事業計画書の作成は怖くない!書き方のコツや必須項目を紹介!

  • 2020.09.30

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新しい事業をおこなうには事業計画書の作成が必要です。

しかし、いざ作成する立場になるとどのように書けばいいのかわからない人は多いのではないでしょうか。

この記事では事業計画書を作成するために、押さえなければならないポイントや作成手順、必須項目などを解説します。

事業計画書の3つの目的

まず、事業計画書を作成する目的ですが、大きく分けて以下3点の目的があります。

それぞれについて詳しく解説していきます。

自身の思考や行動の可視化のため

事業計画書に落とし込むことで自分の考えているアイディアを整理することができ、グラフや図にすれば更に理解できます。

また、実際にドキュメントに落とし込むことで、このアイディアは現実的に利益になるのか冷静な目線で自分の考えを俯瞰することが可能です。

加えて、売上数字のイメージや、具体的にすべきことを認識できますし、そこから更なる新しいアイディアを生み出すこともできます。

事業計画書は、計画を形にして、自分で「この事業を成功できるのか」確認する意味でとても重要なのです。

関係者と方向性を共有をするため

一人で事業を始めるならまだしも、会社で複数の社員とともに事業を進めていく場合、どんな事業を始めるのか共有しておく必要があります。

小規模の会社の場合、社長一人の頭の中にあるだけでも事業は展開できますが、部下と事業計画を共有しておけば、更に事業をうまく運ぶことも可能です。

また会社の規模が大きくなれば、資料としてステークホルダーに事業計画を共有しやすくなり、社員全員が同じ方向を向いてビジネスを進めることができます。

資金調達のため

事業計画書を作成する一番の理由は資金調達のためです。

お金を集めるためには、銀行などの金融機関からお金を借りる(融資)か、ベンチャーキャピタルなどの投資家に対し投資を依頼するかのどちらかになります。

金融機関や投資家からお金を集めるためには、自分たちの考えたビジネスモデルで利益を生み出し、銀行、投資家にも利益を提供できると証明しないといけません。

その証明になるものが事業計画書です。

裏を返せば、金融機関や投資家が事業計画書を見てお金を出したいと思わせないと、事業計画書は絵に書いた餅になります。

事業計画書の作成の前にやるべき3つのこと

ここからは事業計画書の作成にあたってどんな準備をしなければならないのかご紹介します。

大きく分けて以下3点の準備が必要です。

それぞれについて詳しく解説していきます。

データの収集と分析

事業計画書では計画した事業が成功するかを証明することが大事です。

そのためには、その事業成功を証明するためのリサーチが必要となります。 主に必要なデータは以下の通りです。

    • 市場規模
    • 競合
    • ターゲット
    • エリア
    • 季節的要因
    • 将来性や成長性
    • 自社の強み、弱み
    • ニーズ

成功が証明できるように客観的データを集めて分析することで、どうすればこの事業がうまくいくのか仮説を構築することができます。

売れる根拠となる客観的データとロジック(論理)は事業計画書の核となる部分なので、データの収集と分析は徹底的におこないましょう。

必要な資金の計算

事業計画書には事業計画を可視化する、従業員に周知・共有する目的がありますが、一番は事業のために必要なお金を集めることです。

そのために、今自分たちにどれくらいのお金があり、事業を始めるにあたって必要なコストはいくらなのかを明示することが必要です。

ただ、そのコストはどんぶり勘定でいくら必要か書いてもお金を出す側は納得しないので、算出法には客観性と算出ロジックの正確性が問われます。

返済計画をたてる

当然ですが金融機関や投資家は融資したり、投資したお金が利益を生み出せない、回収できないことを嫌います。

返済の滞納、資金のショートによる追加融資となってしまったら金融機関からの信用はなくなり、投資家からの投資もしてもらえなくなります。

その事態を防ぐため、年間・月間の売上・利益、返済に回せる金額が書かれている現実的な返済計画を立てる必要があります。

「利益」と「損失」という観点において、金融機関や投資家に理解を得られるような無理のない返済計画を立てましょう。

事業計画書の作成の5つのポイント

事業計画書はポイントさえ押さえておけば内容を充実させることができます。

以下、重要なポイント5点です。

それぞれについて詳しく解説していきます。

わかりやすい内容に

事業計画書は経営者のみならず、社内で共有することもありますし、金融機関や投資家が融資・投資をするための材料になります。

そのため、誰が見ても分かりやすい、見やすく仕上がっているのが大前提です。自分が理解できればいいといった自己満足なものにならないようにしましょう。

売上や収益の根拠を明確に

売上、利益を担保するためには客観的な「売上・利益の根拠」、「具体的な数値」がセットになっている必要があります。

客観的なデータをそろえたうえで、具体的な売上、利益の予測数値とそのロジック(論理)を明確にし、金融機関や投資家に納得してもらえるものにしましょう。

仮説を立て検証する

現実的な売上・利益の予測数値を出すためにファクト調査とテストをおこないましょう。

ファクト調査とテストについては以下で詳しく説明していきます。

ファクト調査

ファクト調査とは新規事業の「競合他社」「市場規模」「顧客層」など同じような市場規模や競合企業の売上状況を集め、自分たちの成功する確率が高い根拠を集めることです。

テスト

テストとは、ファクト調査で判明した事実をもとに、テスト販売やアンケート調査で顧客の意見を取り、事業計画、売上・利益予測の正当性を検証する作業です。

テストしたあとに顧客の反応も加味して、事業計画や売上・利益予測を作成すれば、現場の声も反映されているため、金融機関、投資家からの理解を得られやすくなります。

顧客の声をしっかり反映させることも事業計画書を作成するうえでの重要なポイントです。

想定されるリスクの対策を練る

事業が計画通りになることはあまりありません。金融機関や投資家はそのことを分かっています。

そのため、リスク管理ができている、リスクが十分に洗い出されている、具体的な対処法が考えられているかも金融機関や投資家から理解を得るための必要条件です。

また、予めリスクの洗い出しと対抗策が練られていると、自社の事業運営でもピンチのときに冷静に対処することができます。

融資・投資を受けるためにも、自社の事業をうまくいかせるためにもリスク管理をしっかりすることは重要なポイントです。

スケジュールは明確に

いつから事業をスタートできるかが重要なため、事業計画書には事業開始までのスケジュールの記載が必要です。

事業が早くスタートできないと、お金が入ってこない時期がそれだけ増えることになります。

融資・投資から事業のスタートまでどれくらいの期間が空くのかは、金融機関や投資家にとってお金の回収という観点で重要な情報なのです。

そのため、事業スタートまでに必要なタスクをしっかり洗い出し、金融機関や投資家から納得してもらえるような現実的なスケジュールを組み、記載しましょう。

事業計画書の8つ必須項目

最後に、事業計画書の8つの必須項目についてもご紹介していきます。

それぞれについて詳しく解説していきます。

事業内容

顧客ターゲットは、金融機関、投資家等に対してどんな商品・サービスなのか、またどのように提供していくのか事業の概要を短時間で理解してもらうための項目です。

長文で書く必要はなく、数行にまとめて記載しましょう。

事業の概要は事業計画書の冒頭に記載する内容ですが、全体の総括のような性質もありますので、事業計画書を一通り作成した後、最後に作成するのがオススメです。

会社と創業者の概要

どのような会社・経営者がこの事業をおこなうのか知ってもらうため、会社の代表者や会社について所在地、連絡先等も含めこの項目に掲載します。

この項目は会社のことを知ってもらい、自社に興味を持ってもらうための項目なので、会社としての理念やメッセージを掲載しておくと良いです。

自社の商品、サービスの内容、特徴、強み

自社の商品・サービスやその性質、良さを認識してもらう項目です。

また、誰のどういうニーズに合致しているのか、他社の製品サービスと何が異なるのか記載し、金融機関や投資家が投資したくなる内容に仕上げましょう。

マーケット、競合の分析

サービスや製品が売れる客観的な情報として、現在と将来の市場、競合他社の状況など外的要因を分析し、新規で競合他社と勝ち抜いていけることを明示する項目です。

モノやサービスがいいだけではなく、状況的にも売れることをここで証明してください。

販売やマーケティング戦略

どうやって売っていくのか販売戦略も事業を評価するうえで重要になるため、販売ルートの構築方法やどのようにPRしていくか具体策も記載します。

販売方法についてBtoCのビジネスであれば店舗orインターネット、BtoBであれば代理店を通す、通さないというところが核となります。

PR方法についてはその販売方法に対して、PRのやり方に妥当性があるのかという視点で内容を吟味しましょう。

自社にしっかり販売するためのノウハウがあることをこの項目では表現してください。

リスクと対策

事業をスタート、運営するうえで計画通りになることは少なく、リスクの洗い出しと対応策が洗い出されているかが重要となります。

技術面、人材面、自然災害、資金調達・資金繰り、SNS等からの風評など想定できるリスクをすべて洗い出し、そのリスクへの対策が網羅されていることが求められます。

つまり、銀行や投資家にちゃんと悪い時の想定と対応策はできていると示し、自社でちゃんと事業リスクを把握するための項目になります。

組織、人員計画

事業を運営するには、従業員が必要です。

人員、組織構成と役割分担、意思決定のラインを明確にし、事業運営が可能であること、スムーズに業務をおこなえる体制が整っていることをこの項目で明示します。

財務計画

財務計画はお金に関する情報を集約する項目です。

何にどれだけお金がかかるのか、得られる収支はどうなのか、融資に対する返済計画、投資に対する配当をどのようにおこなっていくか予測値を記載します。

楽観的な想定は不要です。もし、楽観的な想定をしたら銀行・投資家に迷惑を掛けますし、自社をも苦しめてしまいます。

客観的なデータ・分析をベースに保守的に計画を作るのが良く、一般的な想定と保守的な想定を両方作成しておくのもオススメです。

まとめ

事業計画書の作成は正直大変な作業です。

しかし、事業計画書のフォーマットなどはインターネットで簡単に入手可能ですし、ポイントさえ押さえれば作成そのものは難しくありません。

ちゃんと準備をすれば完成度も高くなるので、臆せずチャレンジしてみてください

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この記事を書いた人

すべらないキャリア編集部


「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。

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