外資系勤務なら年収2000万円!アクチュアリーの仕事・年収を解説

  • 2021.11.30

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アクチュアリーとは?

アクチュアリーとは統計理論や分析理論などの数学的技術を駆使し、将来のリスクや不確実な未来を予測・評価する専門職です。

日本においてアクチュアリーとして活躍する人は2021年3月時点で2,144人(日本アクチュアリー会、正会員)とごく僅かです。
残念ながらあまり聞きなじみのない職業ですが、アメリカやヨーロッパ各国では認知度や社会的地位が高く、憧れの職業として名前があがります。

アクチュアリーが職業として成立したのは18世紀のイギリスと歴史が古く、死亡率を確率論・統計学などを用いて解析し、生命保険の保険料や準備金を算定する仕事として始まりました。
その後も生命保険や損害保険の数理面に携わる専門家として広まり、現在では年金や信託銀行、コンサルティングファームや監査法人など多彩なフィールドで活躍しています。

業界別|アクチュアリーの仕事内容

アクチュアリーは様々な業界で活躍していますが、日本国内においては生命保険や損害保険会社に所属し、保険料や掛け金の算定や新商品開発を行うのが一般的です。
日本アクチュアリー会の資料によると、準会員・研究会員を含むアクチュアリーの業態内訳は以下の通りです。

業種業態 人数 割合
生命保険 2,195名 4.09%
損害保険 858名 16.0%
信託銀行 371名 6.9%
その他 1,948名 36.3%

参考:日本アクチュアリー会

ここからは、各業界で活躍するアクチュアリーの仕事内容を解説します。

生命保険

生命保険会社で働くアクチュアリーは適正な保険料の算定や将来の保険金や給付金の支払いに備える準備金の評価などが主な仕事内容です。

特に保険業界においては保険業法において、すべての生命保険会社は保険計理人(日本アクチュアリー会の正会員で実務経験が5年以上の者)を配置することが義務付けられていることもあり、保険数理に基づく保険料・準備金算出・評価にかかる業務比重は大きくなります。

また、近年では金融の自由化や少子高齢化などを背景に、商品・サービスの多様化や保険会社としての収支健全化を目的として、従来の数理部門だけなく、商品開発部門や経営企画、リスク管理部門など、様々な部署でアクチュアリーが活躍しています。

損害保険

損害保険もアクチュアリーが多く活躍する業界です。
損害保険会社は自動車保険や火災保険、傷害保険などの多種多様な商品を取り扱うのが特徴で、それぞれの保険事故に関して発生頻度や損傷率を統計的に分析しながら、商品開発や商品内容・保険料の設定を行います。

近年ではキャットボンドやクレジットデリバティブ、天候デリバティブといった高度な金融商品を取り扱う保険会社も増加しており、商品の開発・引受、リスク管理などの分野でアクチュアリーの活躍が期待されています。

コンサルティングファームや監査法人

コンサルティングファームや監査法人も多くのアクチュアリーが活躍する業界です。

生命保険、損害保険会社での業務内容同様に、外部コンサルタントとして新制度・新規制対応(IFRS, US-GAAP, ICS, ESRなど)、保険数理モデリング開発支援、ERM(統合的リスク管理)・再保険・資本戦略の策定・高度化支援などで高い専門性を発揮します。

アクチュアリーの年収は平均1200万円

アクチュアリーの平均年収は1,150~1,380万円程度です。
2021年9月に公表された国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査結果」によると、日本の平均給与は433万円なので、約2~3倍程度の年収を手にしていることが分かります。

なお、日本アクチュアリー会では正会員、準会員、研究会員とランク分けがあり、アクチュアリー協会が主催する試験に全て合格すると正会員、基本科目に全て合格していれば準会員、1科目でも合格していれば研究会員となります。
正会員の平均年収は1,200万円、準会員では平均1,000万円程度、研究会員の年収は平均800万円程度です。

業界別|アクチュアリーの年収

アクチュアリーの年収は業界や業務内容によっても大きく変わります。
参考までに業界別にアクチュアリーの年収相場を紹介します。

    • 生命保険会社 約1300万円〜
    • 損害保険会社 約1300万円〜
    • 金融機関   約1200万円〜
    • 監査会計   約1000万円〜
    • コンサルティング 約1000万円〜
    • 外資系金融機関  約2000万円〜

国内企業でも1000万円プレーヤーとして活躍できるのが魅力です。

外資系の金融機関の場合は2000万円以上もの年収を狙うことができますが、かなりの狭き門です。
新規採用があったとしても、即戦力として業務ができる人材が優先されるため、外資系金融機関を目指すのであれば国内企業で経験を積んだのちに外資系企業へ転職するのが早道でしょう。

なお、国内企業に務める場合でも英語力があったり、証券アナリスト・CERAなどの関連資格があればより高収入に繋がりやすくなります。

20代でも平均年収1000万程度

20代で正会員になる人は少ないですが研究会員や準会員になれば特別手当がもらえる企業も多く、同世代と比較しても高年収が期待できます。

また、高度な数学的能力のほか、交渉力や様々な数学的知識レベルの人にも分かりやすく伝えるコミュニケーション能力を備えていれば、どのような職場でも高評価に繋がるでしょう。

アクチュアリーの年収が高い理由

アクチュアリーの業務は専門性が非常に高く、知識・技能がなければ業務ができません。

そのため、保険会社や信託銀行では毎年のようにアクチュアリーに特化した採用枠が設定されていたり、コンサルティングファーム・監査法人でも数理・リスクマネジメントに関する採用があったりと、多くの業界で引く手あまたの状況です。

しかし、アクチュアリーになるためには難易度の高い試験に合格しなければならず、アクチュアリー人口は潤沢とはいえません。
年々正会員となる人数は増加していますが、以前として人手不足の状態は続いています。

社会的なニーズが高まる一方で替えが効かない仕事であることが、アクチュアリーが高年収となる理由です。

アクチュアリーになるためには?

一般的に日本国内で「アクチュアリー」を名乗って業務するためには、日本アクチュアリー会が実施する資格試験に全科目合格しプロフェッショナリズム研修(初期教育)を受講し、「正会員」として登録する必要があります。

試験の内容は以下の通りで、第1次試験(基礎科目)と第2次試験(専門科目)の両方に合格しなければなりません。

    • 【第1次試験(基礎科目)】
      一次試験は基礎知識があるかを判定。
      試験科目:数学/生保数理/損保数理/年金数理/会計・経済・投資理論の全5科目を受験
    • 【第2次試験(専門科目)】
      アクチュアリーとして実務ができる能力(専門的知識および問題解決能力)があるかを判定。
      試験科目:生保コース/損保コース/年金コースのいずれか1コース2科目を受験

資格試験は非常に高難易度で、1次試験・2次試験と一発で合格したとしても最低でも2年はかかります。
そのため、多くの受験者は1年に数科目ずつ受験し、何年もかけて合格を目指すようです。

人材不足を背景に国内企業では新卒採用でアクチュアリー候補生を採用した後、勉強会や研修などを実施してアクチュアリー試験の受験をバックアップする企業もあります。

アクチュアリーの転職事情

アクチュアリーの業務は専門性の高さ故に、新卒採用や未経験でいきなりアクチュアリーとして採用されることはありません。

しかし、日本アクチュアリー会の正会員であり実務経験もある場合は、どの企業でも重宝される傾向にあり、より良い条件でヘッドハンティングされるなど比較的転職はしやすいといえるでしょう。

アクチュアリーの需要は多い

保険料計算など従来のアクチュアリー業務に加えて、制度改正対応や新商品開発などアクチュアリーが活躍する場所は年々広がっています。

特に、グローバル化や社会変化に伴うリスクを統合的かつ戦略的に管理し、企業価値の最大化を図るERM(統合的リスク管理)はアクチュアリーの活躍が期待される分野の一つです。

さらに、デジタル化やビッグデータといった分野で、データの分析・活用などでアクチュアリーの数学的センスを発揮することもできるでしょう。

アクチュアリー業界自体は慢性的な人手不足にあり、将来的に見ても自らのキャリアプランや価値観に応じて様々な立場から活躍できる可能性を秘めています。
待遇面や収入面でも十分に魅力的な環境にあり、十分に目指すべき価値のある職業だといえるでしょう。

転職エージェントの利用が効率的

転職活動を効率よく進めるには転職エージェントの利用がおすすめです。
特に専門性の高い職業であるアクチュアリーは公認会計士や税理士など専門職の転職に強い特化型転職エージェントを使うと有利に転職活動を進められます。

転職支援実績が豊富なエージェントほど業界内にネットワークがあり、各業界の最新転職事情を押さえています。
自身のキャリア開発を考えているのであれば、まずは気軽に相談してみるといいでしょう。

アクチュアリーは2000万・3000万円と高年収が狙える職業!

アクチュアリーは専門性の高い職業で国内の認知度は低いものの、年々アクチュアリーを目指す人が増えている注目の職業です。
数学的な素養があり、知識欲が旺盛な人は高年収が期待でき、高い将来性を持つアクチュアリーを目指してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

すべらないキャリア編集部


「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。

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