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論理的思考は大事だとわかっていても、抽象的なスキルであることからなかなか身に付けることが難しいですよね。
論理的思考は、メンバーと円滑にコミュニケーションを取ることや、相手に刺さる提案をすること、また日々の業務の生産性を上げることなど、仕事における様々な場面で活きるスキルです。
仕事力を上げる上で必ず持つべきスキルと言っても良いでしょう。
今回は、論理的思考を身に付ける具体的なポイントや論理的思考ができない人の特徴、また日常から実践できるトレーニングをご紹介します。
論理的思考とは?
論理的思考は、「必要な情報を整理する力」と「情報を繋げる力」の2つから成り立ちます。
情報が欠落しているとロジックが成り立たず、たとえ情報が揃っていたとしても、それらを繋げて伝えないと相手に伝わりません。
話をロジカルに組み立て、相手が違和感なくスッと理解できれば、論理的思考力があると言えます。
論理的思考を身に付ける2つのポイント
論理的思考を身に付けるには、2つのポイントを押さえることが大切です。
- 前提条件をつける(縦の論理)
- MECEを意識する(横の論理)
以下で、それぞれ詳しく解説していきます。
ポイント1:前提条件をつける(縦の論理)
論理的思考を身に付けるためには、結論に至るまでの前提条件が揃っているかを常に考えることが大切です。
なぜその結論に至ったのかという根拠がなければ、論理が成り立ちません。この「情報を繋げる力」を縦の論理と呼びます。
縦の論理が揃っていないと、話が飛んでしまい、ロジックが相手に伝わりません。
例えば、「A=B」、「B=C」という2つの前提条件があれば、「A=C」も正しいと言えます。
しかし、前提条件を飛ばして「A=C」をいきなり主張しても、縦の論理が飛躍しており、聞き手は納得ができないですよね。
この縦の論理の飛躍は仕事上でのコミュニケーションで頻繁に発生します。
上司に相談する時や部下に指示を出す時、「言わなくても相手はわかってくれるだろう」とついつい説明不足になりがちです。
口頭では違和感を感じた時に質問できますが、チャットやメールであればなおさら誤解を生みやすいでしょう。
口頭でも文面でも、相手に何かを伝えるときは縦の論理を意識することが大切です。
ポイント2:MECEを意識する(横の論理)
論理的思考を身に付けるための2つ目のポイントは、伝える情報に過不足がないこと、また相手と同じ視点で言葉選びをすることです。
特に情報の過不足がないことは横の論理、またはMECE(漏れもダブりもない状態)と呼ばれ、論理的思考を持つために必ず意識しましょう。
例えば営業先でサービスの提案をする時に、横の論理が成り立っていないと「課題Aが解決されることはわかったが、課題Bはどうなのか?」と突っ込まれてしまうでしょう。
相手の求める答えをMECEで出さなければ、「それだけ?」「〇〇についてはどうなの?」という違和感を持たれてしまうのです。
また、横の論理を通すには相手と視点を合わせることも大切です。
例えば好きな食べ物は何かという質問に対して、「にんじんと牛肉」と答えるのと「ピザとハンバーガー」と答えるのでは、回答の切り口がちょっと違いますよね。
情報を揃えるだけでなく、相手と同じ粒度や視点で話すことも意識しましょう。
論理的思考を身に付けるべき4つの理由
論理的思考を身に付けるとどのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは論理的思考が仕事に活きる4つの理由をご紹介します。
提案力が上がる
論理的思考を身に付けると、提案力が上がります。
これは論理的思考を身に付けたい理由の中で最も多いのではないでしょうか。
提案を通すためには相手を納得させる必要があり、相手を納得させるには必ず論理的思考で話す必要があります。
サービスの質や相手の課題感だけではなく、いかにロジックを通して説得できるかが、提案が通るか通らないかの決め手となります。
これはクライアントに対してはもちろん、社内で自分の意見を発信する時も同様です。
ロジカルに説明ができると自分の提案が通りやすく、より自分が仕事がしやすい環境を作ることができるでしょう。
問題解決能力が上がる
論理的思考が身に付くと、課題に対して論理的にアプローチできるため、問題解決能力が上がります。
なぜその問題が起こるのかを整理し、問題解決のために必要な情報を集め、正しいアクションを取ることができるからです。
特に問題解決において重要となるのが現状を正しく理解することです。
論理的思考を身に付けると事実を整理する力がつくため、自然と現状把握もできるようになります。
仕事では想定外のことが頻繁に起こり、常に問題解決能力が求められます。
問題が起こった時の対処方法で、仕事の評価も大きく変わるでしょう。
コミュニケーション能力が上がる
仕事におけるコミュニケーション能力が上がることも、論理的思考を身に付ける大きなメリットです。
口頭での指示や確認、チャットやメールでの情報共有など、仕事はコミュニケーションによって成り立っています。
そのため、ロジカルなコミュニケーションができないと、仕事に大きな支障をきたします。
例えばチャットのメッセージ一つにしても、前提条件が抜けていたり必要な情報が揃っていないと相手に伝わらず、時に相手を困惑させてしまうこともあるでしょう。
仕事を円滑に進めるために、そして相手に「仕事がしやすい人」と思ってもらうために、論理的思考は必要不可欠です。
仕事の生産性が上がる
論理的思考が身に付くと、仕事の生産性を上げることもできるでしょう。
論理的思考によって優先順位をつけてタスク管理をすることができるようになるからです。
例えば、積み上げ思考の人はとにかく目の前のタスクを終わらせようと考えてしまいますが、ゴールから逆算できる人は全体を俯瞰した上で今やるべきことを選択することができます。
生産性を上げるためには、タスクを整理することはもちろん、自分や事業の状況を把握し優先順位をつける必要があります。
論理的思考を身に付けることにより優先順位を正しくつける能力が上がるため、仕事の効率向上も期待できます。
論理的思考ができない人の特徴
論理的思考が身に付いていない人はどのような特徴があるのでしょうか?ここでは論理的思考ができない人の特徴を3つご紹介します。
文章や話が長い
論理的思考が身に付いていない人は、話が長かったり、冗長な文章を書きがちです。
それは、論理的思考力の一つである「情報の取捨選択」をしないからです。
余計な情報が多すぎると肝心の伝えたい情報が埋もれてしまい、上手く情報が伝わりません。
また、伝えたいことが整理できていないと、情報が行ったり来たりして話が長くなりがちです。根拠と結論を整理して話せば、自然と話も簡潔になります。
議論が飛び飛びになる
論理的思考ができない人は、話が脱線して議論の論点が飛び飛びになりがちです。
論点がずれてしまっては相手を説得することはできません。
論理的に話すためには、相手と視点を合わせ、今議論すべきことを俯瞰して理解する必要があります。
「今、何が論点なのか」を常に考えるようにしましょう。
ゴールから逆算ができない
論理的思考ができないと積み上げ思考になり、結論から話すということができません。
積み上げ思考とは、ゴールを決めないまま話しはじめ、ロジックを積み上げていくことです。
積み上げ思考が悪いわけではありませんが、仕事においては結論から話す方が相手に伝わりやすく、話も簡潔になるのでおすすめです。
また、結論から話した方が話が脱線せず、より正確な情報を相手に伝えることができます。
論理的思考を身に付ける日常トレーニング
論理的思考が何なのかわかっても、具体的にどうやって身に付けたら良いのかわからないですよね。
ここでは日常からできる論理的思考を身に付けるためのトレーニングを3つご紹介します。
1. 事実をもとに話す
最も簡単にできる論理的思考トレーニングは、事実をもとに話すことを意識することです。
主観や予想ではなく事実だけを話すことで、自分の論理を組み立てるために必要な情報を収集する癖が付きます。
論理的思考を身に付ける第一歩は、必要な情報を整理し、無駄な情報は削ぎ落とすことです。
事実をもとに話すだけで余計な情報が削ぎ落とされ、説得力のある話ができるようになりますよ。
2. 結論から話す
結論から話すことを意識することで、論理的思考を身に付けることができます。
結論から話すことで、話す前から話の結論や全体像を考える必要があるため、自然と話の構成を考えるようになるからです。
話が脱線してしまう人や、どうしても文章が長くなってしまう人は、結論から述べるだけで話が一気に論理的になりますよ。
3. 意識的に例え話を使う
例え話を使うことも、論理的思考のトレーニングになります。
自分が説明していることを他の言葉に言い換えると、自然と相手に伝える内容を客観的に捉えるようになるからです。
また、例えることは相手がよりわかりやすい表現に言い換えることなので、相手が理解できる言語で話すことにも繋がり、常に相手の視点に合わせて話せるトレーニングにもなります。
論理的思考が身に付くおすすめの本
論理的思考を身に付けるためのおすすめの本2冊をご紹介します。論理的思考を仕事や日常生活に活かしたいという方はぜひ参考にしてみてください。
ロジカル・プレゼンテーション(高田貴久 著)
論理的思考を身に付けたいのであればロジカル・プレゼンテーションがおすすめです。
本記事の縦・横の理論についてはこの本を参考にしており、より詳しい解説も読めますよ。
この本は戦略コンサルタントの提案技術がテーマとなっており、論理思考力だけでなく仮説検証力や資料作成力についても書かれています。
営業職やコンサルタント職はもちろん、普段の会話に役立てたいという方にも参考にできる内容です。
ロジカル・シンキング練習帳 (グロービス 著)
ロジカル・シンキング練習帳はビジネスマンとして持っておきべきロジカル・シンキングについて書かれた本です。
話がずれてしまう、思うように話が伝わらないという人におすすめの本です。
理論ではなく、ドリルを使った実践法について書かれているので、難しいロジック理論が苦手という人におすすめですよ。
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この記事を書いた人
すべらないキャリア編集部
「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。