目次
結論、今回お伝えしたい内容としては以下です。
「転職活動をする際に、Whatなど、分かりやすいタグで求人・会社・仕事を選ぶと失敗しますよ!基本は、Howを中心に選定し、Whoを最終的な相対比較基準にすると良いですよ!」
以下でより具体的に説明していきますね。
転職における4つの仕事の選定ポイント
転職において、求人や企業選びの際には、以下の4点がポイントになることが多いです。
- What
何をするか、何の業界か、商材が何か - How
どのように働くか、どんな仕事内容か、どんなスキル・経験が積めるか - Who
誰と働くか - How much
給与・年収はいくらか
これは、なぜかわからないのですが、過去お会いしてきた相談者の中では、男性は4番を重視して転職を失敗する(ミスマッチする)ケース、女性は1番を重視して失敗する(ミスマッチする)ケースが多い傾向があると感じています。
今回は、4番の年収についてのお話よりも、1番のWhatにこだわることで転職活動を失敗するケースについてお話してみたいと思います。
転職での仕事選びにおけるWhatとは?
そもそも、ここで言うWhatとはなんでしょうか。
Whatとは、「何を」するか、つまり、興味が強いテーマややりたいこと、分野のことです。
具体的には、業界と言っても良いですし、商材かもしれません。
たくさんの転職相談に乗っていると、このWhatでミスマッチを起こしやすいテーマにも、なぜか傾向があって、私は勝手にこれらを転職ミスマッチ四天王と呼んでいます。
- スポーツビジネス
- 女性の美
- 英語を使う・グローバル
- 教育
決して、これらの分野を否定しているわけではないので誤解がないようにお願いします。
本当にこれらのテーマに想いと具体的な戦略を持って取り組み、キャリアやビジネスとしての成果を挙げられている人も多くいると思いますし、それは素晴らしいことです。
ですが、転職市場、会社員市場を見渡した際に、これらのテーマに盲信してしまい、結果的に途中でミスマッチしてしまっている人をあまりに多くお見かけするので、こちらでお伝えしておこうと思った次第です。
キャリアの自己実現を達成する上での必要要件は?
少しだけ話が逸れますが、皆さんは、キャリアの自己実現をするための必要要件を考えたことはあるでしょうか?
色々な考え方があるとは思いますが、私自身は、「マーケットの魅力度」と、「マーケット内での競争優位を得られるか」という視点が必要と思っています。
「マーケットの魅力度」は、自らがプレイヤーとして、参入するに魅力的か否かということですが、これは単純に、「儲かるか?」「今後成長していくか?」「将来的になくなるリスクは低いか?」などがあります。
とくにキャリアにおいては自分自身がやりたいことか?という主観的な観点も、マーケットの魅力度に入ると思います。
「マーケット内での競争優位」というのは、特定の業界・職務・企業の中で、競争相手と相対比較され、競争していく中で勝ち残っていけるか?という視点です。
競争相手より「得意か、勝ち続けられるのか?」ということですね。
ここで、重要ですが意外と見落とされがちなポイントとして、「長期間辞めずに続けられるのか?」というのが、実は最低ラインで求められてくるものの、多くの人が実現できていません。
例えがオッサンですが、サウナの我慢比べみたいなものでしょうか。残存者利益。結局は、マーケットで最後まで残ったものが勝つのです。
辞めずに続けるには、そこに留まり続ける上での自分なりの合理的な理由が必要ですね。
それをここでは、「なんだかんだ一定のやりがいを感じられている」という言葉で定義しておきましょう。
人は仕事のどこにやりがいを感じるものなのか?
この「やりがい」という抽象的な言葉ではあるのですが、多くの転職者とお会いしてきて転職理由を何千回とヒアリングしてきた中で、人はその分野に関わっているだけで、やりがいを感じられることは実はそんなに多くはないと思うのです。
日々の日常、業務内容と一緒に働く人、そこで得られる経験やスキル、やりがい、給与や帰る時間と向き合うことがほとんどです。
自分で起業して自営業としてであれば、重要なことかもしれませんが。
例えばですが、IT業界の人は、ITそのものが好きなのではなく、IT業界は新しい専門知識が次から次へと移り変わっていくので、それをキャッチアップし続けられることが、好きなんだと思うのです。
実際に、多くの人がおっしゃる転職理由、つまり継続することを諦める理由は、以下のようなポイントです。
- 仕事内容
顧客層・業務スタイル - 給与などの待遇・働き方
土日休みの有無・残業時間 - 人間関係
上司との関係・同僚の優秀さ - スキルアップや成長感、キャリアとしての有望性
やっていることが将来に繋がり有望か
つまり、これらが人が一定レベルでやりがいを感じられる変数であるということです。
テーマや業界よりも、仕事内容などのHOWに着目しよう
例えば、先ほどのミスマッチ四天王の具体的な業態や職種を考えてみます。
すべて網羅してないかもですが、例えば以下のような感じでしょうか。
- スポーツビジネス=
スポーツ小売業の店舗接客・販売/スポーツマネジメント会社のマネージャー - 女性の美=
BA(ビューティーアドバイザー)/アパレル販売 - 英語を使う・グローバル=
翻訳事務所スタッフ/メーカー・卸商社のバイヤー・営業(内勤営業) - 教育=
塾講師・教室長/英会話スクール個人営業
これらの仕事が良い悪いという話ではなく、テーマや業界に盲信してしまい、本来のその人自身のやりがいの変数であるその他の項目の精査を疎かにしてしまう人が非常に多いです。
これらの具体的な仕事内容、やりがいや大変さ、自らの適性などを考えずに、その会社に入れば、いつかは希望の職種(実はここも具体的に定義されていないことが多い)に異動できるのでは?と甘い期待をしてしまうのは、自らへのキャリアに対して、無責任、かつ思考停止状態だと思います。
その業界で求められているのは、本当に経験者ですか?
仮に、本人が希望しているポジションが、例えばビジネスマネジメントやマーケティング、人事などだとして、そう言ったポジションは経験豊富な人、外部の異業界の専門家を中途採用してしまいます。
そのテーマや業界にいた人ではないのです。
実際、私の周りにいるサッカーや野球などスポーツチームや、リーグ自体の運営事務局の社長や専門職ポジションに就いている人は、リクルート出身の先輩が多く、スポーツ業界経験者ではありません。
もちろん、学生時代から趣味としてスポーツは大好きだったようですが。
自分の周りの教育関連の会社の経営陣やマーケなどのスペシャリストポジションも、教育業界出身者じゃない人が多いです。
もちろん昔から教育に熱い想いがあったようですが。
スポーツビジネスやりたいから、スポーツにかかわる業界、教育に関わりたいから、教育業界で塾というのは、短絡的な選択の仕方であり、ミスマッチしている人が多い印象です。
個人的には、本当にその業界に貢献したいのであれば、もっとその業界に今足りていない課題に目を向け、その課題の解決策を提示できるような業界に逆張りで修行に行くという選択肢も考えてみても良いのかなと思います。
意図的に、少し厳しい表現もあったかと思いますが、個人的に、こうした酸いも甘いもの部分を理解した上でのチャレンジは是非応援したいと思っています。
本当にやりたいことへは、そこに絡むことだけを目的にせず、継続性や実効性を意識して選択していきたいですね。
転職について悩んでいるのなら
自分の好きなことや何をしたいか?を考え過ぎてしまって、結果としてミスマッチに繋がってしまうのでは、せっかくの転職が無駄になってしまいます。
しかもこのwhat(何を)で転職先を探していると、その後また同様の過ちを犯してしまうことはよくあります。
自分が本当にやりたいことは何なのか、その後の先を見据え、あなたをちゃんと先入観なく、第三者の目線でアドバイスや導いてくれる転職の専門家のサポートが必要です。
今回のこの記事を見て、その後の転職先を決める際には、一旦立ち止まってくれたなら幸いです。
とはいえ、本当に転職しても良いのか、転職してどうなりたいのかを再度考えたいのなら、転職エージェントを頼るのも1つの方法です。
以下でどんな仕事をしたいの分からない人に、筆者がおすすめする転職エージェントをいくつかご紹介します。気になるものがあれば2〜3社に複数登録して、ぜひ転職エージェントの力を頼ってみてください!
すべらない転職
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この記事を書いた人
末永 雄大Yuta Suenaga
リクルートキャリア、サイバーエージェントを経て、2012年に同社を設立。 月間40万PVを誇る転職メディア「すべらない転職」やキャリアの有料パーソナルトレーニング「マジキャリ」を通じて20代のビジネスパーソンを中心にキャリア支援を行う。