司法書士試験の難易度って?合格者の勉強法やおすすめのスクールを紹介

  • 2021.05.17

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昨今、働き方が多様化しているなかで、自分で稼ぐ力を身に着けようと資格取得を考えている人も多くいらっしゃるでしょう。

その中で自身で独立してビジネスをおこなう場合にも、会社に所属している場合にも司法書士という「国家資格」は大いなるアドバンテージになります。

そんな「司法書士」について、資格取得の難易度や取得までの道筋、おすすめのスクールなどをご紹介いたします。

司法書士試験の難易度

司法書士試験の難易度は非常に高く、合格率は例年3~4%です。

国家試験の中でも最難関の資格の一つと言われており、多くの勉強時間が必要となります。

試験の難易度について、以下で他の国家資格と比較していますので、ぜひ参考にしてください。

順位 国家資格名
1位 司法試験
2位 公認会計士
3位 司法書士
4位 税理士
5位 弁理士
6位 医師

ただ、これは試験の難易度のみのランキングです。

医師になるには医学部で6年学ぶ必要があり、受験資格取得そのものに苦労をするので、一概に司法書士のほうが難しいとは言い難いです。

司法書士試験に必要な勉強時間

司法書士試験に必要な勉強時間は3,000時間と言われております。

単純計算をすると1年で取得するなら1日8時間、2年で取得するなら1日4時間の勉強が必要です。

受験資格が必要とされる司法試験や医師と違い、0から勉強することを前提としているので非常に長い勉強時間となっています。

勉強時間についても、他の国家資格と比較してみました。

順位 国家資格名
1位 司法試験
約3,000~8,000時間
2位 公認会計士
約3,000~5,000時間
3位 不動産鑑定士・弁理士・司法書士
約3,000時間

もちろん、学習方法によって差は出てくると思いますが、独学で勉強するのであれば3000時間以上は覚悟しておくべきでしょう。

独学での合格はかなり難しい

受験資格が必要ないため、不可能ではありませんがハードルは非常に高いです。

理由は以下の3つです。

    • 法改正が頻繁におこなわれるため、最新の情報が必要不可欠
    • 科目が広範囲に及び勉強量が膨大なため、効率的に学ぶ必要がある
    • 少なくとも1年以上の勉強時間が必要なため、モチベーションの維持が困難

たしかに講座に申し込むとお金がかかりますし、仕事をしながらでは講座に割く時間を捻出することが困難でもあります。

しかし、それでも独学のハードルは高いため、自分のスケジュールに合わせて勉強法を検討してみてください。

司法書士試験の受験科目

司法書士試験で出題される科目は全部で11科目です。

午前の部 憲法・民法・刑法・商法
午後の部(選択問題) 民事訴訟法・民事執行法・民事保全法・司法書士法・供託法
午後の部(記述問題) 不動産登記法・商業登記法

また、合格点は以下の通りです。

総得点(280点) 約200点以上
午前の部(105点) 約75点以上
午後の部選択(105点) 約70点以上
午後の部記述(70点) 35点以上

相対評価のため年度により合格点は異なりますが、目安としてこれぐらいの点数を獲得する必要があります。

試験の概要と受験資格

チャンスは年に一回です。毎年7月に筆記試験がおこなわれ、合格者のみ10月に口述試験を受けることが出来ます。

大まかな流れは下記の通りです。

    • 4~5月 願書配布・出願
    • 7月 筆記試験
    • 10月 筆記試験合格発表・口述試験
    • 11月 最終合格発表

願書は法務局または地方法務局にて配布しておりますので期間内に郵送・持参にて提出します。

7月の筆記試験は一日かけておこなわれます。

午前の部では憲法・民法・刑法・商法を範囲とした選択問題で、午後の部では民事訴訟法・民事執行法・民事保全法・司法書士法・供託法・不動産登記法・商業登記法を範囲とした選択問題と不動産登記法・商業登記法を範囲とした記述式問題となっています。

10月の口述試験は、ひとりあたり15分程度です。

科目は不動産登記法・商業登記法・司法書士法の3つで、面接官から口頭で出題されます。回答の正誤だけでなく論理的な説明も審査されますが、筆記試験を通過していればそれほど難易度は高くありません。

司法書士試験の受験資格はとくに必要ありませんが、司法書士として仕事を始めるには試験合格後司法書士会にて研修(1~3か月程度)を受ける必要があります。

司法書士の仕事内容

 

そもそも司法書士とは「国家資格」であり、専門的な法律知識に基づいて、登記、供託、訴訟などの法律事務をおこなう専門家です。

弁護士や税理士などと並ぶ、職務上請求権が認められている8士業の一つです。

また、

    • 登記:供託の手続きの代理
    • 法務局:地方法務局に提出する書類の作成
    • 裁判所:検察庁に提出する書類の作成
    • 上記の事務に関する相談

など、司法書士にしか認められていない独占業務があることが資格所有者の強みです。

司法書士資格を取得するメリット

これまでお伝えしてきた通り、司法書士試験の難易度は非常に高いです。ですが、その分希少性が高く独占業務を認められているため、今後とも需要がなくなることは無いでしょう。

たしかに、登記や事務的作業などAIにとってかわられる業務もありますが、複雑化する現代社会において以下のような登記以外の提案業務は増加傾向にあります。

    • 成年後見制度の導入により代行業務の増加
    • 相続登記の義務化
    • 財産管理業務の複雑化

これらの理由から、司法書士は今後の需要が確実に見込まれる、食いっぱぐれの無い資格と言っても過言ではありません。

司法書士合格者の勉強法3選

ここからは、実際に司法書士に合格した人の勉強法を紹介します。

1つずつ解説していきます。

六法全書で調べる癖をつける

勉強していく中でわからない箇所があれば、六法全書を用いて調べる癖をつけましょう。

ただ条文を丸暗記するのではなく、条文の意味や理解を正しく理解することが大切です。

また法律は変わるため、六法全書は年に1回のペースで買い替えることをおすすめします。

とにかく過去問で対策

ただ覚えるのではなくアウトプットも重要です。条文を暗記しただけだと上手く問題に答えられない場合が多いからです。

また、問題を解くことにより知識が整理され記憶が定着します。

受験生のほとんどは過去問を徹底的に対策してきます。相対評価の司法書士試験において、みんなが答えられる問題を間違えることは不合格につながりやすいので注意しましょう。

勉強科目の優先順位をつける

主要科目とマイナー科目を比べたら、主要科目により多くの時間を割くのが効率的です。

また、勉強の順番も工夫しましょう。

例えば歴史の勉強するときに、毎回縄文時代から勉強を初めるタイプの人に限って途中で飽きて、古代やそれ以降の中世までは完璧なのに近代に近づくほど知識が曖昧になったりするものです。

教科書を何周もする必要がありますが、毎回教科書の初めから読み始めるのではなく工夫してまんべんなく学ぶ工夫が必要です。

司法書士を目指す人におすすめのスクール3選

最後に、司法書士を目指す人に向けて、おすすめのスクールを3つ紹介していきます。

自分に合いそうなスクールがありましたら、一度検討してみてください。

それぞれ解説していきます。

LEC

様々な資格の講座を開講する資格の総合スクールです。

司法書士の専門的な勉強は勿論ですが、ノウハウや勉強法・モチベーション管理法など資格取得のプロフェッショナルにより徹底した指導を受けることができます。

TAC

TACは法律・公務員に特化したスクールです。

こちらも歴史が深く、資格取得の為の独自のメソッドを持ってます。

また受講生の数も多いため、多くの仲間と一緒に過ごすことはモチベーションを保つために役に立つでしょう。

AGAROOT

AGAROOTは2015年に開校された比較的新しいスクールです。

ブラウザ・OSに関係なく使用できるツールを用いるなどオンラインに特化しており、徹底的に合理化されたテキストや講座を提供しています。

オンラインならではの倍速再生など様々な機能を使いこなして、効率的に勉強を進めることができます。

忘れずに助成金を貰おう

司法書士対策の講座料は非常に高価な場合が多いです。司法書士は長期間にわたるため、100万円を超えることもあるでしょう。

そこで必ず覚えていてほしいのは教育訓練給付制度です。厚生労働省が出す助成金ですので、スクールに通うのであれば必ず相談して受け取ってください。

まとめ

司法書士試験は非常に難易度が高いですが、それほどまでに取得価値のある資格です。

長期戦となりますので、モチベーションを保ちながら効率的に勉強することが大切です。

くじけたら、またこの記事に戻ってきてください!がんばりましょう!

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この記事を書いた人

すべらないキャリア編集部


「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。

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