マニュアル作成のコツ|押さえるべきポイントや注意点を詳しく解説

  • 2021.03.14

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マニュアルとは、簡単に言うと業務の手順をまとめたものです。ただ、マニュアルは業務内容を見直すことや、退職時の引継ぎのときにだけ必要なものではありません。

また、仕事の流れを一定の方式で定めると、効率よく業務が進捗するので、生産性の向上も期待できるようになります。

今回は、本当に必要とされるマニュアルの作り方を詳しく解説をします。

マニュアルを作成する意味とは?

そもそもマニュアルを作成する意味とは、一体何なのでしょうか?

それは、複数の人が同じような定型業務を行う際に、共通認識がとれず、業務が非効率になってしまうことを防ぐためです。

ここでは、マニュアルが必要な理由や絶対に必要な要素について詳しく解説をしていきます。

マニュアルは業務効率化のための必須アイテム

その理由は、指導する立場の人がいなくても、現場にいる人が仕事に取りかかれるようになるためです。

「マニュアル作成」とは、すなわち、業務遂行の基準を定め、社員全員で共有できるようなものに仕上げることを意味するのです。

例えば、同じような業務を複数の人で連携して対応する場合に、基準となる方法が定まることで、社員同士が業務について連絡を取り合うときに、業務の効率化が測れます。

他方、マニュアルの目的は、その職場での業務が自主的に遂行されていくことにあり、作成するだけでなく、内容も日々、改善していかなければなりません。

マニュアルに不可欠なもの

マニュアルは、常にあらゆる視点から検証されていなくてはなりません。

実際の業務で実行しやすいものであることで、社内で有意義に使うことができるようになります。

そのため、社内にマニュアル全体を管理する部署を作り、担当者を設置することが必要です。

また、マニュアルを実際に使用するのは従業員ですが、作成する際には経営層やマニュアル管理者が、マニュアルの内容が間違った方向に行かないように、注視していくようにしましょう。

マニュアルを作成するメリット

マニュアルを作成するメリットには以下のものがあります。

一定の品質や効率を保てる

毎回同じことの繰り返しで、複数の人が携わる業務にはマニュアルが向いています。

マニュアルに従って仕事を進めていくと、人によって仕事の質や作業スピードにばらつきが出なくなってくるのが良い点でしょう。

また、業務担当者が退職などでいなくなってしまう場合でも、よりスムーズに業務の引継ぎができるようになれるのもメリットです。

部下の指導に時間を取られない

マニュアルがあれば、指導担当者が新人や部下などに仕事を教える際に、無駄に時間を取られなくなりますから、自分の仕事ができるようになります。

マニュアルを用意することで、指導係がその場につきっきりで指導しなくても、大抵の社員は仕事の方法を体得するようになれるでしょう。

どうしてもわからない点だけを指導係に聞くようにすれば、効率的に仕事を進めることができるので、生産性を上げられるようになっていきます。

リスクマネジメントができる

業務マニュアルには、一定の基準や方式で決められた業務処理だけでなく、考えられるイレギュラーな対応についても記載しておくことがあります。

業務中にイレギュラーな事態が発生しても、業務の標準形態を知っておき、それが起こる可能性があることを予測し、イレギュラー対応方法についても知っておくと良いでしょう。

アクシデントにも対応できるため、リスクマネジメント対策にもなりますから、業務に携わる人たちが安心して仕事をできるようになります。

マニュアル作成の基本手順

ここでは、クオリティの高いマニュアルを作成していくための基本手順について、詳しく解説をしていきます。

正しい作成の仕方を知っておくことで、より効果的なマニュアルを作成できるでしょう。

ステップ1:マニュアルで網羅すべき範囲を決める

作成するマニュアルで網羅すべき範囲を決めておくことも重要です。

マニュアルでカバーする範囲を決めないまま、マニュアル作成を始めてしまうと、内容にブレが生じてしまいます。

結局、何を伝えたいのかわからないマニュアルに仕上がってしまったら、せっかく作成しても意味がありません。

まずは、マニュアルで何を伝えるのかをしっかりと決めてから作成を始めるようにしましょう。

ステップ2:構成(目次)を作る

マニュアルを作成する際に何よりも大切になのは、誰が見ても分かりやすい内容であることです。

分かりやすいマニュアルの特徴としては、本文だけでなく目次も大変重要であり、目次(構成)を見ただけで、パッと分かりやすいマニュアルでないと、非常に使い勝手がよくありません。

最悪の場合、マニュアルとしても機能を果たせない場合もありますから、目次構成で意識したいポイントをまとめるようにしていきましょう。

ステップ3:記載事項を時系列にまとめる

業務マニュアルは、仕事の流れで記載していくとわかりやすいため、時系列でまとめていくと良いでしょう。

時系列にしたがってまとめられていないマニュアルは、見たい情報をなかなか見つけることができずに、無駄な時間を費やしてしまうことも考えられます。

また、担当者ごとのタスク分けを行うことも効果的です。

例えば、メインとなる担当者・アシスタント・新入社員というように、その業務に携わるメンバーを割り当てて、その人ごとにタスクを担当してもらうようにします。

業務の流れに沿いながらあらかじめメンバーを振り分けて、マニュアルを作成しましょう。担当業務がブッキングしないように、構成を作る時点でしっかりと割り振りをしておきましょう。

マニュアル作成における3つのポイント

効果的なマニュアル作成をするには、3つのポイントが重要です。

ここでは、それらのポイントについて詳しく解説をしていきましょう。

ポイント1:シンプルで分かりやすく

シンプルで分かりやすい内容にすることは、マニュアル作成には大変重要であると言えます。

複雑で難解な内容のマニュアルでは、初心者や経験の浅い人には理解がしにくく、熟練者レベルの人にしか理解できないマニュアルになってしまいます。

マニュアルの作成者が読み手のレベルを考えずに、自分のレベルで作成してしないよう注意が必要です。。

どんな人でも、パッと見て分かりやすいマニュアルでないと、結局つきっきりで指導するようになってしまうため、マニュアルとしての役割がなされていないことになってしまいます。

ポイント2:考え方と行動を分ける

マニュアルに記載する内容には、行動指針やスタンスなどの「考え方」と実際の作業手順である「行動」の二つを書くようにしていきます。

「行動」と「考え方」は分けて書いたほうが、読み手にとってはシンプルで分かりやすいものだからです。

ただ、「考え方」を書くときには注意が必要で、作成者が想定した考え方と、実際にマニュアルを読んだ人の理解が違ってしまう場合も考えられます。

そうなると、読んだ人が適切な行動を取れなくなってしまう懸念もあるため、マニュアルにはできるだけ、考え方だけではなく具体的な行動を書くようにしましょう。

ポイント3:到達目標が明確になっている

到達すべき目標が明確になっていることも、大変重要であると言えます。

マニュアルを作成するにあたっては、まず該当する業務作業の全体像を明らかにし、目標を確認することから始まります。

会社はその業務作業によってどんなことを達成しようとしているのかが分かっていなくては、仕事の方向線が定まりません。

会社の目標が定まることで、会社と従業員全員が一致団結して理想とする状況を共有することができ、まとまった組織づくりが可能となります。

マニュアル作成の注意点

ここでは、マニュアル作成をする際の注意点について解説をしていきます。

これからマニュアル作成に取り組む方は、ぜひ参考にしてください。

マニュアルは改善し続ける

マニュアルは1回作成したら、それで終わりではありません。

現場は変わり続けるもので、商品・設備・機械・システム・法制度・担当者など、時代や環境の変化により、作業プロセスは変化をし続けます。

様々な変更に合わせて内容を改善していかないと、現場の状態に追いついていけなくなるでしょう。

実際に現場で使用できないようなマニュアルでは存在する意味がなく、業務マニュアルはあるけれども、誰も使ってないという状態になってしまいます。

マニュアルを活用する

マニュアルを作成したら、実際に使用することになる社員に見てもらうようにしてください。
マニュアルを読んでもらった後は、マニュアルに関する改善点などを聞くようにしましょう。読み手に伝わりやすいように作ったつもりでも、不明点や修正した方が良い点などが何かと出てくるものです。

実際に活用する人の「リアルな声」を反映させて、クオリティの高いマニュアル作成に尽力してください。

マニュアルが全てではない

マニュアルは、業務を効率的に進めていくために必要なものですが、依存し過ぎるのはあまりよくありません。

現場や仕事を取り巻く環境は、刻一刻と変化をしていきますから、その時々によって柔軟な対応も必要であるということを、マニュアル内に記載することも大切になります。

また、同じマニュアルを使用しているからといって、全ての人が同じレベルに到達するとは限りません。

全てをマニュアル化にしてしまうと、人を育てていくことが難しくなる一面もあるので、マニュアルだけに頼りすぎずに、自分の頭で考えることも必要であると言えるでしょう。

まとめ

今回は、マニュアル作成のコツについて詳しく解説をしました。

マニュアルを作成すると定型業務の場合、初心者や経験の浅い人でも仕事に取りかかりやすくなるのがメリットです。

指導担当者が、つきっきりで仕事を教えなくても、ある程度の水準の仕事ができるようになりますから、会社全体の生産性も上がります。

ただ、マニュアルは一定品質の業務達成が目的である、社員を育てようとするものではありません。そのため、マニュアルだけに頼り過ぎないで、柔軟な思考力で仕事に対応できる力を備えていくことも必要でしょう。

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この記事を書いた人

すべらないキャリア編集部


「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。

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