目次
市場調査は、確度の高いマーケティング戦略を立てる際に重要となる要素の一つです。
しかし、市場調査の意味をなんとなく理解しているだけで、しっかりとした内容を把握できていない人が多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、経営者、マーケティング担当者の方に向け、下記を解説していきます。
- 市場調査の種類
- マーケティングリサーチとの違い
- 押さえてくべきポイントと注意点
市場調査の意味をしっかりと押さえ、効果的で確度の高いマーケティング戦略を立てていきましょう。
市場調査とは
市場調査とは、マーケティングの一環で、「競合他社」「顧客」などの動向を調査し、把握することです。
市場の動向を把握して新規参入のリスク回避や、市場内での平均価格や商品の売上規模などの具体的な数値データの把握を目的としています。
市場調査のメリット
市場調査を行うメリットは下記の通りです。
- 新規参入の可否が判断できる
- リスクを抑えて市場に参入できる
- マクロ的観点で市場の動向を把握できる
- 顧客に受け入れられやすい範囲を推定できる
例えば、自社で新しい製品やサービスを販売する場合、市場調査をおこなっていないと顧客から受け入れられず、会社に損害を与えてしまうリスクがあります。
また、市場調査により、参入後の売上や価格設定などの推定がしやすくなります。
そのため、市場調査は新規参入の場面において、欠かすことのできないマーケティングの一種だといえます。
市場調査とマーケティングリサーチ
市場調査に類似する用語に「マーケティングリサーチ」というものがあります。
以下では、マーケティングリサーチの詳細とその2つの違いについて解説していきます。
マーケティングリサーチとは
まず、マーケティングリサーチとは、主に下記の調査をおこなうことです。
- 顧客のニーズ
- 市場のトレンド
- 顧客の模範的な購買行動
上記の3点を調査することで、顧客のニーズに合った商品やサービスを提供しやすくなります。
つまりマーケティングリサーチは、自社のマーケティング課題に対して有効な意思決定をするための調査・分析のことです。
市場調査とマーケティングリサーチの違い
2つの違いは、市場調査が「市場・顧客の現状を把握するための調査」で、マーケティングリサーチは「市場・顧客において将来的に重要となる情報の調査」である点です。
市場調査は過去データの調査で、マーケティングリサーチは現状のデータを調査する点にも違いがあります。
同じ点としては、市場・顧客の動向を調査する点です。
市場調査の4つの方法
市場調査における、代表的な調査方法は下記の4つです。
以下では、それぞれの特徴について解説していきます。
定量調査
定量調査は、自社の見込み客や消費者に対して、対面・電話・郵送・Web等でインタビュー・アンケートを実施し、データを収集することです。
例えば、電話調査では、調査の対象者と直接電話しながら情報を得ていきます。
注意点として、郵送やFAXによるアンケートは、対象者に「面倒くさいな…」と思われる可能性が高いです。
ですから、手軽におこなえるWEB調査や、対象者に電話をとってもらうだけの電話調査をおこなうのが一般的となっています。
定性調査
定性調査とは、対象者の行動や発言を基に、数値では表すことのできない新たな意味を見出すための調査です。
例えば定性調査では、数値からは見えてこない顧客の本音、コアな顧客からの意見などを引き出することができます。
代表的な定量調査には「グループインタビュー」や、1対1でおこなわれる「ユーザーインタビュー」があります。
覆面調査
覆面調査とは、調査人としての身分を隠し、競合他者のサービス・商品などについて調べる調査です。
調査人は調査していることを公表しないため、「リアルな顧客目線で調査を行うことができる」メリットがあります。
また、チェーン展開している企業の上層部が、現場の状況を把握するためにおこなうこともあります。
統計データ調査
統計データ調査とは、国の機関(厚生労働省、経済産業省など)や大学など、ソースの質が高いデータを用い、自社のターゲットとなる属性・顧客に合わせた調査をおこなうことです。
例えば、厚生労働省は業界のシェアや売上規模などを公表しています。
国が公表しているデータは、信憑性が高く、豊富にデータを扱っているため、市場調査においても効果的に活用しやすくなっています。
市場調査の3つのポイント
市場調査を実施するにあたり、押さえておくべきポイントは下記の3点です。
以下、それぞれについて詳しく解説していきます。
仮説を立てて検証する
仮説を立てるにあたり、まずは具体的な目的をたてる必要があります。
目的とは、「新商品の売上○○円を達成するため」「現状の価格を上げて売上が下がらないかを調べるため」などです。
そして、調査の目的を明確にし、仮説を立てたら検証をおこなっていくのですが、一つ注意点があります。
それは、「市場調査は膨大なデータを扱うことが多く、調査が追いつかなくなるリスクがある」という点です。
このリスクに関しては、目的に沿って立てた仮説に対し、順に検証を重ねていくことで解決することが可能です。
各調査方法の良し悪しを把握する
先ほど紹介した「定量調査」「統計データ調査」など、各調査方法の良し悪しをしっかりと把握していくことも重要です。
各調査方法には、メリット・デメリットがあり、得られるデータも全く異なりますから、自社の商品・サービスに合った調査方法を選ぶようにしてください。
「新商品の売上○○を達成する」という目的であれば、見込み客の層を知るのに有効な「統計データ調査」や、既存ユーザーの本音が引き出せる「定性調査」が有効です。
調査の所要時間やコストを把握する
調査する上で、必要な時間やコストを把握しておくのも重要なポイントの一つです。
基本的には時間とお金をかければ質の高い調査結果を得ることができます。
ですが、使用できる時間やコストには限りがあるため、目的や調査期間をきっちりと設定することが大切です。
明確で適切な調査期間を設定するためにも、各調査方法についてはしっかりと把握しておきましょう。
まとめ
市場調査は、自社のマーケティング戦略にとって必要不可欠な要素です。
ですが、市場調査の調査方法は複数あり、目的により選択するべき調査方法は異なります。
そのため、まずは「市場調査の目的」「得たい調査結果」を明確にし、適切な調査方法を選択していくことが大切です。
コストや時間にも限りがありますから、設定した期間の中で効率よく進めていくようにしましょう。
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この記事を書いた人
すべらないキャリア編集部
「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。