目次
簿記2級は企業会計を理解するために人気の資格で就職や転職にもアピールができる資格です。
この記事では、簿記2級の合格に向けて効果的な勉強方法や学習スケジュールを紹介します。
独学で簿記2級は難しい
簿記2級は誰でも受験ができ人気の高い資格ではありますが、合格率は低めなのでしっかりと勉強しなければなりません。
初心者が独学で挑戦するのは無理ではありませんが、厳しい道のりになることの覚悟が必要です。
とくに工業簿記は工場など企業内部での部門別・製品別の材料・燃料・人力といった資源を記録・計算する分野で、経理担当者でも馴染みが無ければイメージしにくいといわれています。
闇雲に勉強を始めても行き詰ってしまうので、勉強方法の戦略やスケジュールを立てて効率よく勉強を進めることが大切です。
簿記2級の試験概要
簿記資格は経理や財務の知識をカバーする資格です。どの業界・業種、職種でも応用できる万能資格です。1~3級の種類があります。
3級は社会人としての「必須の基本知識」を網羅する内容で、2級はより財務諸表を読み込み経営状態を把握するための知識・能力を扱います。
簿記試験は学歴・年齢・性別・国籍などによる制限はなく誰でも受験可能です。
初心者でもいきなり2級に挑戦することはできますが、3級で扱う内容を前提にしているのでまずは3級から受験したり、併願受験するのが良いでしょう。
簿記2級の合格率
日本商工会議所のデータによると、これまでの簿記2級の合格率は以下の通りです。
実施回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
156回 | 39,830名 | 7,255名 | 18.2% |
155回 | 中止 | 中止 | 中止 |
154回 | 46,939名 | 13,409名 | 28.6% |
153回 | 48,744名 | 13,195名 | 27.1% |
実施回によりバラつきはありますが、合格率は約15~30%程度と言えるでしょう。
合格に必要な勉強時間
全く簿記に触れたことのない初心者と、既に3級を取得済みであったり経理処理に関わる実務を担当している人とでは必要な勉強時間は異なります。
ここからはそれぞれ必要な勉強時間を紹介します。受験の検討や、勉強スケジュールを立てる際の参考にしてください。
初心者は350~500時間
初心者が独学で簿記2級合格を目指す場合、必要な勉強時間は350~500時間です。
1日2時間勉強するとして、6~8ヶ月間の勉強期間が必要になります。社会人や大学生の受験者も多い資格ですが、しっかりと勉強時間を確保することが大切です。
より短期間での合格を目指したいなら、通学・通信講座を利用することも検討しましょう。
出題範囲に絞って効率よく勉強が進められるので、合格までに必要な勉強時間は150~250時間が目安となります。
経験者は250~350時間
既に簿記3級を取得していたり、社会人として経理処理に関わるのであれば、勉強時間の目安は250~350時間、期間は4~6カ月程度です。
既にベースとなる知識はあるので、コツコツと勉強が継続できれば問題なく合格が狙えます。
ただし、社会人の人など忙しい生活の合間を縫って勉強する場合、まとまった勉強時間が取れず思ったよりも勉強がはかどらないことも多いでしょう。通勤途中や昼休みなどのスキマ時間を効率よく使って勉強することが大切です。
独学で勉強を進めるために必要な2つの準備
独学での受験勉強をスムーズに進めるためには、勉強への事前準備が大切です。
ここからは簿記2級の合格を目指す受験者向けに、勉強を始めるための事前準備を2つ紹介します。
1つずつ解説していきます。
テキスト選び
まずは、受験勉強に必要な範囲が網羅されているテキストを選びましょう。
簿記2級に関するテキストは数多く発売されているので、自分のレベルに合っていて、丁寧な解説があるテキストを選ぶことが大切です。
売れ筋ランキングを参考にすることも大切ですが、実際に手にとって中身を確認しながら使いやすいテキストを選びます。
ただし、何冊も購入するのは禁物です。あれもこれもと手を付けてしまっては、どれも中途半端になってしまいます。
電卓を用意して使い方に慣れる
簿記受験では計算補助器具として電卓やそろばんの持ち込みが可能です。日数計算、時間計算、換算、税計算、および検算に使用します。
受験時はもちろん、普段の学習から電卓を活用し、使い方に慣れておくことが大切です。
文字盤を見ずに片手でスムーズに使いこなせるようになるまで、しっかりと練習しておくと良いでしょう。
効率的な勉強のポイントやスケジュール例
簿記の基本的な勉強の進め方は、
この3ステップです。受験日から逆算して、各ステップをバランスよく進められるようにスケジュールを立てましょう。
ここでは半年間の勉強時間を例に、スケジュールモデルを紹介します。
最初の3ヶ月:基本知識のインプット
厳選したテキストを何回も読み込み、簿記に関する知識の定着を目指します。じっくりと読み込むというよりも、多少読み飛ばしてでも全体構造を理解することを意識しましょう。
何度も繰り返しテキストでの勉強を続け、テキストの内容を完璧に理解できるようになるまでインプットを続けます。
4~5ヶ月目:問題集を使ってアウトプット
インプットが十分にできたら問題集を使って問題の解き方に慣れましょう。解答方法のコツを理解することを意識します。
アウトプット時のポイントは、間違えた問題をそのままにしないことです。間違えた問題、理解が曖昧だと感じた問題、解説内容に疑問点があるなど、テキストの該当ページに戻って復習することが大切です。
なお、簿記試験では欠かせない仕訳の練習は条件反射的に解答出来るようにすることが理想です。仕訳問題に特化したアプリなどもあるので、スキマ時間を使いながら勉強を進めてみましょう。
6ヶ月~受験日まで:過去問演習を使って実践練習
受験前最後の1ヶ月は過去問を使った実践練習を進めます。過去5年間分位を目安に過去問に挑戦しましょう。
受験本番を想定しながら時間を測りながら問題を解くことが重要で、各問いにかけられるベストな時間配分を確認します。
また、ミスしやすい単元があれば受験までの期間で集中的に取り組み、取りこぼしの内容にすることが大切です。
独学で合格するために覚えておきたいテクニック3選
簿記2級はしっかり勉強することももちろん大切ですが、ちょっとしたコツを知っておくだけでスムーズに勉強を進めることが大切です。
ここからは独学で合格を目指す人が覚えておきたい受験テクニックを3つ紹介します。
出題パターンを把握する
日商簿記は出題パターンがある程度決まっていて、解き方さえ把握していればスムーズに解答することができます。
過去問に取り組む中で出題パターンを頭に入れておくようにしましょう。
工業簿記を得点源にする
簿記2級の問題は、商業簿記から3問、工業簿記から2問の計5問で構成されています。
工業簿記はとっつきにくい分野ではありますが、商業簿記と比較すると中学生レベルの計算知識があれば解ける問題が多いのが特徴です。
工業簿記の2問を確実な得点源とすることで合格にグッと近づきます。
受験前はリラックス
最後は受験前の過ごし方です。受験1週間前~受験日までは難しい問題に手を出さず、過去問を繰り返し解くことに集中しましょう。
簿記は7割程度の正解率で合格できるので、全て正解することを目指す必要はありません。過去問を完璧に解けるようにしておけば、自信をもって臨めます。
また意識的に睡眠をしっかりとって体調を整えることも重要です。受験会場までの交通機関や持ち物を最終確認して、リラックスして過ごしましょう。
簿記2級は効率的に勉強を進めて合格を目指そう!
簿記2級で扱う簿記・会計の知識は、どの業界・業種でも必要とされています。
就職や転職、昇給など幅広く活用できるお得な資格といえます。
コツを掴んで効率よく勉強出来れば、独学でも十分に合格が狙える資格なので、ぜひ挑戦してみてください。
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この記事を書いた人
すべらないキャリア編集部
「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。