目次
リーダーシップは組織の目標達成のために、欠かせないスキルの1つです。
優れたリーダーシップを発揮することで、メンバーのモチベーションを高め、生産性を上げることにもつながります。
しかし、
「リーダーシップを発揮するといってもどうすればいいのだろうか?」
「そもそもリーダシップを発揮して皆を引っ張っていける自信なんてない…」
と考えている人もいるのではないでしょうか?
リーダーシップと聞くと、どうしても役職の「リーダー」をイメージする人が多いですが、実はリーダーシップはリーダーであるかは関係なく発揮されることがあります。
また、リーダーシップにも様々な種類があり、必要になってくる能力も異なります。
本記事を読むことで、リーダーシップについて理解し、自分に合ったリーダーシップの発揮の仕方やリーダーシップの高め方について知ることができるので参考にしてみてくださいね。
リーダーシップとは
リーダーシップとは組織やチームを牽引する存在となり、目的や目標を達成するために周囲を指導・統率する能力のことを指します。
企業や組織が成長・発展していくためには、優れたリーダーシップを持ったリーダーの存在が欠かせません。
また一方で、リーダーシップは一部の経営層や管理職だけに求められるものではなくなってきました。
現代では、企業を取り巻く環境は日々変化しそのスピードも加速しており、変化に順応しながら周りを巻き込んで行動・決断し、結果を出せる人材が求められています。
そのため、リーダーシップは成長やキャリアアップ、自立を目指すすべてのビジネスパーソンにとって必須のスキルの1つとなっているのです。
リーダーシップとマネジメントの違い
リーダーシップは、自らの人間性やスキルによって目的・目標達成のためにメンバーの行動を導くことを指します。
一方、マネジメントは、自らの権限を活かして組織の現状を把握・分析し、目標達成のために必要な行動や管理統制をおこなっていくことです。
また、リーダーシップは未来の目標に向けて周囲に働きかけるのに対し、マネジメントは現在の問題や状況を改善していくためのアプローチ方法ともいえるでしょう。
いずれにしても、両者ともチームメンバーを牽引していく役割を担いますが、リーダーシップとマネジメントでは、役職としてのポジションに関係するかしないかという大きな違いがあります。
そのため、「リーダーシップは役職や立場に関係なく発揮されるもの」「マネジメントは役職がある人材が組織を導いていくための手法」という違いを覚えておくと良いでしょう。
リーダーシップに求められる5つの要素
では、そのリーダーシップを発揮するには、具体的にどのような要素が必要になってくるのでしょうか?
ここでは、リーダーシップに求められる構成要素を以下の5つと定義し、それぞれ詳しく説明していきます。
1. 発想力
リーダーは、様々な課題に対して解決策を提示し、目標達成に導くことが求められます。
そのため、時にはこれまでにない新しいやり方・アイディアを求められることもあるでしょう。
現状維持の施策だけでは、目標や目的を継続的に達成することは困難な場合もあるため、ボトルネックや改善ポイントを洗い出し、改善していくための施策を考えるための『発想力』は大切な要素になります。
また、発想力を高めるためには、「自社サービス・製品への深い理解」「業界や競合他社の動向」「現場で培った経験や感覚値」「新しいトレンドや手法についてのリサーチ・理解」といった様々な情報を日々アップデートし続けていくことが求められます。
そのため、日常から新しい情報をインプットしていき、新しい発想をするための土台を作っていくようにしましょう。
2. 決断力
リーダーシップを発揮する場合、メンバーに行動の指標を示して進んでいくための『決断力』は必要不可欠な要素になります。
課題に対して、「どのような施策を用いて改善していくのか」「複数の選択の中からどの方法を選ぶのか」など、ビジネスシーンにおいて決断力が発揮される場面は多いです。
そして、決断をしていくことでチーム全体の行動指針が決まっていき、時に組織の活性化やメンバーのモチベーション向上につながることもあるでしょう。
反対に、決断を先送りにしてしまうことで対応が遅れ、目標の達成が困難になってしまうこともあります。
だからこそ、決断力がありメンバーを先導していける人材は重宝されており、リーダーシップに求められる要素として認識されているのでしょう。
3. 行動力
リーダーシップを発揮していくためには、施策やアイディアを打ち出して終わりではなく、実際に行動することによって「結果」を出す必要があります。
「何のために行動する必要があるのか」を明確に示し、メンバーのモチベーションを高め、行動を促進することはもちろんのこと、場合によっては自らが率先して行動していくことが大切でしょう。
また、リーダーシップに求められる要素の中でも行動力は、メンバーの信頼を獲得するために重要な要素になっており、出来上がったばかりのチームでは行動でメンバーを引っ張るという方法も有効です。
そのため、リーダーシップを発揮したいと考えている人は、積極的に行動をするようにすると、自ずとリーダーシップを発揮することにつながるので意識してみると良いでしょう。
4. コミュニケーション能力
優れたリーダーシップを構成する要素として、『コミュニケーション能力』は欠かせません。
行動する目的や明確な指標を示し、メンバーを先導していくためには、コミュニケーションによって納得してもらい、人を動かしていくことが必要です。
そのため、メンバーの意見を聞くための傾聴力や考えを伝えるための意思伝達力などのコミュニケーションスキルは重要な要素といえるでしょう。
また、話し合いの場においてメンバーを引っ張りコンセンサスをとっていくファシリテーションスキルも、リーダーシップを発揮するために必要なスキルの一つとして挙げられます。
5. 誠実さ
どんなに優れたスキルを持っていても、それだけでは、メンバーに信頼感を得ることはできません。
例えば、「平気で嘘をつく」「仕事を途中で投げ出す」「自分の行動に責任を持たない」というような人には、誰もついていきません。
そのため、「嘘をつかない」「受けた仕事は責任を持って全うする」「失敗の責任は自身でとる」など、誠実な姿勢を示すことがリーダーシップを発揮するためには大切です。
また、誠実さは日常の言動やいざというときの対応から判断されることが多いため、普段から自分の中のルールを決めておき、相手に対して誠実に対応できるように準備をしておきましょう。
6つのリーダーシップタイプ
ここまでリーダーシップに必要な要素について解説してきましたが、リーダーシップの中にも様々なタイプがいます。
そのため、自分が目指すリーダーシップ像はどこなのか、身近にいるリーダーはどこに当てはまるのか、そんな視点で以下の6つのタイプを比較して見てください。
1つずつ紹介していきます。
ビジョン型リーダーシップ
ビジョンリーダーシップは、組織やチームにおいて将来のビジョンを共有して、メンバーのモチベーションを高めて、メンバーを動かしていくスタイルのリーダーシップです。
チームにおいてビジョンは行動指標と同じくらい大切なため、ビジョンを共有することで明確にチームとしての行動する目的や目標を定めることができます。
また、ビジョン型リーダーシップは、具体的な方法や答えを示すのではなく、方向性を示してメンバーに主体的に考えてもらうというのも特徴です。
先導型のリーダーシップの中でも、メンバーの考えを尊重してチームとしてメンバーを引っ張っていくため、一人一人が主体的に活動していくような形で目標・目的を達成していきます。
このリーダーシップは、カリスマ経営者のいる組織や画期的なビジョンを持つ成長著しいベンチャー企業に見られるリーダーシップといえるでしょう。
調整型リーダーシップ
調整型リーダーシップは、メンバーの考えや行動を尊重しながら支援をしていくスタイルのリーダーシップです。
結果よりも過程を重視してメンバーの行動を承認していき、行動の結果に対してメンバーがどう感じているのかを汲み取って意思決定の参考にするなど、チームビルディングの「混乱期」「統一期」において重要性が高まっていきます。
調整型リーダーシップの特徴は、メンバーの意見を尊重して調整していくことですが、その反面、意見を聞きすぎると進むべき方向が決まらないなどのデメリットもあります。
そのため、メンバーを引っ張っていく必要のある状況や確実に目標を達成しなければいけない状況には向かないでしょう。
しかし、メンバーの意見を尊重することで新しいアイデアが生まれたり、メンバー間での信頼関係が構築されたりするので、使い所によってはチームを円滑に回すことにもつながります。
コーチング型リーダーシップ
コーチング型リーダーシップは、メンバーへの指導などコミュニケーションを取りながら、必要に応じてサポートしていく形のリーダーシップです。
ビジョン型リーダーシップとは違い、積極的にメンバーの行動に関わり、目標達成や意思決定をするためにアドバイスをしたりします。
そのため、メンバーとの信頼関係を構築しやすく、モチベーションの維持・向上や個々の課題の解決をしていきたい場合に有効です。
また、組織やチームが成長していく上で、コーチング型リーダーシップを持つ人材は必要不可欠なため、人材教育に向いているリーダーシップといえるでしょう。
実力型リーダーシップ
自らが率先して行動して、高いスキルや優れた実績を示し、周囲のメンバーを引っ張っていくのが、実力型リーダーシップの特徴になります。
実力型リーダーシップは、優秀なメンバーが集まっている実力主義の組織・チームの場合に有効なリーダーシップです。
実力型リーダーシップは、誰が見ても明確な実績をもってチームを引っ張っていくので、役職に関係なく発揮できるという点も特徴でしょう。
しかし、実力型リーダーシップは成果を持ってメンバーを主導していくため、成果が出ない際には効果が薄いというデメリットもあります。
そのため、実力型リーダーシップだけに頼るのではなく、必要に応じて他のリーダーシップと併用していくことで、より効果を発揮することができるでしょう。
仲良し型リーダーシップ
仲良し型リーダーシップは、周囲と友好的な関係を築き、周囲からの信頼を得ることでリーダーシップを発揮するやり方です。
リーダーが先頭で引っ張るというよりも、チーム一丸となって、メンバーの主体性を引き出すという形になるため、チームの雰囲気がよくなりやすく、メンバーとの信頼関係を築きたい場合に有効でしょう。
ただ、メンバーとの関係性や考え方を尊重するあまり、目標達成ができなければ意味がありません。
そのため、場合によっては他のリーダーシップも活用して、チームを引っ張っていくなど今まで築いた信頼関係を強みに団結していくことも必要です。
指示命令型リーダーシップ
仕事のやり方から意思決定までを全てリーダーが決めていく、トップダウン型のリーダーシップです。
強制型リーダーシップは、緊急性の高い仕事や単純作業を行う場合に有効なリーダーシップになります。
そのため、「必ず目標を達成しなければいけない」という場合に効力を発揮します。
しかし、強制型リーダーシップには、「メンバーの思考を停止させてしまう」「意思決定に納得ができない場合、不満を抱えやすい」などの側面もあるため、あくまで必要な時に発揮すべきリーダーシップといえるでしょう。
そのため、「メンバーの自発性を養いたい」「企業として成長していきたい」という場合には、その他のリーダーシップを発揮していくことをオススメします。
リーダーシップを高める4つの方法
ここまでリーダーシップについて詳しく解説してきましたが、「リーダーシップを高めていくためにはどうすればいいの?」と感じた人もいるのではないでしょうか。
そこで、ここからはリーダーシップを高める4つの方法について紹介していきます。
1つずつ解説していきます。
意図的に意思決定を行うようにする
リーダーシップを発揮するためには、『決断力』が必要なため、日常でも意識的に意思決定をおこなうようにしていきましょう。
普段の何気ない行動にも、自分の感情や優先順位などの特定の基準があり意思決定をしていることが多いです。
そのため、普段から意識的に意思決定をおこなっていき、その情報を分析することで自身の意思決定の特性を把握することができます。
そして、仕事において決断する場合でも自身の意思決定の基準を把握しておけば、決断する際に悩んでも自身の基準に沿って決めることができるため、決断力を高めることにつながるでしょう。
コミュニケーション能力を向上させる
リーダーシップを発揮するためには、メンバーコミュニケーションは欠かせないため、重要な要素といえるでしょう。
また、コミュニケーション能力と一言で表しても、実際に必要になる要素は幅広く以下のようなものが挙げられます。
- 意思伝達力:自分の考えを相手身伝える力
- 論理的表現力:体系立てて説明をする力
- 傾聴力スキル:相手に耳を傾けるためのスキル
- 理解力:話を体系立てて理解するための力
- 汲み取る力:言葉以外を汲み取り対応する力
上記のように、コミュニケーションは仕事において重要な能力であり、メンバーと意思疎通するためには必要不可欠です。
そのため、自分の中での得意不得意を把握した上で、苦手な分野について勉強したり実践を通してコミュニケーション能力を高めていくと良いでしょう。
積極的に行動して成果を残す
リーダーシップに求められる要素の中で『行動力』について説明しましたが、リーダーシップを高めていくためには、積極的に行動をして成果を残していくことが大切です。
そのため、興味があることがあれば積極的にチャレンジしたり、今までやらなかったことにも挑戦してみるなど、意識的に行動を変えていくと行動力を高めることにつながります。
また、成果を残したい場合には、ロールモデルを設定して成果を出している人を真似てみるのが有効です。
そして、成果を上げることで自信にもつながり、リーダーとしての素質を磨くことにもつながるでしょう。
メンバーに興味関心を持ちサポートする
リーダーシップを発揮するためには、メンバーに興味を持って行動を観察していくことも必要です。
リーダーシップを大きく分けると、「先導して引っ張っていくタイプ」か「メンバーのサポートをおこなうタイプ」に分かれます。
そのため、「メンバーをサポートするタイプ」のリーダーシップを目指したい場合には、一緒に仕事をするメンバーに興味を持ち、必要に応じてサポートやフォローをこなうことを心がけると良いでしょう。
リーダーシップが発揮される場面は、「チームをまとめなければいけない」「目標を達成しなければいけない」という場面だけではありません。
逆に、日常の仕事の中でリーダーシップを発揮することの方が円滑に仕事を回していくためには重要なため、普段の行動から自分にできることは積極的に取り組むようにしてみてください。
きっと、行動の積み重ねが社内での信頼につながり、リーダーシップを発揮することができるようになるはずです。
まとめ
以上、リーダーシップを発揮したい人へ向けてリーダーシップについて詳しく解説してきました。
今回の内容をまとめると以下の通りです。
- 発想力
- 決断力
- 行動力
- コミュニケーション能力
- 誠実さ
リーダーシップに求められる5つの能力
- ビジョン型リーダーシップ
- 調整型リーダーシップ
- コーチング型リーダーシップ
- 実力型リーダーシップ
- 仲良し型リーダーシップ
- 指示命令型リーダーシップ
リーダーシップの6つのタイプ
- 意図的に意思決定をおこなう
- コミュニケーション能力を向上させる
- 積極的に行動しして成果を残す
- メンバーに興味関心を持ちサポートをする
リーダーシップを高める4つの方法
リーダーシップの能力は、努力次第で後天的に身につけることもできる能力です。
また、ビジネスシーンにおいてリーダーシップを発揮できる人は求められています。
そのため、もしも将来的に周りを引っ張っていきたいと考えている場合には、本記事の内容を参考にリーダーシップを高めていってもらえれば幸いです。
いいね!
この記事をシェアする
この記事を書いた人
すべらないキャリア編集部
「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。