チームビルディングを学ぼう!ポイントを押さえて理想の組織へ

  • 2020.11.21

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会社内でプロジェクトを立ち上げて目的達成のためにチームを作っていくこともあるでしょう。
そんな時に必要になるのが「チームビルディング」です。

本記事では、メンバーの1人ひとりが最大限の能力を発揮できるようなチームを編成し、導いていくために必要な「チームビルディング」について解説していきます。

チームビルディングとは

チームビルディングは、文字通りTeam(組織)をBuilding(構築していく)ための取り組みです。

組織開発手法の一つで、目的を達成するためにエンパワメントを最大化して、1人ひとりの能力を最大限に発揮するための組織づくりのことを指します。

チームビルディングを理解した上で組織づくりをしていくことで、チームメンバーが自主的に能力を発揮し、目的達成することに大きく近づくことにつながるので、多くのリーダーから注目されている取り組みです。

チームビルディングの目的

チームビルディングの目的は、個人の能力を最大限に発揮しながら、組織の目標を達成していくことです。

日本におけるチームビルディングの考え方は、組織開発として注目されて1960年〜70年代にブームが起こりました。

ただ、その頃の組織開発は正しく概念を理解せずに企業の精神論的な考えを押し付けることを目的とする考えが蔓延してしまったため、次第に低迷していきました。

本来チームビルディングにおいて大切な「1人ひとりの能力を最大化してチームの目的を達成していく」という考え方が間違って認識されてしまった結果、当時の日本ではあまり浸透しなかったのです。

しかし、高度経済成長を機に、企業が発展していくためには、組織における個人の能力を最大限に活かし、適材適所を意識してチームの編成をしていく必要がありました。

その中で、組織/個人がもつ能力を最大限発揮し、企業成長や目的達成をしていくために必要になる概念を提唱しているチームビルディングの取り組みが再度注目を浴びるようになったのです。

チームビルディングの5つの段階

チームビルディングにおいて、現在最も有力な理論とされているのが、心理学者のブルース.W.タックマンが提唱したタックマンモデルです。

タックマンモデルは、チームには組織を作るところから解散するまでの5段階の発展順序があるということを提唱しており、この発展順序の理解はチームビルディングにおいても重要なポイントとなってきます。

では、次にタックマンモデルにおけるチームビルディングの5つの段階について解説していきましょう。

1. 形成期

形成期は、チームが編成されたタイミングのことを指します。

所属しているメンバーがお互いのことを知り、チームの目的や目標を共有して、仕事を進めていく上での役割などを決めていく段階です。

2. 混乱期

混乱期は、形成期を経て個々の役割を決めて、それぞれが動き出したタイミングで訪れます。

はじめは形成期で様子を見ていたメンバー達が、仕事をしていく中での意見の食い違いや目的意識のズレなどをきっかけに、人間関係の対立をしたり、仕事の進め方に対して不満を抱きはじめたりします。

3. 統一期

統一期は、混乱期を経てそれぞれの考え方を知った上で、組織編成を行なっていく時期です。

混乱期でそれぞれの考え方や抱える不満などを知った上で、個々が能力を発揮していくために必要なことは何か、それぞれの目的の認識にズレはないかを再認識していくタイミングとなります。

4. 機能期

機能期は、統一期でそれぞれの考え方を知り、結束力を高め、コミュニケーションが活発化することで、目的に向けた適切な行動を自主的に行なっていく時期です。

チームビルディングにおいて、目的の達成に向けて個々の能力が最大限に発揮されるタイミングでもあります。

5. 散会期

散会期は、目的を達成したり、プロジェクト期間の終了を期に訪れます。

散会期では、同じ目的を持って集まったチームが役割を全うして、それぞれの目的に向けて動き出すタイミングです。

この散会期をへて、チームビルディングは完結していきます。

チームビルディングのメリット

ここまで、チームビルディングの歴史やタックマンモデルについて解説してきましたが、次はチームビルディングのメリットについて解説していきます。

コミュニケーションが活発になる

チームビルティングの考えを取り入れることで、それぞれが向かうべき目的や、やるべき行動について話し合う必要が出てきます。

そして、各々の持つ能力を最大化するためには、相手のことを知り、チームにおいて必要になる行動を自主的におこなっていくため、チーム内のコミュニケーションが活発になるのです。

コミュニケーションが活発になることで、人間関係やチームの雰囲気が安定して目的達成をするために必要な土台が形成されていきます。

モチベーションが上がる

チームビルディングにおいて、大切なことは1人ひとりが最大限の能力を発揮しているということです。

メンバーにとって、自分の能力を最大限に発揮できている状態はとても気持ちがよく、目的達成のために自主的に仕事に取り組んでいくことから、モチベーションが上がっていきます。

チームの雰囲気として、一人ひとりがモチベーション高く仕事をしていることで、コミュニケーションも活発化するなど、目的達成のための好循環が生まれるようになるのです。

新しいアイディアが生まれる

チームビルディングによる組織作りを行っていると、個々の自主性が高まります。
また、コミュニケーションも活発になるので、アイデアが生まれやすい環境が生まれます。

仕事をしていく中でアイデアが生まれる環境があることはとても大切で、時に業務の効率化につながったり、目的達成のための大きな進歩につながるアイデアが生まれることがあります。

そのため、コミュニケーション活発化やモチベーションの向上によってアイデアが生まれやすい環境を作ることができるということもチームビルディングを行うメリットです。

チームビルディングをやってみる

ここからは、チームビルディングに関する具体的な方法について解説していきます。

対象者

チームビルディング行っていく中でも、対象者によって行うべき行動は変わってくるため、まずはそれぞれの立場によって意識していくべきポイントについて説明していきます。

新入社員

新入社員に対して行っていくアクションとしては、チームのことを知ってもらうことと、自分の意見を積極的に発言してもらう環境を作ることが重要です。

そのため、普段のコミュニケーションにおいて、新入社員に対して、困っていることやわからないことがないかをこちらから聞きにいき、発言する機会を設けて、その中でしっかりと意見を肯定しながら自然と発言をしていくことができるようにします。

中堅社員

中堅社員であれば、ある程度会社の環境や自分の立場を把握している場合が多いです。

そのため、相手の考え方を尊重しながら意見交換をしたり、現場の意見として感じたことや不満に感じていることを積極的に聞き出していくことが大切です。

中堅となって自分なりの考えをもって仕事をしていく段階になると、どうしても考えに固執して視野が狭くなってしまう人が出てきます。

そんな人に対しても、お互いの考えやチームの方針にズレがないように心がけながら気持ち良く仕事をしてもらうために、尊重しながら意見を引き出していくことが重要なポイントとなります。

管理者(中間管理職)

中間管理職などの管理者の立場になると、チームに属するよりもチームを作っていくことが多くなります。

ただ、中間管理職だからこそチームの責任を抱え込んでしまうことがあるので、部署やチーム間でのコミュニケーションを活発にし、課題に対する解決策を広い視野で考えられるような環境作りが大切になってきます。

中間管理職は、チームにとって重要なポジションになってくるので働きやすい環境や広い視野を持って仕事に取り組んでもらえる環境づくりを心がけていくと良いでしょう。

経営者

組織の代表である経営者として大切になってくることは、現場から経営層までの情報伝達をスムーズにすることです。

チームビルディングの考え方や取り組みを導入していくのであれば、現場からの課題や不安要素を認識して、責任があるからこそできる決断を積極的に行っていくことが重要になってきます。

組織の中でトップの行動が会社に大きな影響を与えるからこそ、経営者から積極的にチームビルディングの考えや取り組みを体現していくことが大切です。

チームビルディング5つの手法

次に、チームビルディングを行っていく上で、有効な5つの手法についてご紹介します。

メンバーの緊張を和らげるなら「ゲーム」

チームを結成した直後は、お互いに何も知らないことも多いため緊張して様子を見て行動している人も多いです。

そのような時にオススメなのが「ゲーム」です。
ゲームを通してお互いの考えを知るきっかけを作り、一つの目標に向かって協力することで緊張がほぐれ、自然とコミュニケーションを取るきっかけを作ることにつながります。

    ゲームの目的やメリット

    • チームメンバーの緊張をほぐすことができる
    • ゲームの中での行動や思考から、今後のコミュニケーションの参考にすることができる
    • ゲームを通して、”目的を達成するために行動する”という擬似体験をさせることで、仲間意識を養うことにもつながる

    ゲームの種類(参考)

    • マシュマロチャレンジ
    • 自己紹介ゲーム
    • NASAゲーム

メンバー全員で協力してほしいなら「アクティビティ」

仕事を進めていく上で大切になるのが、チーム全員の協力です。

仕事をしていく中で養われていければ問題はないのですが、チームが発足してから少し経ってもギクシャクしてしまっている状態なら「アクティビティ」を試してみてはいかがですか。

    アクティビティの目的とメリット

    • 仕事以外で一緒の時間を過ごすことで、仲間意識を養うことにつながる
    • 仕事に関係なくコミュニケーションを取ることで、メンバーの普段見ない一面を知ることができる
    • プライベートでの行動を知ることで親近感が湧き、仕事においてもコミュニケーションを取りやすくなる

    アクティビティの種類(参考)

    • BBQ
    • 登山
    • フットサル

メンバーのことを知りたいなら「ディベート」

仕事の中で、自分の考えをなかなか話してくれない人もいますよね。
そんな人も「ディベート」を通してなら自分の考えを話してくれるかもしれません。

論題は何気ない内容でも、しっかりとした内容でも構いませんが、楽しい雰囲気の中で話がしたい場合は、日常生活に関連する論題がオススメです。

    ディベートの目的とメリット

    • 論題を通して、普段は知ることのないメンバーの価値観を知ることができる
    • 面白い論題について話し合うことで、場の空気が和み話しやすい環境を作ることにつながる
    • ディベートを通して発言をする機会を作り、意見が受け入れられる環境があることを示し、仕事において発言しても良いのだというきっかけ作りとなる

    ディベートの議題(参考)

    • お昼ご飯は食べる派?食べない派?
    • 宇宙人は存在するか
    • 消費税が高い国と安い国どちらに住みたいか

主体的に動いてほしいなら「ワークショップ」

チームとして活動をしている中で、チームメンバーが受動的に仕事をしていると思ったら「ワークショップ」を実施してみてはいかがですか。

ワークショップにおいて、思考を掘り下げたり、考えを主張する機会を作ることで、仕事中にも自主的に行動することにつながるかもしれません。

    ワークショップの目的とメリット

    • 仕事に関連するワークショップを通して、視野を広げて考えるきっかけを作る。
    • 仕事に関連する考えを発言し合う機会を作ることで、意見交換をするきっかけになる
    • 普段は考えない内容について思考を巡らせることで、仕事にもつながる良いアイデアが生まれる可能性がある

    ワークショップの種類(参考)

    • アプリシエイティブ・インクワイアリー
    • ビジネスプランコンテスト
    • ブレインストーミング大会

時間の確保が難しいなら「日常業務で」

チームビルディングをしていく中で必要になってくる手法を4つ上げましたが、仕事の都合上時間を取ることができないケースも多いと思います。

そのようなときには、日常業務の中でのコミュニケーションを積極的に取ることを意識しましょう。
あくまでこれまで説明した手法は、業務上のコミュニケーションを補うための手法なので、普段のコミュニケーションを重視して円滑にやりとりができていればそれに越したことはありません。

日常のコミュニケーションを重視する場合には、相手の意見に耳を傾けて、尊重した上で話を聞くことを意識していきましょう。

チームビルディングを成功させる3つのポイント

チームビルディングを成功させるために必要な3つのポイントについて解説します。

明確な目標の設定

個人が仕事をしていく上でも、目的を達成するためには明確な目標の設定が必要です。

これは、チームおいても同じで、チームにおける目標を明確に設定しなければ行動や指針がバラバラになり、チームとして機能しなくなってしまいます。

逆に、チームとしての目標が明確な場合、目標を達成するためにやるべき行動やスケジュールも明確になるので、仕事を進める上で重要な部分となります。

役割の明確化

チームで仕事をする上で、役割を明確に決めておくことは必要になってきます。
というのも、チームで働いていく中で、責任の所在が曖昧でタスクが残ったままになってしまったというケースは日常的におこります。

だからこそ、どんな仕事においても役割を明確に決めていくことが大切です。

多様な価値観を認める

チームで仕事をするということは、さまざまな人が集まって目的のために仕事をするということです。

さまざまな人が集まることで、自分とは異なる価値観を持つ人も現れるでしょう。そのような時に、他者の価値観を否定してしまうと、人間関係が悪化し、場合によってはチームとしての能力を最大限に発揮する妨げになってしまうこともあります。

どうしても価値観が合わないという人もいるのは仕方のないことですが、同じチームで働く以上、お互いに許容できる部分は許容し合いながら、仕事を完遂するという目的にフォーカスして仕事をするように意識していきましょう。

チームビルディングの注意点

チームビルディングをおこなう上で、チームの運営に影響を及ぼす可能性がある注意すべき点が3つあるので、説明していきます。

強制的な目標を設定しない

目標を明確にすることは大切ですが、明確にした目標は本人の意思にかかわらず強制することは控えましょう。

あくまでもチームビルディングで意識するべきことは、お互いを尊重した上での自主性なので、トップダウン型の指示出しを行い、意見を尊重せずに進めてしまうことで、メンバーのモチベーション低下を招いてしまう可能性もあります。

全てをメンバー任せにしない

チームビルディングにおいて、自主性を尊重することが大切だからといって、メンバー任せにして放任しておくのもやめましょう。

チームの責任者として最終的な責任は自分が取るが、メンバーが主体的に仕事を進められるように意見を汲み取ることがチームビルディングを行っていく上で大切です。

チーム編成に気を配る

同じ目的のために集められたチームだったとしても、人間関係の問題や能力の得意・不得意があります。

チーム編成を行う際には可能な限り、性格や能力を考慮して適材適所で仕事ができるようにチーム編成をしましょう。

費用はかかるのか

チームビルディングを始めるに当たり、「費用はかかるのか?」と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。

チームビルディングにおいて、基本的には費用は必要ありません。

場合によってコミュニケーションを取るための交流会にかかる費用はあるかもしれませんが、仕事をしていく中でコミュニケーションが取れているのであれば特に費用は必要はありません。

チームビルディングを学ぶ

ここまでチームビルディングの内容や特徴について説明してきました。

あくまでもチームビルディングは人が関わることのため、一定の型に当てはめていくことが難しいのも事実です。
そのためチームビルディングを学ぶためには、実務を通して経験を積むことが一番でしょう。

ただ、急に実践をするのも不安に感じる方もいると思うので、参考までに概念の理解や具体的な方法を知るために書籍を読んでみるのが良いと思います。

最後に、チームビルディングを学ぶためにオススメの本についてご紹介しておきますので、参考にしてみてください。

1.Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか

チームビルディングをしていく中で多くの人に評価されている一冊です。
Googleにおけるエンジニアチームを組織していう上で大切にしていた概念や具体的な行動について書かれています。

書評も高くチームを運営する立場であれば、一度は読んでみて損はない作品です。

2. チームのことだけ、考えた。―サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか

当時、社員の離職率が28%に達し、ブラック企業になっていたサイボウズを、“社員が辞めない変な会社”に変えた、青野社長の考え方や取り組みについて書かれた一冊です。

現代においても組織づくりにおいて”離職率”は大きな課題だと思います。
実際に課題に向き合って改善してきた青野社長の取り組みは参考になるかもしれません。

3.斉藤秀樹の最強組織を創るチームビルディング術課長塾 チーム創り課

日本チームビルディング協会 代表理事を務める斉藤秀樹さん著書のチームビルディングに関する一冊です。

チームビルディングの基礎概念とともに、自身のチームに当てはめながら読み進めていける本なので、チームビルディングについて知りたい方は是非読んでみてください。

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この記事を書いた人

すべらないキャリア編集部


「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。

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