目次
テレワークで仕事をしている人の多くは、集中できない悩みを抱えているのではないでしょうか。
仕事に集中するためには仕事環境を整えるのが重要なのです。
集中力を高めるための仕事スペースの作り方と集中力を維持するコツを解説します。
仕事を効率的に進めるために集中力が大事
集中力は、業務のミスを少なくし、短時間で仕事を進めることができるため、仕事を効率的に進めるためには、集中力を維持することが大切となります。しかし、その集中力を維持することが困難なのです。
その理由は、人間の脳の働きにあります。
人間の集中力は90分しか持たず、継続的に維持することが難しいのです。
人間は、意識していなくても本能的に危険を避けようと脳が働くため、注意散漫な状態が正常な状態となります。
集中力を維持するには、注意散漫な正常な状態とは真逆の状態にする必要があるため、維持が難しいのです。
しかし、集中力を維持することも不可能ではありません。人間の注意散漫な状態は脳の「帯状回」によってコントロールされています。
つまり、この「帯状回」を刺激しないようにすることで、集中力を維持し高めることが可能なのです。
そのためには、「緊張状態」を作らないことが重要です。
仕事に集中できない要因とは?
仕事に集中できない状態である要因は、脳の「帯状回」に刺激を与え、注意散漫な状態を作り出していることが挙げられます。
実際に、集中できなくする要因について解説いたします。
要因1|環境
集中力を妨げる大きな1つの原因に仕事環境があります。
自分が仕事しているデスクの周り、室内温度、作業スペースなどの設備環境が集中力維持とモチベーションに大きく影響を及ぼします。
人は視界にものがあると、そちらに意識がいきやすくなるため、意識散漫な状態になります。
例えば、作業デスクに書類が置いてあることで、書類の内容に気が行ってしまう、趣味のグッズなど興味が傾きやすいものが視界にあれば、尚更、集中力の維持が難しくなります。
集中力を維持させるためには、デスクや作業スペースの整理整頓を行うこと、不要なものを周りに置かないことが重要なのです。
また、室内温度も集中力を妨げる大きな要因となります。
誰でも経験があると思いますが、室内温度が心地よい状態であると、眠気を誘発するため集中力が途絶える傾向になります。
また、人間の体温は、消化や精神疲労などにより、体温が変化しています。
そのため、時間帯によって眠気が誘発されたりするのです。
眠気を防ぐために、室内温度を下げ過ぎてしまうと、体温をコントロールする視床下部が上手く機能しなくなり、返って集中力を落としてしまいます。
参照https://www.jstage.jst.go.jp/article/aije/79/695/79_19/_pdf
要因2|意識分散
集中力を妨げる1つの原因が意識の分散があります。
この意識の分散は、テレワークなどオフィス以外での場所で仕事をする場合に発生しやすい原因なのです。
意識分散の主なシチュエーションをあげると、人の関与が挙げられます。
例えば、人と近いスペースで仕事をすることで、人の動きが無意識に気になってしまいます。
さらに、作業途中で人に話しかけられることで、集中していた作業を中断しなくてはならなくなるため、集中力を途絶えさせる要因となります。
また、テレワークで多い意識散漫の原因が生活環境の騒音があります。
テレワークでは、家庭内で仕事をするため、来客や電話音、テレビ音などの生活環境の騒音と隣り合わせになります。
こうした環境では、騒音の方に意識が向きやすくなるため、集中力の維持が難しくなるのです。
要因3|体調
集中力を妨げる1つの要因が睡眠不足や疲労があります。
睡眠不足や疲労蓄積は、集中力低下以外の要因も引き起こしてしまう恐れがあります。
仕事を頑張りすぎる、夜更かしをするなどで睡眠不足になると、集中力が低下する他、認知機能が鈍り、物事を記憶すること、思い出すことが困難になる状態になります。
そのため、睡眠不足の状態で仕事をするとは、非効率になるのです。
また、疲労蓄積にも集中力低下の要因があります。
仕事はほぼPC画面を見ている状態になります。長時間画面を見ていることは眼精疲労の原因となります。
さらに、仕事を同じ姿勢のまま長時間行なっていると心身も疲労していくのです。
このような疲労蓄積は、集中力を低下させるだけでなく、反射神経を鈍らせることになるため、操作ミスやヒューマンエラーの原因にもなるのです。
仕事の集中力を高める環境の作り方
仕事の集中力を高めるためには、仕事スペースの環境が重要であることがわかりました。
では、集中力を維持するための理想的な環境とはどのような環境なのでしょうか。
オフィスワークだけでなく、自宅でのテレワークでも活用できるため、実践してみましょう。
その1|整理整頓をする
仕事スペースや机周りの整理整頓することが集中力をUPさせることに繋がります。
注意散漫になる原因でもご紹介したように、人間の脳は目に映った情報を無意識に処理していき、専念するべき対象以外の要素を排除しようと働きます。
そのため、視覚的要素が多くなることで、脳が情報を処理しきれなくなり、集中力が欠如してしまうのです。
視覚的要素を取り去るためにも、余計な物を周りに置かず、スッキリした空間で作業することが集中力UPに繋がるため、整理整頓が必要なのです。
しかし、机周りや作業スペースに何も無くなってしまうと返って脳への刺激が少なくなりすぎてしまい、脳の情報処理能力が正常に機能できなくなってしまうため、筆記用具やノート、資料など必要最低限のものは置いておくようにしましょう。
その2|適切なレイアウト
仕事をするスペースの整理整頓も大切ですが、集中力が維持できるレイアウトにすることも重要です。
仕事スペースは静かで狭い空間で集中したい人も中にはいるのではないでしょうか。
このように自分が安心できる場所で仕事することは集中力にも影響を与えます。
ただし、自分の目の前を壁にしないようにしましょう。人間は目の前に壁があると圧迫感を感じてしまい、それが集中力の低下に繋がってしまいます。
壁から少し離すなど、圧迫感を感じないレイアウトにすることも集中力を維持するためには重要なのです。
また、窓のある場所に仕事場所を設けると開放感ができ、自然の光が入ってくるので集中力が高まります。
利き手と反対側に窓がある場所に位置するとより効果的に集中力のUPが期待できます。
その3|机と椅子の高さ
仕事を行う机と椅子の高さも集中力に大きく影響を与えます。
集中力が維持できやすい机の高さは、デスクに手を置いた時、肘が90度になる高さが理想的だとされています。
もし、机の高さがあっていなければ、椅子にクッションを敷くなどして調整するようにしましょう。
さらに、椅子の背もたれを90度から気持ち後ろに傾いた100度〜110度に角度にしておくと、集中力UPが期待できる姿勢を維持することができます。
心地よい姿勢で仕事することも緊張がなく集中力を維持しやすいですが、仕事に負担のかかりにくい姿勢も集中力UPには効果的なのです。
その4|適度な雑音
仕事を集中力を維持するためには、無音よりも実は、適度な雑音がした環境の方が集中力UPに繋がるのです。
実際に、図書館の静けさ(50デシベル程度)よりも、適度な雑音(70デシベル程度)の環境にいた方が集中力が上がり、生産性も上がるという研究結果ができています。
意識が向かない程度の音、つまりはっきり聞き取れない程度の話し声が丁度いいとされているのです。
そのため、ラジオ音の声が聞こえない程度に流すと集中力維持に効果的だとされています。
また、小川のせせらぎや鳥のさえずりなどの自然の音、電車や車の音、鳥のさえずり、雨音など日常の音、クラシック音楽のような「f分の1ゆらぎ」の音があるとより集中力UPが期待できるとされています。
その5|適度な照明
作業場を照らす照明も集中力に作用する要素の1つ。照明に配慮することで集中力が上がるだけでなく、目の疲れを緩和してくれる効果もあります。
集中力が維持される明るさは昼光色(6,200ケルビン)が良いとされています。
わかりやすく言うと、青白く涼しげな光の明るさが昼光色に該当します。
しかし、ただ昼光色の明るさをつければ良いと言うわけではありません。
明るさにムラがあると目が疲れやすくなり集中力にも影響するのです。そのため、明るさにムラがなく、均斉度が高い照明を選び使うようにしましょう。
また、長時間仕事を行う際は、デスクにある照明と一緒に部屋の照明もつけるようにします。
デスクの明るさ3:部屋の明るさ1が理想的で、集中力がUPするだけでなく、眼精疲労軽減を助ける効果もあります。
その6|室内温度は少し低め
室内温度は高すぎると眠気を誘発してしまい、低すぎると視床下部が上手く機能できずに集中力が低下してしまいます。
そのため、仕事をするためには室内温度を適温に調整することが必要なのです。
集中力を高めるための適温とは、体感でほんの少しだけ低めの温度、おおよそ25℃程度が丁度良いとされています。
室内温度を適温に設定することで、集中力が上がるだけでなく、記憶力も向上するため、効率的に仕事を進めることができます。
また、室内温度の他、部屋の空気換気もこまめに行うようにしましょう。
空気を換気しない状況が続けば、室内に二酸化炭素が充満します。
この二酸化炭素が多いと、脳に酸素を送ることがしずらくなり、集中力低下に影響を及ぼすのです。集中力をより高めるためには、部屋の換気にも気を配るようにしましょう。
さらに仕事の集中力を高めるコツ
仕事環境を整えたると、仕事もしやすくなり、集中力も維持にも期待が持てます。
しかし、環境だけ変わっても、集中力はずっと維持できるわけではありません。
より集中力を維持するためには、メリハリと適度な休息が必要なのです。
その1|作業スペースと生活スペースを分ける
集中力はもともとずっと続くものではありません。
そのため、仕事に集中する時間とリラックスし休息する時間を分けることで、メリハリをつけ、仕事に集中しやすい環境を作ることが大切なのです。
そのためには、集中力を促進させる作業スペースと、リラックスできるスペースは分けると良いでしょう。
オフィスに業務スペースと休憩スペースがあるように、スペースを分けることで、自然とメリハリをつけることができます。
しかし、問題はテレワークです。
生活スペースで仕事をするテレワークでは、仕事と休憩のメリハリがつけにくくなり、それが集中力が続かない原因になっています。
そのため、テレワークでは仕事をするスペースを作り、生活スペースと分けるように心がけると、自然と集中力も向上するようになります。
その2|適度な休息をとる
休息は頭を切り替えるためにも大切な時間であり、集中力を維持するためにも休息は欠かせません。
集中力を維持していくためには、休息のタイミングが重要です。
休息は、集中力が切れた時、または集中力が切れる時間帯に休憩をとると良いでしょう。
人間が1番気が散りやすい時間帯はお昼の12時から4時と言われており、集中力維持が難しいとされています。
そのため、その時間帯に合わせ休憩をとると、そのあとの作業も集中をすることができます。
また、実際に休憩をとる場合は、仕事スペースから離れた、気が散らない場所、自分がリラックスできる場所で過ごすとより効果的です。
その3|ガムを噛む
ガムを噛むと集中できるという話を聞いたことはありますか?
ガムを噛むと、注意力を司る脳の領域の酸素の流れが良くなり、集中力が上がることが研究でも証明されています。
さらに、脳エネルギーを高め、記憶力の向上を助ける効果もあるのです。
しかし、ガムを噛むという行為はオフィスではなかなかできないため、人と接する時間が限られているテレワークで取り入れやすい方法といえます。
テレワークで集中力を高めたいと思ったら試してみましょう、また、ガムが苦手な人は、420kcal摂取できるスナック菓子でも同様の効果を得ることができます。
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この記事を書いた人
すべらないキャリア編集部
「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。