グロースハックの4つの役割!グロースハックの始め方を徹底解説

  • 2020.11.21

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マーケティング業界、Web・IT業界でも注目を集める「グロースハック」。

TwitterやFacebook、DropBoxといった有名企業が取り入れ大きな成果を出したことでも有名です。

この記事では、グロースハックの意味や従来のマーケティングとの違いをお伝えつつ、成功事例や具体的な始め方まで詳しく解説します。

グロースハックとは

グロースハック(Growth Hack)とは、「成長、発育」を表すGrowthと、「切り開く、たたき割る」といった意味を持つHackを組み合わせた造語で、商品サービス・事業そのものの成長を促進するといったポジティブな意味を持ちます。

DropBox社でマーケティングを担当し、現在はQualaroo社のCEOを務めるショーン・エリス氏により名づけられました。

グロースハックは、市場ニーズや製品価値を把握するための分析・改善を継続しておこない、商品サービスを継続的かつ高速に成長させる、といったマーケティングの考え方です。

また、各部門と協力しながら力強く成長を後押できる人(グロースハックできる人)を、「グロースハッカー」と呼びます。

グロースハックとマーケティングの違い

従来のマーケティング手法や思想との大きな違いは、グロースハックは商品サービスが拡散・成長することに重きを置いている点です。

従来のマーケティングでは、A/BテストやSEO実行、広告出稿などをメインにユーザの関心・アクセスを集め、商品サービスを売る仕組み作りが中心でした。

対してグロースハックは従来の手法に加えて、ユーザが商品サービスを利用し価値を感じ拡散・成長させることを重視します。

具体例でいうと、SNSでのシェアや友人知人への紹介などの仕組みを取り入れ、サービスの成長拡散をおこないます。

また、マーケティング・プロダクトといった枠を超えた組織横断型チームであること、アイデアを迅速に生成・検証するため「UI/UXデザイン」や「プログラミング」といったエンジニア的な側面がある点も相違点としてあげられます。

グロースハックの成功事例

グロースハックの成功事例として、DropBox、Airbnbの事例を紹介します。

DropBoxはオンラインストレージサービスをおこなう企業です。

新規ユーザ獲得のために既存ユーザからの紹介制(インセンティブ)を導入し、登録ユーザを大幅に増加させることに成功しました。

この施策により、DropBoxは広告費等は使わずとも、ユーザ数を1.6倍にしたとされています。

Airbnbは、世界中の宿泊施設・民宿を掲載、検索、予約できるオンラインサービスで、「民泊」の火付け役となったサービスです。

Airbnbも友人紹介によりユーザ数を順調に増やしたサービスの一つですが、競合サービスであるCraigslistという地域情報コミュニティサイトを活用した点で知られています。

Airbnbの投稿と同時にCraigslistに自動投稿できる機能を付加することで、Craigslistの利用ユーザを獲得しました。

グロースハックを成功させるためのポイント

ここからはグロースハックを成功させるために気を付けたいポイントを3点紹介します。

1. 求められるサービス・商品にする

グロースハックは、市場やユーザの声を元に商品・サービスを作り替えていくというのが大前提です。

従来のマーケティングが完成されたプロダクトをいかに売るかを意識しているのに対し、グロースハックでは徹底的なデータ分析を元にプロダクトの細かな仕様変更や機能追加、デザイン変更といった改善を実施することが大切です。

2. PDCAサイクルを繰り返し実践する

一度商品サービスを改善して終了とするのではなく、細かな変更を続けることもグロースハックにおいて重要なポイントです。

改善を続ける中で、効果を測定し、次に商品サービスを成長させる施策を考え、また改善するといったPDCAサイクルを短いスパンで回します。

3. データ分析を適切に実施する

グロースハック成功にはデータ分析が欠かせません。

改善の元となる市場やユーザの声を重視し、データによる仮説検証や改善を行います。例えばUI/UXデザインを変更した後にユーザーの反応を見たり、ユーザのつまずくポイントをログデータから収集したりといった具合です。

従来の経験や勘に頼ったマーケティングアプローチではなく、客観的な情報に基づく改善活動を行うことが重要です。

グロースハックの基本的な流れ

グロースハックを導入する際の基本的な進め方を紹介します。

ターゲットの設定

まずはグロースハックの対象となる商品サービスの仕様、価値(バリュー)、ターゲットを理解することから始めます。

その上で、どんな事が課題にあるのか、どんなことを改善したいのかを明確化しチーム内で共有することが重要です。

ターゲット設定には、ペルソナやカスタマージャーニーマップなどの手法を取り入れると良いでしょう。

目標設定

設定した目的やターゲットに対して、目標となる以下項目を設定しましょう。

    • KGI(Key Goal Indicator / 重要目標達成指標)
    • KPI(Key Performance Indicator/重要業績指標)

KGIが目的を達成するための最終的な目標、KPIがKGIを達成するための中間目標です。

webサイト制作企業を例にすると、KGIが問い合わせやリード獲得件数、KPIが訪問者数、直帰率、およびKGIを獲得するためのコンテンツ数などを設定します。

分析、改善策の提示

具体的な目標に対して、現状分析と改善策の仮説提示をおこないます。

前述した通り、顧客データやログデータを元に客観的な数字を元に分析・改善策提示をすることが重要です。

くれぐれも、KKD(勘・経験・度胸)に頼ったアプローチをしないように注意しましょう。

評価と見直し

改善策を実行した後はデータを元に効果を測定し、あらかじめ設定した目標をどれくらい達成出来たのかを評価しましょう。

目標未達となってしまった場合は再度ターゲット設定から見直しをおこない、繰り返し改善をすることで商品サービス・事業の成長を後押しすることが出来ます。

グロースハックに役立つ手法と分析法

グロースハックを導入するのであれば知っておきたい、お役立ち手法や分析方法を紹介します。

AARRR

AARRRはグロースハックでよく用いられるフレームワークです。

以下5要素の頭文字をとった用語で、商品・サービスの各段階で改善点を洗い出し、グロースハックを実行します。

    • Acquisition:ユーザ獲得
    • Activation:ユーザの活性化
    • Retention:ユーザの利用継続
    • Revenue:収益化
    • Referral:外部への紹介

コホート分析

コホート分析は、ある属性や特性でユーザをグループ分けし、時間経過でどのような変化があるのかを分析します。

例えば、「商品を購入したユーザが○○日後にwebサイトを訪問する」といったユーザの行動を分析し、どんな条件が結果に結びつきやすいのかを把握することが出来ます。

ファネル分析

ファネル分析は、商品認知から購買に至るまでの各段階で、ユーザがどれほど離脱したのか、何が原因で離脱したのかを分析するための手法です。

各段階での問題・課題が明確になるので、より効果的な施策を打つことができるようになります。

グロースハッカーに求められる2つのスキル

グロースハッカーとして仕事をするにあたって、身に付けておきたいスキルを2つ紹介します。

まずは、マーケティングスキルです。グロースハックは従来のマーケティングを発展・拡大させた概念であり、基礎となるマーケティング知識は必須です。

また、グロースハックでは改善策を高速に継続して実行していくことが重要です。

そのためには、UI/UXデザインやコーディングなどの開発スキルや、データ分析に関する知識など、エンジニアスキルが求められています。

グロースハックを学べるおすすめ書籍2選

グロースハックについて理解するために読んでおきたい、おすすめ書籍を2つ紹介します。

Hacking Growth グロースハック完全読本

グロースハックの提唱者であるショーン・エリスと、Facebookでプロダクトマネジャーを務めるモーガン・ブラウンが書き下ろした、グロースハックの必須マニュアルとなる一冊です。

作者自らが数多くの企業で実践した成功事例を元に、基本から実践までを分かりやすく解説しています。

いちばんやさしいグロースハックの教本 人気講師が教える急成長マーケティング戦略

「グロースハックとは何か?」や「どのようにグロースハックを進めていけば良いか?」を分かりやすく噛み砕いた、教科書のような書籍です。

基本知識はもちろん、すぐに役立つ手法やフレームワークが具体的な例を出しながら解説されています。

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この記事を書いた人

すべらないキャリア編集部


「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。

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