未経験エンジニアが実力主義のIT企業で30名を率いるマネージャーになるまでの3年間

  • 2021.09.08

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今回は、急成長中のITベンチャー企業アルサーガパートナーズ株式会社で、 未経験からエンジニアとして入社し、現在は約30名のマネジメントと複数の大手企業の開発ディレクションを兼任する星野智洋さんにお話を伺いました。

活躍し続けるエンジニアになるための考え方はもちろん、キャリアアップ・年収アップを目指すビジネスパーソンとしての処世術がたくさん詰まった内容になっているので、ぜひ最後までご覧ください!

アルサーガパートナーズ株式会社
Web Frontend Division Manager / Director

星野智洋さん

HOSHINO TOMOHIRO

2017年入社。航空券予約や遠隔医療サービスのITエンジニアとして従事。
2019年2月、フロントエンドの技術力を強化するため、Web Frontend Divisionをゼロから立ち上げる。
現在はサーバーサイド含め約30名のエンジニアのマネジメントを行う。マネージャー業の傍ら、不動産業界・ライブ配信・アパレル業界DXサービス開発のディレクションも担当。

入社したらそこは、ドラマのような「ザ・ベンチャー」の世界だった

星野さん、まずは未経験からエンジニアになろうと思ったきっかけからお伺いしてもいいですか?

自分の働き方とかやりたいことが明確になってないまま「なんとなく」で就職しちゃダメだって思ってて。
大学卒業後はバーで働いたり、スーツ販売をしたりしながら、貯めたお金で海外に行って、海外の働き方や価値観をみたいなと思ってました。

留学先で、留学期間中もPCひとつで仕事をしている方がいらして、今の時代ってパソコン1つで場所を選ばずに仕事ができる状況って作れるんだなと思い、エンジニアに興味を持つようになりました。

その中でアルサーガパートナーズさんへの入社の決め手はなんだったんですか?

通っていたプログラミングスクールで何社か未経験エンジニアからチャレンジ可能な企業さんをご紹介してもらって面接に行ったのがきっかけです。

当時内定をいくつかいただいていたんですが、代表の小俣の人柄だったり、他の会社の面接と全然違う雰囲気が印象に残ってて。迷わずアルサーガパートナーズに入社を決めました。

4年前っていうと社員数も今と全然違う感じですよね…?

未経験からエンジニアになった当時を語る星野さん

今は社員数も130人を超えて、「会社らしくなってきたなぁ」って思うんですけど、僕が入社した当初は従業員数60名くらい。

オフィスもドラマで見るようなザ・ベンチャーみたいな。笑

雑居ビルの1フロアにオフィスがあって、まだ制度やルールも全くなかった。

今でも当時のことで印象に残ってるんですけど、教育係の先輩エンジニアがいて、その人がよくドラマとかでもあるような、基本帰らずに会社に寝泊まりしてるような人で。笑
入社当初の最初の仕事は、「その人を朝起こすこと」。

朝来て、ソファーで寝てる先輩エンジニアを起こして、今日のタスクの確認とか、わからないことを質問するんですけど、寝起きで機嫌悪かったりするとなかなか聞きづらかったりして…笑。

今となっては、自分自身でスキルを伸ばしたり勉強する習慣・癖づけができたし、結果として早く成長できたんじゃないかなって思ってます。

私が入社した当時の弊社を思い出しました。笑
ぶっちゃけ不安やギャップはなかったですか?

もともとIT業界に対してキラキラした華やかなイメージというよりも、オフィスに泊まりこみで仕事するとか全然ある業界だろうなと思ってたので、不安やギャップはそんなに感じませんでした。
石の上にも3年って言葉がありますけど、エンジニアになると決めたからには、どんな状況でも一人前になるまでは頑張ろうって思ってました。

未経験エンジニアの僕が爆速で成長するためにした3つのこと

未経験から1日でも早く一人前のエンジニアになるために、意識されてきたことってどんなことですか?

実際に納期や責任を持って試行錯誤する経験が一番成長につながるかなと。

入社後に研修があったり、認定資格を取ったりというケースも多いと思うんですが、うちの場合は入社してすぐ実際のプロジェクトに参画します。

実務で壁に出くわして、そこをどう乗り越えるかっていう力がすごく大事。
スクールで学ぶ、教科書的な知識が役に立たないわけではないですが、実タスクと練習問題って全然違うなって当初はめちゃくちゃ実感しました。

成長するために、どれだけ試行錯誤するか、打席に立つ回数を増やせるかはエンジニアに限らず重要なことですね!

2つ目は、組織の中で活躍できる存在になるために、自分の適性をより生かせるのはどこだろう?というのも常に考えてました。

技術力を磨くために、同期のエンジニア同士でわからないところをフォローしたり、教えあったりしている中で、フロントエンドが得意だなと思うようになって。

その当時、フロントエンドが得意なエンジニアが退職してしまって、会社としてもバックエンドに強い人はいるけど、フロントに強い人が手薄という状況がありました。
フロントに強い人が求められていたので、そこにフォーカスして技術を磨くことに集中しました。

確かに、戦略的にポジションを取りに行くという考え方も、特に創業期のベンチャーにおいて活躍するためにはとても重要ですね。

3つ目は、知識を自ら取りに行くことです。

先輩エンジニアがいれば、どうやって勉強すればいいとか、どういう技術を採用したらいいとか聞けるけど、自分の場合はいなかったので。
外部の勉強会にも積極的に参加して、勉強会でインプットしたものを社内でアウトプットする、新しい技術やフレームワークを社内で定着できるような動きをしてきました。

当時は、プログラミングは、各々の実力にゆだねられていたような状況もあったんですが、それだとチーム開発は難しい。

フロントエンド部門の立ち上げ以降は、バグを防ぐためだったり、保守運用の観点からコードの書き方・お作法を見直したり、社外の勉強会で得た知識を、社内で講義形式の勉強会として展開しています。

実際に使えるようになってもらいたいので、練習問題を作成して実際に手を動かしてもらうことも意識しています。

チーム崩壊の危機を乗り越えてー星野流マネジメントのこだわりー

社内のメンバーから、「アニキ肌」「相談する前に悩みに気づいてくれる」「人を大切にしてチーム作りしている」と絶大な支持を得ている星野さん。
マネジメントにおいて意識しているポイントやこだわりを教えてください!

今僕のもとで働いてくれているメンバーは、面接で自分が「いいな」って採用したメンバーなんです。
その人の人生に大きく関わる意思決定に関与している責任感や使命感を持って臨んでます。

これまでやってた接客の仕事とITって全然結びつかないなって最初の頃は思ってたんですけど、今となってはその経験が生きてるのかなぁと。

お客さんの表情や会話からどう思ってるのかを汲み取ったりとか、飲み屋だと人と話している時に、こっちの人の話も聞いていないといけなかったりするじゃないですか。
そういった経験が生きてるのかなと思います。

マネジメントのポイントを語るエンジニアの星野さん

とても素敵です…!組織が急拡大していく中でマネジメントを担うことって、実際難しさもあると思うんですが…

去年、実はフロントエンド部門のチーム崩壊の危機があって。

とあるプロジェクトで、リリース直前になっても要件定義や仕様がまとまってない状態。さらにエンジニアとディレクターが対立する状態になってしまったんです。

マネージャーとして間に入って、ディレクター側の意見とエンジニア側の要望を調整して事なきを得たのですが、それがきっかけでディレクターやエンジニアが数名辞めてしまって…。そこから特にマネージャという役割に対しての意識が一層強まりました。

マネージャーとかディレクターとしての僕の役割は、エンジニアのみんながより働きやすい環境を整えること。

エンジニアが走る道にある木とか石とかを取り除いていく。
エンジニアからみて、この要件が詰まってないと仕事が遅れちゃうっていうポイントを事前に把握して、実際に作業に入る時にはそれが解消されてるような状況を作ることを日頃からすごく意識しています。

リモートの社員さんとのコミュニケーションもしっかりされててすごい!との声もありますが、その辺も意識されていらっしゃるんですか?

出社してると、作業しながら会話もするけど、リモート下では、自分からアクションしていかないとなかなかコミュニケーションが取れないですよね。

それによって、会社に対して言いたいことがあったけど言えずに不満が溜まったり、モチベーションが落ち込んでる状況に気づけなくなっちゃうので。

普段から雑談DMしたりとか、おすすめしてくれた作品を自分もみて共通の話題を作ったりとか、自分なりに工夫しながら、業務以外の部分でも意識的にコミュニケーションを取りにいくようにしています。

一人一人のメンバーと向き合う姿勢。私もマネジメント側の人間として刺激になります!

活躍できるエンジニアになるにはチャレンジ精神とコミュニケーションがカギ

手に職をつけて将来安定したいから、プログラミングを身につけたいという人は増えてると思うんです。
星野さんが考える活躍し続けられるエンジニア像を教えていただけますか?

実際この仕事は、一人前になるには相当な時間を必要とするし、大変なことや泥臭いことも多い仕事だと思います。

そこで踏ん張りながら、自分の仕事をこなした上で、プラスαのことをどれぐらいやるかがエンジニアの成長では特に重要なことなのかなと。

うちでも圧倒的に成長が早いメンバーに共通するのは、自分の開発領域をこなした上で、「面接興味あります」って採用に携わったり、「ディレクションにも挑戦した」っていって、積極的に自分から新しい仕事を取りに行くところです。

それって自分の仕事を増やすことでもあるので、めんどくさいと感じるかもしれないけど、新しいことにチャレンジしようとすると、今の仕事をもっと効率良くやらないといけなくなるから自然と処理スピードも上がってくる。
できることを増やしていくことって大事なのかなって思います。

自分から仕事を取りに行く人には、自然と仕事も機会も集まりますよね。確かに大事だと思います。

あと、エンジニアってどちらかというとコミュニケーションをそんなに重視しない職業な気がするんですけど、だからこそ細かなコミュニケーションがある人のほうがより需要は伸びると思います。

技術力が高いけど比較的ぶっきらぼうな人より、技術力が人並みでも、コミュニケーション力が高い人のほうが「この人に教わりたい!」「また一緒に仕事をしたい!」といった具合に人が集まってきます。
そうなれるとその人自身の影響力って大きくなるので、さらに良い機会やチャンスが巡ってくるのかなと。

未経験から活躍できるエンジニアになるためのポイントを語る星野さん

コミュニケーションといえば、エンジニア以外の立場の人(クライアント様など)との会話ややりとりで気をつけていることはありますか?

システムをわからない人に対しても伝わる文章や話し方は常日頃から意識していますね。粒度的にちょっと難しい言葉であれば、いい例えとかにしてうまく伝えられるようにするとか。

あとは、クライアントの要求や言われたことをそのままやるだけじゃなく、「なぜ作りたいのか」のwhyの部分を握ることを心がけてます。

どんなに技術のことをわかりやすく説明して、クライアントの要望に沿う提案をしたとしても、「その金額は払えない」と言われることも当然あって。
なぜ作りたいのか、そのバックグラウンドを理解していると、「こういう作り方のほうがより御社の求めることに近いからこっちの方がいいと思います」とか「このやり方のほうが金額も減らせます」みたいな提案もできるようになります。

確かに。クライアントワークだけじゃなくて、社内の職種の違うメンバーとのコミュニケーションでも活用できそう。

それから、エンジニアとして学び始めた時やある程度学んだ時って、新しい技術を追い求めがちな部分もあるかなって。
例えば、新しいプロジェクトが決まった時に「こういう最新の技術使いたい!」みたいなこととか。

技術を追う側としては確かに間違いじゃないんだけど、技術はあくまで目的を達成させるための手段であるってことは意識しないといけなくて。

より良いサービスを作る上でその技術が最適であればもちろんいいけど、逆に「それって過剰なんじゃない?」っていう技術を取り入れてしまうと、それはエンジニアのエゴになってしまうと思うんです。

あくまでゴールは「ユーザーに使ってもらう」ことでないといけないというか。

そういうマインドは一番最初から持ってる必要はないかなと思うけど、ある程度成長した段階では持たなきゃいけない考え方の一つなのかなと思ったりします。

未経験からエンジニアを目指す人に伝えたい採用のリアル

実際に未経験エンジニアを採用する時、こういうポイント見てるよっていう部分は?

最近はエンジニアからゆくゆくはディレクションもやりたいっていうようなキャリアプランを持ってる人を採用することが多いですね。

あとは「成長率」かな。

「成長率」というと?

例えエンジニアとしての勉強を始めたのがまだ3ヶ月しかなかったとしても、ポートフォリオをみて、「え、3ヶ月でここまでのことができるの?」っていうレベルのものを作ってきた人であれば、じゃあ次の3ヶ月後、1年後のその人の成長って期待できるじゃないですか。

逆にある程度の完成度のものを作ってきたけど、1年半ぐらいかけて作って、成果物がそれだけとなると、「その期間あったらもっといろんな機能が追加できるし、いろんなサービス作れるよね」ってなりますよね。

いかに「いいもの」を「最短」で作れるかは今後の成長スピードにも関わってくることだと思うので、その人の成長率・伸びしろを見ています。

あとは、弊社はまだ発展途上で、オフィスの移転もそうだけど、制度とか今後いろんなものが変わってくると思うんです。

変化が大きい会社で、その変化を楽しみながら一緒にサバイブできるような人材を採用したいと思っています。

急遽制度とかが変わって、「それだと会社についていけません」っていう人もいたりするけど、会社もしなきゃいけなくてしてる部分もありますよね。
だからそういう変化に対してネガティブなマインドよりはポジティブにとらえて一緒にその中で頑張ってこうっていうほうが、きっと一緒に働いてても楽しいなって思います。

最後にこれからの夢や目標を教えてください!!

先日、渋谷マークシティの移転もしたばかりですが、会社としてまだまだ過程だと思ってるので、これからますます大きくさせていきたいし、ゆくゆくは日本のITの飛躍につながるような活動ができればいいなと思ってるので、まず会社を大きくしていきたいです。

その上で、今自分の下にいる約30名ぐらいのメンバーはみんないい人で、働いててすごく楽しいので、そういうメンバーにもよりいい環境だったり待遇だったりを与えられるぐらい、自分の立ち位置的にもより会社を大きくしていくことに貢献したいと思っています。

今の現状に満足せず、常に最前線で会社を大きくしていく活躍ができる人でありたいなと思いますね。

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この記事を書いた人

すべらないキャリア編集部


「ヒトとITのチカラで働く全ての人を幸せにする」というミッションのもと、前向きに働く、一歩先を目指す、ビジネスパーソンの皆さんに役立つ情報を発信します。

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