コホート分析とは?ユーザーの動向を把握できる最適な方法を解説

  • 2020.10.31

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Webサイトのユーザー動向を把握するために最も有効な分析方法はコホート分析と言われています。

現在のネット戦略に欠かせないコホート分析の目的や実施法、有効活用法を解説します。

コホート分析とは

コホートとは「共通の要素および期間に基づいてグループ化された集合体」であり、コホート分析とはユーザー獲得から特定期間におけるユーザーの行動を様々な指標で数値化し分析する方法のことを示します。

コホート分析の大きな目的は、ユーザーの動向を把握し、適切なタイミングでの施策を打ち出すことで、マーケティング担当者が意図する成果に結びつけることです。

例えば、毎月1日にマーケティング施策(メールマガジンやキャンペーン)を行うとします。

「1月1日にサイトに流入してきたユーザーをグループA」とし、「2月1日にサイトに流入してきたユーザーをグループB」として、それぞれのグループの離脱日や定着率を分析・測定をすることがコホート分析です。

各グループの動向を明確にすることで、以下の情報が明確になります。

    • 自然流入の際のユーザー動向
    • マーケティング施策を打ち出した時のユーザー動向
    • マーケティング施策ごとのユーザー動向

コホート分析により、正確なユーザ動向を知った上での施策を打ち出すことができるようになります。

コホート分析が注目されている理由

コホート分析が注目されている理由は、コホート分析を基礎としたSaaSやサブスクリプションの登場です。

「収益が安定しない」、
「低価格化競争に陥ってしまい利益率が低くなってしまう」
「利益率を上げたいがブランド力がなければ高額商品の販売が難しい」

などの問題が顕在化してきたことで、売り切り型のビジネスモデルから新しいビジネスモデルへの転換をする必要が出てきました。

新しいビジネスモデルとして注目されたのが、SaaSやサブスクリプションなどの月額・定額サービス型のソフトウェアや商品です。

そして、SaaSやサブスクリプションモデルにおいて大切になってくるのが、
「ユーザーに定着してもうこと」
「定着のためにユーザーの動向を把握し分析すること」

なので、コホート分析がSaaSやサブスクリプションサービスを運営している企業から注目されるようになったのです。

Googleアナリティクスを使用したコホート分析

コホート分析はGoogleアナリティクスで行うのが一般的です。
Googleアナリティクスの中にコホート分析の項目があるので画像を踏まえて操作方法についてご紹介していきます。

まずはアナリティクスにログイン後、「ユーザー」>「コホート分析」を選択して「コホート分析」の画面に移ります。

4つの指標を設定

「コホートの種類」「指標」「コホートのサイズ」「期間」を設定します。

    • コホートの種類:初期で「集客の日付」になっています
    • 指標:「日別」「週別」「月別」で選択可能
    • コホートのサイズ:「ユーザー」「合計」「定着率」の3項目から設定可能
    • 期間:「指標」が「日別」の場合は「過去7日間」「過去14日間」「過去21日間」「過去30日間」の選択可能
    • (※指標が「週別」や「月別」の場合、期間は週単位・月単位の期間が設定できます。)
コホート分析の画面

定着率・維持率の確認

コホート分析ではユーザーがどのぐらいサイトに定着しているかを把握できます。
定着率はコホート分析で最もよく見られる指標なので、ユーザーの動向をみるために設定してみましょう。

    1. アナリティクスで「定着率」>「ユーザーの維持率」を選択
    2. 「ユーザーの維持率」選択して獲得したユーザーの維持率を見ることが可能
 

このように、ユーザー維持率を確認し、サイトに流入してきた日単位や週単位でユーザーの動向を知ることで、「毎日アクセスしている」「定期的にアクセスしている」「一度だけアクセスでそれ以降は再流入なし」のように具体的な数値を参考に動向を知ることができます。

コホート分析の活用法

コホート分析を活用することで、下記のようなことが可能です。

    • ユーザー継続率が下がるタイミングで新しいメールマガジンやコンテンツの配信
    • 毎月の新規登録者数の目標を設定して広告などの施策を打つ
    • PV数や登録者数の増加のために打った施策の効果を検証する

上記のように、目的に沿ってユーザーに対してのアプローチや、アプローチした後の経過観察をする際に、コホート分析が大きな役割を担うことになります。

マーケティングに活用する方法

それでは、マーケティング施策に大きく貢献するコホート分析の具体的な内容について解説していきましょう。

ユーザーが減少するタイミングが把握できる

コホート分析を用いることでできることの一つが、ユーザー獲得からの数値の減少を確認することです。

ユーザー獲得からの数値の減少を確認することで、継続してアクセスしてもらうために、ユーザーの数値の減少するタイミングでキャンペーンや新しいコンテンツを発信することが可能になります。

新規獲得ユーザーの目標設定ができる

サブスクリプションなどの登録型のサービスを例として取ると、ユーザーの登録者数と退会者数のバランスを見ながら、「退会者数が月10名だから、収益の増加を狙うなら毎月20名の新規登録者を増やそう」という目標の設定が可能になります。

キャンペーンを実施したときの反応がわかる

マーケティング施策において重要になってくる効果測定においてもコホート分析は有効です。

登録者増加のためにキャンペーンを実施したときのユーザーのトランザクションを知ることができるため、ユーザーの動向を分析しながら次回のキャンペーンでどんな施策を打つのかを検討することができます。

SEO対策に活用する方法

コホート分析において、ユーザーの動向を把握することで、その結果を元にメディアの運営にも役立てることができます。

記事数や投稿数を増やす

メディアの運営をしている中で大切になることは、「読者にメディアの記事を継続的に読んでもらうこと」です。

そのため継続的に記事の発信をしていくことは、SEO対策においても重要になってきます。

コホート分析を用いることで、読者の離脱のタイミングを知ることができるので、「読者が離脱するタイミングで新たに記事を発信する」、「PV数が落ち着くタイミングで記事を発信する」などの施策を打ち出し、継続的にアクセスしてもらえるようにすることも可能です。

記事のボリュームを増やす

記事やメディアの有益性を示すために大切な指標が、「読者に長く滞在してもらう」ことです。

記事が完読されていても、短時間で離脱してしまったり、記事を読んでそのまま直帰してしまったりすると、SEO対策において読者の動向を分析する情報が少なくなってしまいます。

コホート分析により短時間で離脱をしていることがわかれば、記事の文字数を増やしたり、しっかり読んでもらえるために構成を変えたりするなどの対策を練ることが可能です。

内部リンクの多い記事を公開する

ユーザー動向の分析において、日単位・週単位・月単位のユーザー動向を知ることが大切になります。特に大切なのは、1日単位での動向を知ることです。

1日のユーザー動向を分析していく中で、「PV数が少なくなるタイミングがある」や「1つの記事を読んで離脱してしまう」などの情報がわかれば、内部リンクが多い記事を増やすことで、総PV数を上げるような施策を打つことも可能になります。

Excelを使用したコホート分析の方法

コホート分析はGoogleアナリティクスで行うことが一般的と前述しましたが、実はExcelの機能でもコホート分析は可能です。

まず、Excelにおいて、コホート分析に必要になるデータベースを作成します。
データベース作成において必要な項目は大きく4つ「ID」「獲得日」「離脱日」「離脱までの期間」です。

コホート分析は、ユーザー獲得から特定期間におけるユーザーの行動を様々な指標で数値化し分析するために行います。

そのため、Excelを使用したコホート分析でも、定着率をみることが多いです。

データベース作成をする場合は、「獲得したユーザーがどれくらいの期間で離脱したのか」を数値として算出し、ピポットテーブルを使ってユーザーのデータをグルーピング・分析をしていくことが必要です。

まとめ

この記事では、コホート分析とGoogleアナリティクス / Excelを用いた設定方法などについて解説しました。

    コホート分析のポイント

    • コホート分析とはユーザー獲得から特定期間におけるユーザーの行動を様々な指標で数値化し分析すること
    • SaaSやサブスクリプションのサービスにおいて、コホート分析は重要な役割を担う
    • コホート分析を用いて、マーケティング施策を打ったり、SEO対策をすることができる
    • コホート分析は、GoogleアナリティクスやExcelでも可能

Webサイトでのマーケティング戦略がビジネスに欠かせない存在となった今、コホート分析は必要不可欠です。

分析データを基にユーザーの動向を把握し、効果的なWeb戦略を実施してください。

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この記事を書いた人

すべらないキャリア編集部


「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。

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