目次
情報処理技術者試験はITエンジニアはもちろんITシステムを利用する部門担当者も受験したい試験です。
ITに関する基礎知識を問うものから、専門技術を扱うものまで試験の幅が広く、様々な用途で利用できます。
この記事では、情報処理技術者試験とよばれる各試験の概要や難易度、勉強方法を詳しく紹介します。
情報処理技術者試験とは
情報処理技術者試験とは、経済産業省の管轄組織であるIPA(情報処理推進機構)が実施するIT関連の国家試験です。
IT技術に関する幅広い知識の理解力を問う基礎試験と、ネットワークやデータベース、セキュリティなど特定領域の高度な専門知識・技術を扱う高度試験の2つから構成されています。
基礎試験と高度試験をすべて合わせると13種類の試験です。
難易度、スキルレベルごとに試験を分類すると以下のようになります。
1つずつ解説していきます。
レベル1(エントリー試験):ITパスポート
レベル1のエントリ試験として位置づけられているのは、ITパスポート試験です。ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が身に付けたいIT基礎知識を網羅しています。
業界業種・理系文系などを問わず、IT技術に関わる全ての人を対象にした入門試験で毎年多くの学生・社会人が受験するのが特徴です。
ITパスポートの難易度
ITパスポートは、IT技術を利活用する人が必ずおさえておきたい知識を問う登竜門のような試験です。
情報処理技術者試験の中でももっとも難易度が低く、近年の合格率も50%を超えています。
インターネットやパソコン、スマートフォンなど出題される試験内容も普段の生活からイメージしやすいこともあり、しっかり勉強すれば誰でも合格が狙える試験です。
ITパスポートの勉強方法
ITパスポートは受験用テキストが数多く出版されているので、まずは1冊購入し一通り読み込みます。イラストや図などが多いもの、解説が丁寧なものなど、自分の好みにあったテキストを選びましょう。
勉強時間は全くIT技術に触れてこなかった初心者で100時間程度が目安です。IT関連の知識や業務利用している場合などは20時間程度の勉強で合格が狙えるといわれています。
忙しくまとまった時間が取れない人は、四肢択一式形式なのでアプリなどでスキマ時間を使って勉強するのもおすすめです。
レベル2(基礎試験):基本情報技術者試験、情報セキュリティマネジメント試験
レベル2の試験は基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験の2つです。IT技術を高度に利活用する人向けの基礎知識を問う問題が出題されています。
基本情報技術者試験はIT技術全般に関わる知識を満遍なく扱っており、ITエンジニアとして職をスタートするための基礎試験です。
SIerやweb系アプリ開発企業など基本情報技術者試験の受験を入社後の課題として設定している企業もあります。
情報セキュリティマネジメント試験は情報システム利活用にあたって欠かせない情報セキュリティに関する問題が出題されます。
情報技術者試験の中でも、2016年度に新設された新しい試験です。セキュリティに関する知識を体系的に網羅しているので、各企業から注目を集めています。
基本情報技術者試験、情報セキュリティマネジメント試験の難易度
基本情報技術者試験、情報セキュリティマネジメント試験はどちらも独学での学習は可能です。
ただし初心者がいきなり挑戦するにはハードルは高めです。合格率は情報セキュリティマネジメント試験が40~60%、基本情報技術者試験が20~30%となります。
基本情報技術者試験、情報セキュリティマネジメント試験の勉強方法
どちらの試験も午前試験と午後試験の2部構成です。午前試験は多肢選択式で、幅広い分野を網羅する基礎知識を問う問題です。
午前試験はITパスポートと重複する分野も多いので、初心者はまずはITパスポートで肩慣らしするのがおすすめです。
午後試験は長文問題でより高度な知識を問う問題です。具体例を出した事例なども出題され、より実務に即した出題となります。
社会人の人が業務でIT技術に触れている場合も、初めて受験する場合は200時間程度の勉強時間が必要です。
レベル3(応用試験):応用情報技術者試験
情報処理技術者試験の応用試験である「応用情報技術者試験」は、IT人材として活躍するための応用的な知識・技術を問う試験です。
基本情報に合格し、ITエンジニアとして2~6年程度の実務経験がある人が多く受験しています。
ITエンジニアの基礎・応用知識を習得していることの証明となるので、エンジニア系の転職時にはアピールポイントとして履歴書に記載できるでしょう。
応用情報技術者試験の難易度
応用情報技術者試験は比較的高難度の試験で、ITエンジニアであっても勉強なしにいきなり挑むのは無謀です。
近年の合格率を見ても20%前後の合格率で、しっかりと勉強時間を確保することが必要です。
応用情報技術者試験の勉強方法
難易度は高い試験ですが高度試験と比較して、しっかりと勉強を積み重ねれば合格は可能です。
応用情報技術者試験は以下のような試験で構成されています。
- 午前試験:多肢選択式(四肢択一)80問
- 午後試験:記述式5問
午前試験は過去問と同じ問題が出題されることも多いので、過去問を中心に勉強するのが良いでしょう。午後試験はそれぞれテーマの異なる11問から5問を選択する形式です。
自分の得意な分野に注力して勉強すると効率よく勉強を進められます。
レベル4(高度試験)
高度試験は特定領域のプロフェッショナルとして活躍するための知識を問う試験です。
試験合格者は社内外でハイレベルプレーヤーとして認識され、活躍できる程度の知識・技術を持つことの証明となります。
専門分野ごとに以下9つの試験があります。
- IT ストラテジスト試験
- システムアーキテクト試験
- プロジェクトマネージャ試験
- ネットワークスペシャリスト試験
- データベーススペシャリスト試験
- エンベデッドシステムスペシャリスト試験
- IT サービスマネージャ試験
- システム監査技術者試験
- 情報処理安全確保支援士試験
レベル4(高度試験)の難易度
難易度は試験によって異なりますが、合格率は10%前後でかなりこう難易度の試験となります。出題範囲に関する知識習得はもちろんのこと、実務経験も必要です。
独学で勉強を進めることも可能ですが、通学・通信講座を使って試験対策するのも良いでしょう。
レベル4(高度試験)の勉強方法
高度試験は、午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱ試験と4部構成です。
出題型式 | 問題数(回答数) | 時間 | |
---|---|---|---|
午前Ⅰ(全高度試験共通) | 多肢選択式(四肢択一) | 30問 | 50分 |
午前Ⅱ | 多肢選択式(四肢択一) | 25問 | 40分 |
午後Ⅰ | 記述式 | 3~4問(2問) | 90分 |
午後Ⅱ | 論述式または記述式 | 2~3問(1問) | 120分 |
午前Ⅰ試験は全高度試験共通の問題が出題され、以下の条件を満たしてから2年間は免除される仕組みです。
- 応用情報技術者試験に合格
- 情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験に合格
- 情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上
応用情報の出題範囲と重複するところも多いので、高度試験を目指す人はまず応用情報技術者試験の勉強をすることからスタートしましょう。
また、午後試験は記述式・論述式の問題が出るので、参考書・過去問などを参考にしっかりと対策しておくことが重要です。
まとめ
情報処理技術者試験はIT技術に触れる人にとってメリットの多い資格です。
独学でも挑戦することは可能なので、自分のレベルにあった試験を選択し、しっかり勉強して受験に臨みましょう。
いいね!
この記事をシェアする
この記事を書いた人
すべらないキャリア編集部
「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。