目次
日常生活において無意識に思い込みで物事を判断しています。それを認知バイアスと呼び、正しい判断をしにくくしています。
ビジネスでも、認知バイアスに陥ることは避けなければなりません。この記事では、認知バイアスの種類や対処方法などをご紹介します。
認知バイアスとは?
ビジネスにおいて、認知バイアスは、人の行動を利用したマーケティングなどでよく活用されているため、ご存知の人も多いと思います。
認知バイアスとは、認知心理学や社会心理学での様々な観察者効果の一種です。
生活習慣、固定観念などの要因から間違った決断を下してしまい、事例証拠や法的証拠の信頼性を大きく歪めてしまう問題です。
例えば、「A型の人は細かい」「第一印象が良いので性格も良い」「女性だから家事が得意」などは認知バイアスに陥っている認識であると言えます。
認知バイアスが起こる理由
認知バイアスが起こる要因として、人が持っている思考や判断の癖があります。
人間の思考には、直感的な思考と合理的な思考があります。人間は日々生活している中で、膨大な情報量を得ています。
「日常的に抱いている感覚」「考え方、価値観」は強く脳に記録されています。そのため、何かを判断するときに、直感的な思考を無意識に使い、特に意識しないと自分の思い込みや経験を元に、直感的な思考が働くため、認知バイアスを起こってしまうのです。
認知バイアスの種類
認知バイアスには、様々な種類があり、現在約100種類ほど存在しています。
中でも、人が日常生活において、陥りやすい代表的な認知バイアスを7種類ご紹介します。
その1 |アンカリング効果
アンカリング効果とは、情報や数値で「はじめに認識したもの」「一番印象に残ったもの」が意識決定や判断に影響を及ぼしてしまう現象を言います。
これは、ビジネスでもよく活用されている効果です。
例えば、1つは定価で500円商品、もう1つは1000円から値引きされて500円の商品という2つの同じ商品があるとします。
このとき、人は後者の1000円から値引きされている商品を買ってしまうという効果があるのです。
その2 | ハロー効果
ハロー効果とは、特定の特徴に対する評価が、因果関係を持たないにも関わらず、その評価は目立つ特徴に引っ張られ、他の特徴に関する評価を歪めてしまう現象を言います。
例えば、高学歴だからこの人は優秀だ、爽やかな見た目だから悪いことはしない、など見た目の第一印象で相手を判断してしまうこともハロー効果の認知バイアスだと言えます。
その3 | バンドワゴン効果
バンドワゴン効果とは、複数ある選択肢があるなかから選択をする際、選択した人数が多い方の結論が正しいと思い込み、集団の決定を採用してしまうこと現象を言います。
例えば、行列の出来ている飲食店は美味しい食べ物があるはずだ、みんなが可愛いと思っているものが可愛いなど、簡単にいうと、世間の流行り、周りの意見に流される心理はバンドワゴン効果の認知バイアスだと言えます。
その4 | 内集団バイアス
内集団バイアスとは、なんの根拠もなく、自分が所属している集団が他の集団より優れていると評価してしまい、外集団の者より、内集団の者に対し、好意的な行動、感情や行動を表す現象を言います。
例えば、日本人だから丁寧に仕事する、A大学の卒業生はいい会社に入るなどは内集団バイアスであり、この現象は、ときにチームワーク向上のため活用されることがあります。
その5 | 確証バイアス
確証バイアスとは、自分にとって都合のいい情報や先入観を裏付ける情報だけを集め、反する情報を集めないようにすること現象を言います。
例えば、「O型は大雑把である」「大企業は働きやすい」など、自分にとって都合のいい情報だけを集めてしまい、成功に対する気持ちが強いほど起こってしまう認知バイアスであるとされています。
その6 | ピーク・エンドの法則
ピーク・エンドの法則とは、過去に経験したことに対し、最高や最悪などの感情のピークと、一連の出来事の終わりであるエンドの記憶だけで、経験全体を判断してしまう現象をいいます。
例えば、約5分の楽しみのために1時間順番待ちをする「人気のアトラクションの列に1時間並ぶ」、結末が面白かったので、過程の物語の退屈さは帳消しになる「面白い映画を評価する」などがあります。
その7 | プロスペクト理論
プロスペクト理論とは、不確実な環境で意思決定を行う場合、人は利益を得られる場面において、より確実性を好みリスクを避ける判断を下す現象を言います。
例えば、10%の確率で1000円もらえるより、90%の確率で500円もらうことを選択するの割合が多くなります。
つまり、不確実な環境下で「利益を得る確立が高くなる」「損失を出さない確立が高くなる」ことを無意識に選択する傾向にあるのです。
認知バイアスに引っかからない方法
正確な判断を下すためには、認知バイアスに陥らず、事例証拠や法的証拠を参考に自分で判断を下す必要があります。
認知バイアスに陥らずに、正確な判断を行うにはどのようにしたら良いのでしょうか。
認知バイアスに引っかかりにくくする方法をご紹介します。
人の意見を聞き入れる
人の意見を聞くことは、認知バイアスに陥らない方法として挙げられます。
人の意見を聞くということは、自分とは違う視点の意見を聞くこということで、客観的な視点を得ることに繋がります。
自分が当たり前に思っていたことが覆され、正しい検討を行うための材料を得ることができるのです。
そのため、自尊心を傷つけらたと思わず、反対意見やデメリットに関する情報も積極的に聞き入れ、全体的に検討し直すように習慣づけるようにしましょう。
批判的視点をもつ
自分が考えていることに対し、常に批判的な考えをもち、前提を疑うような癖をつけると認知バイアスにかかりにくくなります。
例えば、「商品が売れない理由は、競合他社のせいだ」との批判ではなく、「商品の質が悪いのかもしれない」とあくまで前提を疑うように心がけましょう。
事実と意見を分ける
日本人は明確な決断を出さず、グレーな部分を好むため、曖昧な表現が多く相手の感情をみえにくくなり認知バイアスにかかりやすくなる傾向があります。
そのため、常日頃、そのため事実と人の意見は別物と考え、分けて考えるようにしましょう。
例えば「イベントはたくさんの集客があったので成功」という意見があったら、それに引っ張られず、集客人数などを実際に数値を利用し、要因を分析して結論を出すようにすることで、認知バイアスに陥らず、正しい判断をすることが出来ます。
判断軸をもつ
自分の判断軸をもつことは、認知バイアスに陥らないために必要な心構えです。もし、判断を迷った場合、事実や証拠を元に判断しようとしても例外や外部要因が影響を及ぼす可能性がないとは言い切れません。
「迷ったら顧客第一に考える」「効率を重視する」などの曲げることのない判断軸を常に持つように心がけることで、正しい判断を下す結果に繋がって行きます。
情報と人を分離する
人は、相手に対し様々な印象を持っているもの。
しかし、それが認知バイアスにかかる要因となってしまうです。
そのため、自分が持っている情報と、人の顔や姿などを分離して考えるようにしましょう。
例えば、何かアイディアを募る際、応募者の名前を著名にし、名前や性別がわからないようにします。余計な情報がなく判断できるため、結果認知バイアスに陥りにくくなります。
いいね!
この記事をシェアする
この記事を書いた人
すべらないキャリア編集部
「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。