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「ゼネラリスト」は多様化が進む現代のビジネスにおいて、広く浅い知識を活かしながらさまざまな仕事に関わっていく役割を担っています。
また、ゼネラリストは、仕事の中でも幅広い業務に従事し、さまざまな役割をこなしていくことができるため、特定の場において非常に重宝されることも多いです。
本記事では、そんなゼネラリストについて詳しく解説していきます。
ゼネラリストとは
ゼネラリストとは、幅広い知識やスキルを有しており、さまざまな業務に携わることのできる人のことを指します。
ゼネラリストの主な役割は、部署やチーム全体を広い視野で見渡し、マネジメントや調整をおこなうことです。
マネージャーやディレクターなどのチームを取りまとめる役割は、専門的な知識以外にも、関連する知識を幅広く有していることで、それぞれのメンバーの立場に立って仕事をすることができるようになります。
そのため、特定の分野の専門家が集まるチームで仕事をする場合には、専門家よりも幅広い知識や経験を持つゼネラリストがまとめ役となることで、それぞれの強みを活かして活動していくことができるのです。
また、ゼネラリストは幅広い知識やスキルを有しているため、業務内で人員が足りていない時にはスキルを活かしてフォローに入ることもあります。
スペシャリストとの違い
ゼネラリストと対極の役割を担っているのが、スペシャリストです。
スペシャリストは専門分野や特定の領域に特化した人材を指し、より専門的な知識やスキルを活かして、仕事に取り組んでいきます。
ゼネラリストは幅広い分野の知識を活かして、チームのまとめ役やフォローをおこなっていく役割があり、スペシャリストは専門的な知識を用いてより高度な仕事をおこなっていく役割を担っているという点がゼネラリストとスペシャリストの違いになります。
ゼネラリストとスペシャリストどちらが良いのか
キャリアを選択していく上で、「ゼネラリストとスペシャリストのどちらが良いのか?」と比べられることも多いです。
しかし、ゼネラリストとスペシャリストでは求められる役割が異なるため、どちらが良いか天秤にかけることはできません。
ですが、自身のキャリアパスとして「ゼネラリストとスペシャリストのどちらを選択すべきか?」ということであれば、自分が求めるキャリアパス次第で選択していくことは可能です。
- ゼネラリスト :幅広い知識や経験を積んでいきたい人向け(管理職・マネジメント)
- スペシャリスト:専門的な知識やスキルを磨いていきたい人向け(専門職)
現代ではエンジニアやWebデザイナーなどの需要が高まってきているため、スペシャリストとしての土台を作った上で、ゼネラリストとして幅広い経験を積んでいくという選択肢もあります。
なので、自身が将来的にどのようなキャリアを積んでいきたいかを考えた上で選んでいくと良いでしょう。
ゼネラリストになる方法4選
ゼネラリストとして活動していくためにはどうすれば良いのでしょうか。
本項では、ゼネラリストになるためにどのようなことを意識していけばいいかについて紹介していきます。
優秀なゼネラリストとして組織で活躍するためにぜひ、参考にしてください。
コミュニケーション能力を磨く
ゼネラリストになるため必要なこととして挙げられるのが「コミュニケーション能力を磨く」ことです。
コミュニケーション能力は、求められるスキルとしても挙げられている通り、ゼネラリストとして必要な能力の一つであり、仕事を円滑に進めたり、チームで連携を取るためにも不可欠な能力になります。
また、コミュニケーション能力を磨くためには、「自分がどのようなコミュニケーションを得意・苦手としているのか」を理解することから始めましょう。
コミュニケーション能力は「伝達力」「傾聴力」「理解力」「表現力」「発信力」「非言語コミュニケーション能力」など細かく分類することができます。
その中で、自身のコミュニケーションの特徴や能力の高さを把握して、それぞれの要素に対して磨く必要のある部分を積極的に磨いていくと、コミュニケーション能力を高めることにつながるでしょう。
広範囲にわたる知識を持つ
ゼネラリストとして活躍していくためには、何より「広範囲にわたる知識を持つ」ことが大切です。
「広範囲にわたる知識」には、自身の経験から来るものもあれば、本や論文、Web上で収集した知識なども含まれます。
しかし、いずれの知識も勉強・経験をしなければ知ることができないものも多いため、自分から積極的に収集していくことが必要です。
なので、「自分の仕事に関わる分野」「仕事に関連する分野」「興味のある分野」など、優先して収集する知識を明確にした上で地道に情報収集をしていくようにしましょう。
柔軟な対応力と広い視野を持つ
ゼネラリストになるためには、自分の持っている能力を活かすために柔軟な対応力や広い視野を持っていくことが大切です。
ゼネラリストは、幅広い知識と能力を持っていていても、状況に応じて適切に活用できなければ意味がありません。
また、ゼネラリストは性質上、業務を兼任したり、分野外の仕事も依頼されたりすることも多いです。
そのため、自分自身の能力を俯瞰的に見て、どのような状況で何をするべきなのか判断するための広い視野と、臨機応変に対応するための対応力を身につけるようにしましょう。
組織をまとめ上げる力を伸ばしていく
「組織をまとめ上げる力を伸ばしていく」ことも、ゼネラリストになるためには必要なことです。
組織をまとめるために必要な能力でも、「マネジメント能力」「統率力」「リーダーシップ」などのさまざまな要素が挙げられるでしょう。
ゼネラリストは、管理職やマネージャーとしてチームの仲介に立って仕事をしていくことも多いため、必然的に組織・チームをまとめていくための知識や能力が求められます。
そのため、ゼネラリストとして活躍していくためには、コミュニケーション能力や幅広い知識と併せて、組織をまとめ上げる力を伸ばしていくことが必要だということも覚えておきましょう。
ゼネラリストが活躍できる仕事3選
ゼネラリストは、幅広い知識やスキルを活かして仕事することを得意としていますが、具体的にどのような仕事が向いているのかについて紹介していきましょう。
管理職・マネージャー
ゼネラリストに向いている仕事として挙げられるのが、管理職やマネージャーなどの全体をまとめる役割の仕事です。
管理職やマネージャーに求められる能力として挙げられるのが、幅広い知識や経験を活かしてメンバーが働きやすい環境を作ることでしょう。
その中で、ゼネラリストとしてキャリアを積み重ねている人材は、一つの仕事だけではなくさまざまな仕事の経験を積んでいるため、スペシャリストと比べて幅広い視点でマネジメントをすることができます。
そのため、特定の分野だけではなく幅広い分野に関する知識を持ち、さまざまな経験を積み、臨機応変に対応できるゼネラリストは管理職やマネージャーとして活躍することができるでしょう。
総務・人事
総務や人事などの、バックオフィスにあたる仕事もゼネラリストに向いている仕事の一つでしょう。
総務の業務はそれぞれの役割に応じて業務内容は変わってきますが、場合によっては労務・経理・庶務などの業務を兼業することもあります。
また、人事も社内のさまざまな部署とコミュニケーションを取り、必要となる人材を採用したり、それぞれの役割に応じた人事評価を査定していかなければいけません。
そのため、総務・人事の仕事を幅広い分野における知識や経験を持っている人材がおこなうことで、より幅広い視野を持って業務に取り組むことができるため、ゼネラリストが活躍できる仕事といえるでしょう。
ベンチャー企業の社員
ゼネラリストとしての能力を活かしていきたいと考えている場合には、ベンチャー企業の社員として働くのも良いでしょう。
ベンチャー企業は、社員が少ないことも多く、業務を兼業して進めていくこともあり、一人ひとりに与えられる裁量が大きくなる傾向があります。
また、ベンチャー企業では臨機応変に現場で必要なことに対処しながら、さまざまな役割をこなすことができる柔軟な発想を持つ人材が重宝されます。
そのため、幅広い知識や業務経験を持っているゼネラリストには、ベンチャー企業の環境は能力を活かすために最適だといえるでしょう。
ゼネラリストとして働く際の注意点3選
ゼネラリストとして働く場合、上手くいけば現場で活躍することができますが、必ずしもうまくいくとは限りません。
そのため、ゼネラリストとして働きたいと考えている人は、以下の注意点については意識しておくようにしましょう。
器用貧乏にならないようにする
ゼネラリストとして活躍している人の中にも、「器用貧乏にならないように」ということを強く意識している人は多いです。
ゼネラリストの場合、スペシャリストと比べて幅広い知識を持っている反面、スキルレベルはどうしてもスペシャリストに劣る場合が多くなります。
そのため、さまざまな知識やスキルを持っていたとしても、秀でている部分がほとんどないという状態に陥ってしまう可能性があるでしょう。
そのため、なんでも手を出すのではなく関連性の高く実用性のある知識やスキルを身につけ、IT・人事・営業など特定の分野に特化したゼネラリストになれるようにすると器用貧乏にならずに活躍することができます。
環境によっては活かせない場合もある
ベンチャー企業や柔軟性のある企業など、ゼネラリストとして活躍できる環境が整っている場合でなければ、持っているスキルを十分に発揮できない可能性があります。
例として挙げられるのが、「技術や知識を磨きたいのに振られる仕事が雑務のみでキャリアアップにつながらない」「企業の体制がすでに確立されていて部署異動や新しい仕事にチャレンジするのが難しい」というケースです。
ゼネラリストとして働くためには、ゼネラリストとして働くために環境が整っているかどうかは重要なポイントになるでしょう。
なので、ゼネラリストとして「知識やスキルを活かすことができる仕事かどうか」「求めるキャリアを実現できるかどうか」という点で見極めが必要です。
中途半端なスキルは逆効果
ゼネラリストとして働く場合、中途半端なままのスキルで仕事を安請け合いするのは控えましょう。
ビジネスマンとして、経験のないことにもチャレンジする姿勢は大切ですが、中には失敗することで信用を無くしたりトラブルに発展したりする可能性のある仕事も多いです。
「生兵法は大怪我の元」ということわざがあるように、中途半端な知識やスキルに頼るととんでもない失敗をしてしまうこともあります。
そのため、幅広い知識やスキルを有しているからと過信せずに、長い間関わっていない分野の仕事の場合には、今の自分にできるかどうか、対応するために何をすればいいのかを踏まえた上で仕事を受けるようにしましょう。
ゼネラリストに求められる役割
近年、目まぐるしく変化する社会において、ゼネラリストは時代遅れという意見も多いようです。
では、なぜゼネラリストは時代遅れと言われるようになってしまったのでしょうか。
本項では、「ゼネラリストが時代遅れと言われる理由」と「これからのゼネラリストには何が必要なのか」について解説していきます。
ゼネラリストは時代遅れと言われる理由
ゼネラリストは、ビジネスにおいて広範囲の知識や技術を駆使する総合職のようなものです。
臨機応変に対応は出来ますが、時代の変化を読み取らずに、なんとなくやり過ごすようになってしまうと、総合職としてのスキルや感性に成長が見られなくなってしまいます。
一方、スペシャリストは、一つの分野に突出した才能を持っており、その分野を極めるためにも時代に即した新しい知識を勉強し続けなくてはなりません。
近年ではITテクノロジーの目覚ましい発達により、単純な業務はAIが処理できるものも増えてきました。
そのため、会社が成長していくためには、ゼネラリストよりスペシャリストが重要であるという意見も増えています。
また、スペシャリストとしての基盤があれば、その後の経験次第でマネジメントや関連するスキルは身につけることも可能です。
そのため、時代が進むにつれてゼネラリストよりもスペシャリストとして経験のある人材のほうが企業にとって利益が大きいのではないかと言われるようになってきているのです。
これからのゼネラリストには「統合力」が必要
ゼネラリストよりもスペシャリストのほうが重要であるという意見も増えてきている中で、ゼネラリストが生き残っていくために必要なのは「統合力」になります。
統合力とは、複数のスキルをまとめて仕事に活かしていく際に必要な力で、ゼネラリストの「幅広い知識やスキル」を活かすためにも大切な能力です。
現代において「専門的なスキル」以外にも重要とされているのが「スキルの掛け算によるオリジナリティ」です。
ゼネラリストは、幅広い知識・スキル・経験を持っているためスペシャリストに比べてオリジナリティを出しやすいという強みがあります。
そのため、自身の幅広いスキルを一つにまとめて仕事に活かしていく「統合力」はこれからのゼネラリストにとって非常に重要な能力になってくるのです。
これからゼネラリストとして活躍していきたい場合には、IT・人事・営業などひとつ自分の軸となる分野を決めた上で関連性の高く実用性のある知識やスキルを身につけて「統合」して「オリジナリティ」を出せるようにしていきましょう。
まとめ
以上、本記事では「ゼネラリスト」について詳しく解説してきました。
ゼネラリスとは時代遅れという意見もありますが、幅広い知識や経験を活かして組織をまとめていくためには欠かせない存在です。
そのため、これからゼネラリストとして働いていきたいという人は、本記事の内容を参考にしてさまざまなことにチャレンジしてみてくださいね。
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この記事を書いた人
すべらないキャリア編集部
「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。