果的に見込み客へリーチしていく必要があり、不特定多数に向けた情報の発信はあまり効率的ではないからです。

そこでペルソナ設定することにより、「自社の商品・サービスに興味があるか」「サイトを閲覧するのはどの層か」などの項目が明確になるため、より精度の高いマーケティング戦略が立てられるのです。

他に、広告運用、コンテンツマーケティングなどの場面においても、ペルソナ設定が有効になります。

ペルソナとターゲットは異なる

見込み客を想定するという意味で、ペルソナの他に「ターゲット」というワードを耳にしたことがあると思います。

ペルソナとターゲットは、「見込み客の想定」という意味では同じなのですが、実は明確に違う点があります。

それは、ペルソナは「詳細な人物想定」で、セグメントは「大まかな人物想定」であるという点です。

もう少し厳密に言うと、ペルソナが「人物の職業や趣味といった深いところまで落とし込む」のに対し、ターゲットは「年代や性別といったスペックでユーザー層をセグメントしたもの」になります。

昨今の日本社会は、個人の考え方や価値観、ライフスタイルなどが多様化していますから、セグメントレベルでの想定では、顧客のインサイトを見出すことができないのです。

そのため、現代のマーケティング戦略においては、ターゲットよりもペルソナに焦点が当てられています。

具体例を紹介

ではここで、実際に使われているペルソナの例を見てみましょう。

下記は、「マッチングアプリ」をコンテンツマーケティングする際に作成したペルソナです。

    • 名前:佐藤義男
    • 性別:男
    • 年齢:30歳
    • 家族構成:未婚
    • 学歴:○○大学○○部○○学科
    • 職業:営業マン
    • 勤務先:30人規模のベンチャー企業
    • 役職:チームマネージャー
    • 趣味:読書、お酒、映画
    • SNS:FacebookがメインでInstagramもたまに使う
    • 購買の手段:ネット通販
    • 情報法収集の手段:WEBの比較サイト
    • その他:休日にはマッチングアプリを利用して婚活をしている

上記が実際に作成されたペルソナです。

人物の顔が浮かんでくるほど詳細に作られているのが分かると思います。

ペルソナ設定のメリット

次に、ペルソナ設定のメリットについて解説していきます。

主なメリットは下記の通りです。

以下にて詳しく見ていきましょう。

共通の人物像を形成できる

ペルソナ設定を行うことで、共通の人物像を形成することができます。

共通の人物像を形成することで得られるメリットは下記の通りです。

    • 社内で共通認識ができるため戦略の策定に無駄が生じない
    • 外部へコンテンツを発注する際でも効率的に進められる

このように、共通の人物像を形成することで、時間面でのコスト削減につながります。

ユーザー視点の精度を高めることができる

ペルソナ設定を行うことで、ユーザー視点の精度を高めることができます。

ユーザー視点の精度を高めることにより、マーケティング戦略策定の面で下記のような効果を得られます。

    • 共感性の高いコンテンツを生み出しやすくなる
    • ユーザーに対するアプローチを適切で具体性のあるものにできる

上記のような効果を得ることで、結果的にCV率向上へとつながります。

時間やコストを削減できる

ペルソナ設定を行うことで、時間とコストを削減できます。

時間面では、前述した通り「戦略策定の際の無駄を省ける」「外注した際にも効率的に進められる」などといったメリットがあります。

そして時間の短縮と工数が減ることはほぼ同義ですから、結果的にコスト削減にもつながるのです。

ペルソナの作り方

ペルソナを作る際の手順は下記の通りです。

以下にて、詳しく解説していきます。

ターゲットに関する情報を集める

まずは、ペルソナを設定する際に必要となる情報を集めていきます。

情報の収集方法は主に下記の3つです。

それぞれの方法を簡単に紹介していきます。

インタビューやアンケートを活用する

インタビューやアンケートは、最もオーソドックスな情報の収集方法です。

方法も簡単で、目的に合った見込み客に対し、インタビューを行っていくというもの。

ただし、この方法には時間とコストがかかりますので、顧客との接点が多い担当部署とのすり合わせてによって作成していくケースもあります。

アクセス解析等のデータを分析する

アクセス解析によってデータを分析し、ペルソナ設定に活用する方法もあります。

アクセス解析とは、ツールを用いて顧客の特性や行動パターンを分析することです。

たとえば、コンテンツマーケティングにおいては、Googleアナリティクスをツールとして用いることが多いです。

商品やサービスを利用した実際の顧客を分析しますので、精度の高いペルソナ設定を行うことができます。

公開されているデータを活用する

すでに公開されているデータを活用することも可能です。

ただWEB上にはたくさんのデータが公開されていますから、ソースとして信憑性の高いものを選ぶ必要があります。

たとえば、ペルソナ設定でよく使われるのは「厚生労働省」「経済産業省」などが公表している公的なデータです。

国の機関が公表しているデータは無料で参照できるため、コスト削減にもつながります。

ターゲットに関するデータの分類

前述した方法で情報を収集したら、次にその情報を分類していきます。

分類の際は、「年齢」「家族構成」「1日の過ごし方」などユーザー同士が持つ共通点から抽出していくとよいです。

ただ、抽出するべき情報は得たいベネフィットによって異なりますから、目的に合わせた情報分類を行っていきましょう。

データを活用して一人のイメージ像に落とし込む

データの分類が終了したら、それらのデータを活用して「一人のイメージ像」に落とし込んでいきましょう。

一人のイメージ像に落とし込む際は、先ほど紹介したペルソナの具体例を参考におこなってみてください。

ペルソナを作成する際に必要な項目

ぺルソナを作成する際に、必要な項目は下記の通りです。

    • 年齢や職業といった人物の特徴
    • 人物が持っていると思われるニーズ

最低でも上記2点は押さえておく必要があります。

なお、「医療」「アプリ」など、何にしてマーケティングを行うかにより、必要となる項目が異なることも覚えておきましょう。

ペルソナ作成の注意点

ペルソナ作成の注意点は下記の通りです。

上記の注意点を押さえておくことで、より精度の高いペルソナ設定を行うことができます。

それでは、以下にて詳しく見ていきましょう。

思い込みや先入観

ペルソナ設定を行う際は、思い込みや先入観を持ってはいけません。

人物の思考や価値観を想像することは大切ですが、「こういう人ならこう思うはず」といった先入観は、ひとまず横に置いておいてください。

目的に合った情報を、適切なところから収集していく必要があります。

したがって、先ほど紹介した「公的データ」「アクセス解析」などを用い、数値的な情報を把握したうえでペルソナ設定を行うとよいでしょう。

情報を絞る

ペルソナ設定で用いる情報を絞ることも大切です。

収集した情報を余すことなく使用するのは良いことですが、あくまで具体性の高さが重要であることを覚えておいてください。

ふわっとした人物像ではなく、ハッキリとした一人の人物像を形成するのがポイントです。

作ったままにしない

ペルソナ作成したことに満足して、作ったままにならないようにしましょう。

コンテンツを外注する際や、ミーティングでマーケティング戦略をブラッシュアップする際は、必ずペルソナを基におこなってください。

ペルソナを活用するときのコツ

ペルソナを活用する際のコツは、形成した人物になりきることです。

たとえば、ECサイトのコンテンツマーケティングを行うとして、「IT業界に勤める20代の営業マン」をペルソナ設定したとしましょう。

このペルソナになりきると、下記のような思考(考え方)が生まれます。

    • 商品の良さも大事と考えているが、あまり高価なものには手を付けられない
    • IT業界に勤めているためネットリテラシーが高く、ネットサーフィンにも慣れている
    • WEBサイトを見る際は目次をチェックし、自分が見たいと思った項目のみを見る癖がついている

このように、形成した人物になりきることで、顧客が持つ本当のインサイトが見えてきます。

形成した人物像を自分に憑依させるようなイメージでペルソナを活用しましょう。

まとめ

昨今は、SNS利用拡大などの影響で、商品の流通経路もより煩雑化しており、マーケティングの難しさが一層際立ってきています。

だからこそ、ペルソナ設定で見込み客を具体化し、効率的なアプローチを図ることがこれまでより重要視されているのです。

マーケティングをご担当されている方は、大変だと感じることも多いかと思います。

ですがそこに負けず、ぜひ本稿で紹介したノウハウを活用し、自社の売上拡大を成し遂げてください。

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この記事を書いた人

すべらないキャリア編集部


「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。

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