目次
感情のコントロールが必要な理由とは?
感情が顔や態度に出してしまう、
ミスして落ち込んでしまう、
不安や恐れなどの感情が影響してパフォーマンスを出せない、
そんな感情に囚われる経験は誰しもありますよね。
しかし、感情に囚われると私生活はもちろん仕事においても悪影響を及ぼしがちです。
ストレス過多と言われる現在社会においては、ビジネスの現場においても感情コントロール・アンガーマネジメントが重要視されてきています。
まずは、ストレスの要因が増え、感情のコントロールが必要になった背景を詳しくみていきましょう。
変化への適応を求められる時代になった
現在は「VUCA」の時代と言われています。
「VUCA」とはV(Volatility:変動性)、U(Uncertainty:不確実性)、C(Complexity:複雑性)、A(Ambiguity:曖昧性)の頭文字をとったもので、不確実性の高い変化の時代になったことを指します。
昨今のコロナウイルスの大流行もそうですが、生活様式を大きく変えるような変化が短期間に起こるようになりました。
さらにITの進歩に合わせて、ビジネスでも業界の常識を覆すような新しいサービスが次々と誕生しています。
心理学では、人は変化を避けて現状を維持しようとする「現状維持バイアス」を持っていると言われていて、度重なる変化への適応にはストレスがかかります。
柔軟に変化し続けることが求められる現代においては、ストレス要因が増え、感情のコントロールが求められる場面が増えてきていると言えます。
価値観の変化
情報社会、グローバル化、ダイバーシティの促進などにより、価値観の多様化が進んでいます。
1人1人の価値観や考え方が多様化したことで、他者との意見の食い違いも起こりやすくなります。
しかし、組織としてイノベーションを生み出すためにも、1人1人の意見を受け入れていかなくてはなりません。
そのためには、感情的にならず冷静に対処できるよう感情のコントロールが重要となるのです。
人が流動的になる
働き手の減少が加速するなか、1つの会社に腰をすえて長く働くことが珍しくなってきた近年。若年層の会社の流動が激しくなっています。
人が流動的になると、人間関係に摩擦を生みやすくなる傾向にあります。価値観の違いが顕著に出てしまうため、ジェネレーションギャップも生まれやすくなるのです。
さらに、人が流動的になると会社では受け入れ体制を常にとっていなくてはなりません。
人を受け入れるということは、変化が伴います。そのため、ストレスを溜めないように、組織を上手く回していくために感情をコントロールしていく必要があるのです。
感情のコントロールできない人とは?
感情をコントロールできない状態だと人はどのようになってしまうのでしょうか。
感情をコントロール出来ていない人の主な特徴を2点ご紹介します。
感情を隠さない
感情をコントロール出来ていない人は、自分の感情を表に出す傾向にあります。感情が高ぶり、我慢が出来ず、感情があらわになってしまう状態に陥ります。
例えば、他者のミスで作業に遅れが出てしまった際に、ミスをした人にキツい言葉をかけてしまったり、周りに怒りをぶつけ、ピリピリしたムードを作り出してしまうといったケースです。
逆に自分がミスしてしまい、ネガティブな感情を表に出してしまうというケースもあるでしょう。
その結果、周りも一層気を使わなければならず、雰囲気を悪くしてしまう傾向にあるのです。
このように、職場であることを忘れ、場の空気を読まず、自分の感情のまま素直に行動してしまうため、感情がコントロール出来なくなってしまうのです。
論理性がなくなる
感情がコントロール出来ない人は、冷静であるとできることが出来なくなってしまう傾向にあります。論理性がなくなってしまうのもその1つ。
感情的に判断を下すため、適切な判断が出来なくなってしまうのです。
例えば、部下が失敗をしたことに対し、理論性を失い理不尽に叱るなどのケースが挙げられます。
本来であれば、失敗した原因を分析し、再発防止策などを講じなくてはなりませんが、感情がコントロール出来ない状態では、そのような思考にならないのです。
また些細なことに過剰反応し、「良い・悪い」「Yes・No」の二極分化した思考を持つようになってしまったり、判断を誤ってしまうこともあるので、注意したいところです。
感情のコンロールができないことで生じること
感情をコントロールできないことで、会社や仕事に悪い影響を与えてしまいます。
場の雰囲気を悪くするだけでなく、人間関係にも支障をきたしてしまうなど、自分にとっても不都合な状況になってしまうのです。
感情がコントロールできないことで生じる問題について代表的な例を3つご紹介いたします。
組織内で孤立する
感情をコントロールできずに、感情を表に出していると組織内で孤立していく危険性があります。
感情を表に出していると、直接怒りを相手にぶつけていないとしても、周りはピリピリした雰囲気を感じ取ります。
組織で仕事をしていく上で、誰しも「感じの良い人」「話かけやすい人」「論理性がある人」と仕事したいと思います。
つまり、多くの人は、感情が安定している人と仕事したいと思い、感情がコントロールでいない人とは仕事がしにくいと思うのです。
自分が上司の立場であった場合は、感情がコントロールできずにいると部下から相談されなくなり、敬遠される存在となります。
また、管理職でなくても、感情がコントロールできないことで、上司から信用してもらえず、仕事を任せてもらえなくなる可能性があるのです。
結果として、周りから孤立し、周りと協力し合いながら仕事ができないと、仕事自体が上手く進まなくなり、会社からの評価が下がってしまいます。
作業効率に影響する
感情がコントロールできないと作業効率が格段に下がり、生産性が低下する結果を招く恐れがあります。
感情がコントロールできない状態の時、冷静な状態に比べ、正常な判断ができにくい状態となります。
さらに、感情に支配されている状態では、作業スピードの低下やミスを招きやすいので、仕事も上手く進まなくなり、作業効率の低下を招く結果となるのです。
さらに感情を表に出すことは、周囲にも影響を与えます。
居心地が悪い、ギスギスした雰囲気で冷静に仕事ができる人は少なく、ストレスが溜まる要因となります。
気の疲れは、仕事のパフォーマンスにも大きく影響を与えるため、自分だけでなく、周りの作業効率と生産性を低下される原因となります。
会社の離職率が上がる
感情のコントロールが組織内にいると、会社の退職率が上がる傾向にあるようです。
離職率の高い会社を対象に調査を行うと、大半の会社で「感情をコントロールできない人」が在籍していることがわかりました。
感情がコントロールできない人は、理論性を欠いた状態で判断を下すため、その決定は理不尽に写ります。
例えば、感情をコントロールできない上司から正当性がないことで責められると、その部下や後輩は不満が溜まってしまいます。
その不満は過度なストレスとなり、退職に追い込んでしまうのです。
それだけでなく、部下や後輩など、周りにストレスを過度に与えることで、周りを体調不良に追い込んでしまい、最悪の場合、パワハラとして訴えられてしまうことになりかねません。
このような理由から、感情のコントロールできない人がいる組織では、人を採用してもすぐに退職してしまう傾向にあるといえるのです。
会社にとっては、非常に不利益となるため、感情のコントロールが苦手な人に対し、評価も低くなるのです。
感情のコンロールためのアンガーマネジメント
現代社会を生きるビジネスパーソンにとって、感情のコントロールは必要不可欠であることを解説しました。しかし、感情のコントロールは誰でも身につけられるのでしょうか。
感情をコントロールするためには、アンガーマネジメントをおこなうと効果的です。
実際に感情をコントロールするための方法を5つご紹介いたします。
6秒ルール
感情をコントロールするための代表的な方法として、6秒ルールがあります。
6秒ルールとは、突発的な怒りの感情が起きたら、すぐに態度や言動に表さず、6秒耐えるようにします。
人間が怒りを感じたとき、衝動のピークは6秒と言われています。
そのため、カッとなってしまったらまず6秒我慢すれば、怒りの衝動が徐々に引いていくのです。
怒りのピークが過ぎれば、あとは冷静になるだけ。6秒待つことで突発的な言動を避けることができるのです。
また、怒りは第二の感情と言われており、もともとネガティブな感情が怒りに変わってゆくことを意味しています。
冷静になったらその怒りの元となる感情を探し、原因を追求するように心がけましょう。
そうすることで、感情のコントロールができるようになるのです。
許容範囲を数値化する
感情をコントロールするために、自分の許容範囲を数値化すると効果的です。
数値化することで、自分の感情を第三者目線で見ることができ、感情に左右されることが少なくなります。
はじめに、自分が何にこだわるのかを確認し認識しておきます。
次に、自分のこだわりを基準にして「ここまでは許せる」という許容範囲の限界点を数値化します。
そして、自分が怒りの感情が沸き起こったら、その怒り度合いを数値化し、自分が怒るに値することなのかを確認しましょう。
そのようにすれば、怒りの感情に支配されず我慢することができるようになります。
徐々に、怒るほどでもない許容範囲を広くしていくと、怒りの感情が湧く原因を少なくし、感情に振り回されることなく、冷静さを保つことができるようになるのです。
変えられるものと変えられないものを意識
感情のコントロールを上手くするためには、変えられないものと変えられるものをハッキリさせ、理解しておくことが大切なのです。
感情のコントロールが上手だと言われている人は、自分が力が及ばない「変えられないもの」をしっかり認識し、その「変えられないもの」に思いを傾けることはしないのです。
人は誰しも、自分がコントロールできないことに目を向けると、イライラしやすく、感情的になってしまう傾向があります。
そのため、自分がコントロールできないことに目を向けず、コントロールできることに目を向けるようにすると感情的になりにくくなるのです。
そのため、自分がコントロールでき「変えられること」と、自分がコントロールできない「変えられないこと」をしっかり理解し、認識することが、感情コントロールにおいて大事なことといえます。
ディソシエイト(分離)のテクニックを身につける
感情をコントロールするためには、ディソシエイトのテクニックを身につけると良いとされています。
ディソシエイトとは「分離する」という意味で、怒りの感情が沸いたら、客観的に自分をみて、自分と感情を分離させるテクニックを言います。
ディソシエイトのテクニックを身につける方法を2つご紹介します。
自分を客観的に見る
ディソシエイトのテクニックを身につける方法として、自分を客観的に見ることが大切です。
自分を客観視することで、冷静さを保ち、感情をコントロールすることができるようになるのです。
そのためには、怒りを感じている自分から距離を置いて、自分を後ろから見ているようにイメージします。
ただ、自分を客観的に見るのではなく、何に怒りを感じているのか、なぜ怒っているのかを分析します。
一旦、自分から切り離して考えることで、「怒るほどの問題でもない」と感じることができ、感情的にならず、物事を判断できるようになります。
言いたいことをすぐに言わない
ディソシエイトのテクニックを身につける方法として、言いたいことをすぐに口に出さないようにします。
言いたいことは一旦持ち帰り、その発言をするべきかを冷静に考える時間を持つようにすることで、冷静さを保つことができるのです。
誰しも相手に怒りを感じたら、すぐに何か言いたくなってしまいます。
このような突発的な言動は、一瞬スッキリしますが、後から後悔を招くケースも少なくありません。
一度、言葉を飲み込むことで、その発言は正当なものなのか、抱えた怒りは適切な感情なのかを考えるきっかけを作り、自分と感情を一度分離するため、感情をコントロールできるようになるのです。
改善思考を身につける
感情をコントロールするためには、改善思考を身につけると効果的です。
感情的になってしまうと、怒りの原因しか見えなくなり、その先のことまで目が行かなくなります。
例えば、会社に「このような予算は通せない」と言われたら、怒りや落胆という感情に振り回されるのではなく
「予算を通すためにはどうすれば良いか」を考えるようにしていきます。
このように、突発的に感情が乱れそうになったら、一度深呼吸をし、その先の改善方法を考えるように頭を切り換えると、
人にどのように言われても、イライラしたり落ち込むことなく感情をコントロールすることができるようになります。
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この記事を書いた人
すべらないキャリア編集部
「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。