RFM分析とは?RFM分析の目的やメリット、5つのステップを解説

  • 2020.11.01

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マーケティング戦略を立てる上で、顧客データの分析は欠かせません。

どの顧客が優良顧客なのかを見極めることが出来れば、顧客に合った効果的なマーケティング施策が可能です。

この記事では、顧客データの分析手法として代表的な「RFM分析」について、目的やメリットを解説するとともに、活用の手順や注意点を紹介します。

RFM分析とは

RFM分析とは、購入履歴や購買行動といった顧客データを分析し、優良顧客のセグメンテーションやランク付けを行う顧客分析手法の一つです。

1960年代のアメリカでカタログ販売やDMのレスポンス向上のために広まったとされ、古くから企業のマーケティング活動に利用されています。

以下の3要素が分析対象です。

    • Recency:最新購買日、いつ購入したのか、最近買ったか
    • Frequency:購買頻度、どのくらいの頻度で購入しているか
    • Monetary:購買金額、いくらくらい使っているか

それぞれの顧客データに重み付けを行い、合計値の高い顧客は「直近、何度も、多くの金額を使ってくれる」優良顧客として判断します。

次項以降で、目的や利用メリットを詳しく解説しますので、マーケティング担当者はぜひ参考にしてください。

RFM分析の目的

RFM分析を行う目的は、全ての顧客に対する単一アプローチではなく、顧客一人一人に合った効果的なマーケティング施策を行い、より細やかな販促活動を実施することです。

例えば、RFM分析によってセグメンテーションされた優良顧客に対しては、アップセルやクロスセルを積極的にすすめることで、より多くの商品を購入してもらえる可能性があります。

対して、直近の購買履歴もなく今後も来店がなさそうな顧客(休眠顧客)は、営業・宣伝の優先度を下げ、優良顧客のマーケティングに予算を集中させるといった、マーケティング戦略が考えられるでしょう。

RFM分析のメリット

RFMの分析のメリットは、以下2点です。

    • 顧客をランク付けし、セグメンテーション(グルーピング)できる
    • 各セグメンテーション(グループ)ごとに効果的な営業・宣伝アプローチができる

やみくもにマーケティングを行っても十分な効果が得られませんが、ターゲットとなる顧客層に対してピンポイントでマーケティングを行うことで、受注率や売り上げアップに繋がります。

またムダな販促費をかける必要がないので、コスト削減効果も期待出来ます。

RFM分析の3つの要素

RFM分析では3つの要素を組み合わせて顧客のグループ分けを行いますが、全ての要素を平等に扱うわけではありません。

どの要素を重視するのかは、業種業態、取り扱い商品・サービスなどによって左右されるので、次項以降で解説する各項目の意味なども参考に重みづけを検討してください。

Recency

最終購入日、最新購入日を表す指標です。取り扱う商品・サービスによって重みづけは異なりますが、一般的にはより直近に購入した顧客の方が優良顧客であると判断します。

最終購入日が「1週間以内」、「1ヶ月以内」「半年以内」といった期間で区切ってグループ分けを行います。
期間の設定基準は、業種業態・商品サービスの内容によって異なりますので、各期間に含まれる顧客数やどれくらいの期間を分析対象とするのかといった観点で決定します。

Frequency

購入頻度を表す指標です。購入回数が多いほど、来店数も多く売り上げチャンスがあるので「優良顧客」と判断します。

逆に、購買頻度が低い顧客は商品・サービスに何らかの不満があり足が遠のいている状態と考えられるため、原因分析や改善活動が有効といえるでしょう。

なお、購買頻度が低い顧客が極端に少ない場合、新顧客獲得が十分に出来ていないと判断できます。
事業継続のためには継続的に新規顧客を取り込むことが必要不可欠なので、営業・販促に力を入れるといった分析も可能です。

Monetary

累計購入金額を表す指標です。
購入金額が高ければ高いほど優良顧客と判断します。

他の指標と同じように過去データから購入金額を抽出し、合計額を求めることで算出します。

扱う商品・サービスの価格によっても異なりますが、「3万円以内」「3~5万円以内」「5万円以上」といったように、各購買額に含まれる顧客数などを考慮して、グループ分けを行います。

RFM分析の5つのステップ

RFM分析をどのように実施すれば良いのか、順を追って解説します。

ここでは、より分かりやすく解説するために5つのステップで紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1. 仮説を立てる

まずは、RFM分析をしたいと思うきっかけとなった課題や問題は何か、そして何が原因になっているのか仮説を立てましょう。

課題として取り上げるテーマの例は、以下があります。

    • ロイヤル顧客(優良顧客)の売り上げアップ
    • 休眠顧客の復活
    • 休眠、離脱の阻止

各課題とどう分析するのかを明確すると、RFM分析を用いることが適切かどうかが分かります。

この時点で、デシル分析やその他分析手法の方が有効であると判断した場合は、分析手法を切り替えましょう。

2. データの定義

解決したい課題・問題や、その原因に対して仮説が立てられれば、検証にどのような顧客データが必要となるのかを決定しましょう。

例えば、直近の解約率悪化を改善したいのであれば、過去の顧客データは使わず、直近のデータだけを集めれば分析できます。

ただし、ムダなデータが多くなるほど分析精度が下がりますので、明確にした課題・問題に必要な顧客データに絞って利用することが大切です。

3. データの抽出

どのようなデータを収集するのが決まれば、必要なデータを自社システムから抽出しましょう。

データの収集元は、POSレジデータや購買管理システムなどです。

注意点としては、実店舗とオンライン店舗がある場合は、両者を忘れずにデータ抽出すること、セールやお得意様キャンペーンなど通常価格と割引価格が混在している点に留意することなどがあります。

RFM分析で使用する各データの他に、購買商品・サービスの内容、年齢、性別などの顧客属性などを合わせて抽出すると、RFM分析の結果を更に詳細に分析したい場合に役立ちます。

4. 数字の集計

顧客データの収集が完了次第、データ集計を行います。

データ量が少なければエクセルやスプレッドシートでの分析も可能ですが、大量データを分析したい場合はデータベースソフトを利用したり、専用の分析ツールを利用しましょう。

5. 意思決定

データ集計後は、はじめに明確化した課題・問題や原因仮説との整合を確認します。

実際の顧客データによる裏付けが出来れば、より説得力のあるマーケティング施策として活用することが出来ます。

また、分析結果が最初の仮説と合わない場合はやり直しが必要です。
対策例としては、以下が挙げられます。

    • 課題、問題や原因仮説の再設定
    • 分析対象となる顧客データの見直し
    • 分析時に使用するRFM値の重み付けを見直し

RFM分析の注意点

ここからはRFM分析を行う上で意識したい注意点を紹介します。

RFM分析はマーケティング戦略を立てる上で有効な分析手法ですが、使い方を間違えると売り上げや事業そのものに影響を及ぼします。

これからRFM分析を始める方も、既にRFM分析を取り入れている方も、ぜひ最後まで確認ください。

RFM分析の限界

RFM分析は上手く活用できれば優れたマーケティング分析手法ですが、限界や問題点も存在します。

具体的には以下2点に留意が必要です。

顧客が何を買ったのか把握できない

RFM分析が分析対象とするのは、あくまでも購買頻度・金額・購買日であり何を購入したのかは分かりません。

特に長期間のデータを分析対象とする場合、ライフスタイルや時代の変化によって必要なもの・不必要なものは徐々に変化していきますが、RFM分析ではそれらを読み取れない点に注意しましょう。

例えば子ども服メーカーの場合、子どもが大きくなってしまえば子ども服も不要となるので、購買頻度や最終購入日の値は小さくなるのは当然です。

顧客データの背景にある時間経過に注目しながら、分析のアプローチ方法を検討しましょう。

購入頻度の低い高額商品には対応ができない

RFM分析は業種業態、商品サービスの向き不向きがあります。

具体的には数年に一回しか購入しないが、購入額が高額になる自動車や不動産、保険といった商品ではRFM分析は使えません。

対して高頻度に繰り返し購入できる商品・サービスにおいては、顧客の購買行動や分類に有効な手段となるので、RFM分析を積極的に活用しましょう。

長期的に顧客をフォローする

RFM分析の目的は顧客に合わせたマーケティング活動を行うことです。
そのため優良顧客ばかりに目が行きがちですが、優良顧客以外のフォローも大切です。

一般的にRFM分析でグループ分けを行う際は以下5つに分類します。

    • 優良顧客
    • 新規顧客
    • 安定顧客
    • 離反顧客
    • 非優良顧客(休眠顧客)

例えば、非優良顧客や離反顧客に対してはDMなどで継続的にキャンペーン情報を送ることで再び優良顧客として復活できる可能性があります。

RFM分析おすすめツール・ソフト

ここからはRFM分析を効率よく行うための分析ツール・ソフトを紹介します。

エクセルやスプレッドシートでも分析は可能ですが、専用ツールがあれば寄り高精度な分析が可能です。

マーケティング活動を強力にバックアップしてくれるおすすめツールを3つ、機能や特徴について詳しく解説します。

やよいの顧客管理

企業会計や給与管理で有名な弥生株式会社が販売している顧客管理ソフトです。

RFM分析では様々な角度で顧客データを簡単に分析でき、またツール画面上に表形式で分析結果を表示することができるので、分かりやすく高精度な分析ができます。

コミュニケーション機能として、宛名・送り状印刷や一斉メール送信ができるので、分析から施策実行までの一連のマーケティング活動が、スピーディーにできるのもメリットです。

いいお客様Pro

オズシステムが提供する顧客管理ソフトです。

「何度もたくさん買ってくれてるいいお客様」を分析するためのソフトでRFM分析やデシル分析が可能です。

分析結果はエクセルデータとして出力されるのも特徴で、普段エクセルを業務ツールとして利用している場合は、分析結果の報告や活用にメリットがあるでしょう。

ダウンロード販売価格は38,000円(税抜き)と比較的安価で、30日間無料で体験版が利用できるので、まずは使ってみたい方にもおすすめです。

BitRFM4

BitRFM4は、ニューズビット株式会社が提供するRFM分析ツールです。

既存のACCESS、oracle、SQL Serverといったデータベースソフトと直接接続し、RFM分析やデシル分析を行います。

分かりやすいツール画面で簡単に設定を変えられたり、分析結果のランク表示やチャート出力出来たりと、視覚的に分かりやすい工夫がされているので、初めてRFM分析をする場合にも安心です。

体験版は30日間無料で利用することが出来ます。

まとめ

企業が事業を継続するためには直近の売り上げ維持だけでなく、中長期的な視点で優良顧客を見極め、良好な関係を継続できるかどうかが鍵となります。

RFM分析を活用し、優良顧客の維持や発掘育成といった効果的なマーケティング活動をしていきましょう。

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この記事を書いた人

すべらないキャリア編集部


「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。

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