旅行業務取扱管理者は簡単に取得できる?難易度や勉強方法のコツを解説

  • 2021.07.26

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旅行業務取扱管理者とは

旅行業務取扱管理者とは旅行会社で国内・海外旅行のツアーを企画・販売する上で必要となる旅行業界唯一の国家資格です。

旅行代理店や運送業者(航空会社や鉄道会社、バス会社)などで適用される「旅行業法」において、営業所で1名以上の旅行業務取扱管理者を配置することが義務付けられています。

業務として取得が必要である旅行業界で働いている人はもちろん、旅行業界を目指す大学生や転職者がアピールポイントとして資格取得に挑戦しています。

旅行業務取扱管理者は3種類

旅行業界取扱管理者と一口にいっても、取扱可能な業務によって国内、総合(海外)、地域限定の3つに分類できます。

国内は文字通り国内旅行を対象としたパッケージ商品の販売や、ホテル・交通機関の手配が可能です。総合は海外旅行を含む全ての旅行商品が販売できます。

最後に地域限定とは2018年に新設された資格で、営業所がある市区町村、隣接する市区町村など特定の地域を対象とした商品のみが販売できる資格です。

受験者は3種類のうち取り扱える業務の範囲を元にどの試験を受験するのかを選択します。
しかし、地域限定は新設されて間もない資格であるのと、国内や総合(海外)で販売範囲がカバーできるので、旅行業界では一般的に従来資格である国内、総合(海外)が重宝されています。

旅行業務取扱管理者を取得するメリット

旅行業務取扱管理者の資格を取得する代表的なメリットとして以下が挙げられます。

    • 旅行業界で働く場合は、扱える業務の幅が広がりスキルアップに
    • 資格手当を設けている会社もあるので昇格・年収アップに
    • 旅行業界内であれば、どこでも必要な資格。就職や転職で役立つ
    • 将来的に独立開業して旅行会社・旅行代理店を持つことも
    • 資格有効期限や更新などがない。結婚・出産・転居などでブランクがある場合にも有効

激戦とよばれる旅行業界において、有資格者は即戦力として評価されやすくなるため、書類選考の時点で他の応募者と差を付けることが可能です。
旅行業界で働いている・就職を目指している人は、ぜひ前向きに挑戦したい資格です。

「旅程管理主任者」「旅行地理検定」「観光英語検定」などの関連資格とのダブルライセンスを目指すと、業務の幅が更に広がります。

旅行業務取扱管理者試験について

旅行業務取扱管理者として登録される貯めには、旅行業務取扱管理者試験に合格する必要があります。
また、国内・総合(海外)・地域限定でそれぞれ試験実施団体や内容が異なるので、注意が必要です。

ここからは旅行業務取扱管理者試験について、試験概要や合格率・難易度について詳しく解説します。

試験概要

国内・総合(海外)・地域限定で試験概要を以下のようにまとめました。(2021年6月時点)受験にあたっては最新情報を各実施団体の公式HPなどで確認するようにしましょう。

国内 総合 地域限定
業務取扱範囲 国内のみ 国内+海外 特定地域
試験実施団体 全国旅行業協会(ANTA) 日本旅行業協会(JATA) 観光庁
試験範囲 ・旅行業法令
・約款(旅行業、運送、宿泊)
・国内旅行実務
・旅行業法令
・約款(旅行業、運送、宿泊)
・国内旅行実務
・海外旅行実務
・旅行業法令
・約款(旅行業、運送、宿泊)
・国内旅行実務(運送約款・利用料金、国内地理等を除く)
出題型式 4択マーク式
受験日 年1回(9月) 年1回(10月) 年1回(9月)
受験手数料 5,800円 6,500円 5,500円
実施場所 全国9箇所 全国8箇所 全国2箇所
合格基準点 各科目6割以上の得点
受験資格 年齢、学歴、経験などを問わず誰でも受験可能

合格率

2020年度の実施状況は、それぞれ以下の通りです。

受験者数 合格者数 合格率
国内 12,146人 4,576人 37.7%
総合(海外) 10,378人 4,225人 40.7%
地域限定 255人 106人 41.6%

ただし、上記の実施状況は一部科目免除者も含んでいます。旅行業務取扱管理者試験には免除制度があり、要件を満たす場合に一部科目が受験不要となる制度です。
一般的に免除者は旅行業務経験者や他の試験に合格している人などが多く、合格率は高くなります。

免除対象外となる全科目受験者の合格率は、以下の通りです。

    • 国内:35.8%
    • 総合(海外):18.5%
    • 地域限定:40.9%

国内・地域限定では受験区分による合格率の差はそこまで大きくないですが、総合(海外)では全科目受験者の合格率が大きく低下していることに注意しましょう。

総合(海外)は出題範囲が広く合計4科目受験する必要があるため、試験時間が足りず合格率が低くなる傾向があります。

難易度

国内、総合(海外)、地域限定の試験内容で比較すると、総合(海外)が最も難しい試験ですが、国家試験の中では取得難易度が低めです。
旅行業界で働いており業務経験がある場合は、前提知識もあり取り組みやすいでしょう。

また、旅行業務取扱管理者の試験は受験資格がなく誰でも受験出来る試験です。
特に国内の試験は趣味の延長で資格取得したり、大学の授業の一環で取得を目指したりと、旅行業界以外から受験する人が8割を超えており、気軽に挑戦しやすい試験といえます。

観光業務未経験でも十分に合格が狙えるので、旅行業界に興味があればスキルアップや知識習得のために、ぜひ積極的に受験するのがおすすめです。

旅行業務取扱管理者に効率よく合格するためのコツ

旅行業務取扱管理者試験をいざ受験しようとする人に向けて、効率的に勉強を進めるコツを紹介します。

特に受験者の多い国内と総合(海外)に絞って、体験談なども参考に受験勉強のコツ・注意点を解説しますので、ぜひ参考にしてください。

受験勉強の目安時間

それぞれの試験で受験勉強にかかる時間の目安は以下の通りです。

    • 国内:130~180時間、4ヶ月~半年程度
    • 総合(海外):230~280時間、8ヶ月~1年程度

旅行業界で既に勤務しており業務経験がある場合は、上記よりも少ない勉強時間でも合格が狙えます。

また、総合(海外)の出題内容の多くは国内と重複しているので「国内試験の合格後に総合(海外)を受験する」と段階的に挑戦していくと、効率よく受験勉強が進められるでしょう。

良く出る範囲を絞って勉強する

国内、総合(海外)試験ともに6割以上の正解で合格できるので、全てを完璧に勉強することは不要です。良く出る範囲に絞って勉強をしておけば十分に合格圏内には到達できます。

まずは参考書を使って出題範囲の基礎知識理解を進めましょう。
業務にも関連する内容なので満遍なく勉強するのが理想ですが、短期間で資格取得を目指す場合には苦手分野をあえて捨て置くことも可能です。

例えば過去問と類似した問題が出題されやすい法令・約款では満点に近い正解を目指すことができれば十分に合格が狙えます。

免除制度を上手く利用する

国内、総合(海外)試験では一部科目の免除制度があります。具体的には、前年度の受験で「海外旅行実務」「国内旅行実務」が合格点に達していた場合、翌年度の受験に限り一部科目が免除となる制度です。

他にも、総合(海外)の試験は、国内旅行業務取扱管理者の資格をすでに取得している場合は業法と国内旅行実務の科目が無期限で免除となったり、旅行業界で務めている人向けの免除制度もあります。
上手く免除制度を活用することで、最短経路での資格取得が可能です。

独学が不安なら通信講座の利用を検討しよう

国内試験は独学でも十分に合格が狙えますが、総合(海外)試験は未経験の人にとって多くの勉強量を必要とするハードルの高い試験です。
闇雲に勉強を始めては上手く勉強が進められず時間のムダになってしまう可能性もあります。

効率的に受験勉強を進めたいなら通信・通学講座の利用がおすすめです。

特に通信講座なら自分の好きな時間・時間、場所で受講できるので、スキマ時間を見つけて少しずつ勉強ができます。
通学講座のようにオンラインで講義の内容を視聴できたり、講師に電話・メール・SNSなどで質問ができるサービスも多いので、分かりやすく知識定着にも効果的です。

忙しい仕事の合間を縫って受験勉強をしたい人や、学業やサークル・アルバイトなどに忙しい大学生にも向いているでしょう。

通信講座でインプット・アウトプットの勉強を効率良く進めつつ、過去問での実践を組み合わせることで、一発合格を狙うことも可能です。

まとめ

旅行業務取扱管理者は旅行業界で働いている、働きたい人にとってメリットの多い資格試験です。

また、自身や家族・友人との旅行でも最適なプラン作成やアドバイスが出来るので、プライベートでも十分に活かすことができます。旅行が好きな人はぜひ旅行業務取扱管理者の資格取得を検討してみましょう。

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この記事を書いた人

すべらないキャリア編集部


「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。

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